白球と赤球が1個ずつ入った袋から、球を1個取り出す。白球が出たらそのまま袋に戻し、赤球が出たら赤球をさらに1個加えて袋に戻す。この操作を $n$ 回繰り返したとき、袋の中に入っている球の数が2個、 $n+2$ 個、3個である確率をそれぞれ求める。

確率論・統計学確率確率分布条件付き確率漸化式
2025/7/6

1. 問題の内容

白球と赤球が1個ずつ入った袋から、球を1個取り出す。白球が出たらそのまま袋に戻し、赤球が出たら赤球をさらに1個加えて袋に戻す。この操作を nn 回繰り返したとき、袋の中に入っている球の数が2個、 n+2n+2 個、3個である確率をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

(1) 2個の球が入っている確率
これは、 nn 回の操作で一度も赤球が出ない確率である。
1回の操作で白球が出る確率は 12\frac{1}{2} である。
したがって、nn 回の操作で一度も赤球が出ない確率は
P(2)=(12)n=12nP(2) = (\frac{1}{2})^n = \frac{1}{2^n}
(2) (n+2)(n+2) 個の球が入っている確率
これは、nn 回の操作全てで赤球が出続ける確率である。
1回目の操作で赤球が出る確率は 12\frac{1}{2} である。
2回目の操作で赤球が出る確率は 23\frac{2}{3} である。
3回目の操作で赤球が出る確率は 34\frac{3}{4} である。
kk回目の操作で赤球が出る確率は kk+1\frac{k}{k+1} である。
したがって、nn 回の操作全てで赤球が出る確率は
P(n+2)=122334nn+1=1n+1P(n+2) = \frac{1}{2} \cdot \frac{2}{3} \cdot \frac{3}{4} \cdot \cdots \cdot \frac{n}{n+1} = \frac{1}{n+1}
(3) 3個の球が入っている確率
3個の球が入っているのは、1回だけ赤球が出て、残りの n1n-1 回は白球が出る場合である。
kk 回目に赤球が出て、残りの n1n-1 回は白球が出る確率は以下のようになる。
1回目の操作で赤球が出て、残りの n1n-1 回は白球が出る確率: 12(12)n1=(12)n\frac{1}{2} \cdot (\frac{1}{2})^{n-1} = (\frac{1}{2})^n
2回目の操作で赤球が出て、残りの n1n-1 回は白球が出る確率: 1223(13)n1=23(13)n1\frac{1}{2} \cdot \frac{2}{3} \cdot (\frac{1}{3})^{n-1} = \frac{2}{3} (\frac{1}{3})^{n-1}
一般に、kk 回目に赤球が出て、残りの n1n-1 回は白球が出る確率は、
k=1k=1のとき、 12×(12)n1\frac{1}{2} \times (\frac{1}{2})^{n-1}
k=2k=2のとき、 12×23×(13)n2\frac{1}{2} \times \frac{2}{3} \times (\frac{1}{3})^{n-2}
...
k=nk=nのとき、12×23×...×nn+1×(1n+1)0\frac{1}{2} \times \frac{2}{3} \times ...\times \frac{n}{n+1} \times (\frac{1}{n+1})^0
別の考え方として、P(2)+P(3)+P(n+2)=1P(2)+P(3)+P(n+2)=1を利用する。
P(3)=1P(2)P(n+2)=112n1n+1P(3) = 1 - P(2) - P(n+2) = 1 - \frac{1}{2^n} - \frac{1}{n+1}
P(3)=(n+1)2n(n+1)2n(n+1)2n=n2nn1(n+1)2nP(3) = \frac{(n+1)2^n - (n+1) - 2^n}{(n+1)2^n} = \frac{n2^n - n - 1}{(n+1)2^n}

3. 最終的な答え

(1) 2個の球が入っている確率: 12n\frac{1}{2^n}
(2) (n+2)(n+2) 個の球が入っている確率: 1n+1\frac{1}{n+1}
(3) 3個の球が入っている確率: n2n2nn1(n+1)2n\frac{n2^n - 2^n - n - 1}{(n+1)2^n}
あるいは
(3) 3個の球が入っている確率: n2n(n+1)2n(n+1)2n\frac{n2^n - (n+1) - 2^n}{(n+1)2^n}
あるいは
(3) 3個の球が入っている確率: 112n1n+11 - \frac{1}{2^n} - \frac{1}{n+1}

「確率論・統計学」の関連問題

問題1は、20人の生徒の身長データが与えられ、それに基づいて度数分布表を完成させる問題と、ヒストグラムを作成する問題です。 問題2は、5人の体重データが与えられ、平均値、中央値、第3四分位数、四分位範...

度数分布ヒストグラム平均値中央値四分位数四分位範囲
2025/7/10

AとBの工場で製造された部品の長さについて、標準偏差がそれぞれ0.12cmと0.08cmである。Aから72個、Bから64個の標本を抽出し、平均長さをそれぞれ2.52cmと2.49cmとしたとき、2つの...

統計的検定仮説検定母平均の差の検定標準偏差有意水準両側検定
2025/7/10

都市ごみ焼却灰の熱灼減量について、分別回収終了後の測定結果(測定数12、標本平均3.88、標本標準偏差0.346)が得られた。以前の平均値は4.00であった。5%有意水準で片側検定を行い、検定統計量、...

統計的仮説検定t検定片側検定母平均有意水準
2025/7/10

2つのメーカーA, Bで製造された部品の長さについて、Aの部品は72個の標本で平均2.52cm、標準偏差0.12cm、Bの部品は64個の標本で平均2.49cm、標準偏差0.08cmである。2つのメーカ...

統計的検定母平均の差の検定有意水準帰無仮説対立仮説Z検定
2025/7/10

都市ごみ焼却で発生する焼却灰の熱灼減量について、分別回収終了前後の変化を予想し、片側検定を行う場合の帰無仮説と対立仮説を設定する問題です。 与えられたデータは以下の通りです。 - 測定数: $n=12...

仮説検定片側検定統計的推測標本平均標本標準偏差帰無仮説対立仮説
2025/7/10

都市ごみ焼却で発生する焼却灰の熱灼減量について、分別回収終了後の熱灼減量を測定したところ、測定数12、標本平均3.82、標本標準偏差0.346という結果が得られた。以前の平均値は4.00であった。 (...

仮説検定t検定統計的推測母平均片側検定
2025/7/10

AさんとBさんがゲームを100回行い、Aさんが60回、Bさんが40回勝利しました。このとき、AさんがBさんよりこのゲームが強いと言えるかどうかを、有意水準5%および1%で仮説検定します。

仮説検定二項検定有意水準統計的推測
2025/7/10

問題は、B施設の発熱量がA施設の発熱量より高いと言えるかどうかを、有意水準1%で検定するものです。 帰無仮説は $\mu_2 - \mu_1 \le 0$ 、対立仮説は $\mu_2 - \mu_1 ...

仮説検定t検定有意水準棄却域母平均
2025/7/10

A施設とB施設の発熱量について、B施設の発熱量がA施設より高いと言えるかどうかを、有意水準1%で検定する問題です。帰無仮説は$\mu_2 - \mu_1 \le 0$、対立仮説は$\mu_2 - \m...

仮説検定t検定有意水準棄却域母平均
2025/7/10

B施設の発熱量がA施設の発熱量より高いと言えるかどうかを、有意水準1%で検定する問題です。帰無仮説は $\mu_2 - \mu_1 \le 0$ 、対立仮説は $\mu_2 - \mu_1 > 0$ ...

仮説検定t検定有意水準帰無仮説対立仮説棄却域検定統計量
2025/7/10