## 1. 問題の内容

確率論・統計学確率サイコロ事象場合の数
2025/7/6
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1. 問題の内容

(1) 2個のサイコロを同時に投げるとき、出る目の積が6の倍数になる確率を求めよ。
(2) 3個のサイコロを同時に投げるとき、出る目の積が6の倍数になる確率を求めよ。
(3) nn個のサイコロ(n=2,3,n=2, 3, \cdots)を同時に投げるとき、出る目の積が6の倍数になる確率を求めよ。
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2. 解き方の手順

**(1) 2個のサイコロの場合**
全事象は 6×6=366 \times 6 = 36 通り。
積が6の倍数にならない場合を考える。
* 少なくとも一方のサイコロの目が奇数である必要がある。
* 3の倍数 (3,6) が少なくとも一つも出てはいけない。
1の目が出るサイコロの目は1, 2, 4, 5のいずれかである。
奇数は1, 5の2つ、偶数は2, 4の2つである。
1, 2, 4, 5のいずれかの目しか出ない場合、積は6の倍数にならない。
この確率は各サイコロにおいて 46=23\frac{4}{6} = \frac{2}{3}
両方のサイコロの目が1, 2, 4, 5のいずれかの場合、積は6の倍数にならない。
そのような組み合わせの数は 4×4=164 \times 4 = 16 通り。
したがって、積が6の倍数になる確率は、全体から積が6の倍数にならない確率を引けばよい。
11636=149=591 - \frac{16}{36} = 1 - \frac{4}{9} = \frac{5}{9}
**(2) 3個のサイコロの場合**
全事象は 6×6×6=2166 \times 6 \times 6 = 216通り。
積が6の倍数にならない場合を考える。これは、以下の両方の条件を満たす場合である。
* 3の倍数(3または6)が全く出ない。
* 2の倍数(2, 4, 6)が1つも出ないか、または2の倍数が1つだけ出て、残りの2つが奇数である。
3の倍数が出ない確率は 46=23\frac{4}{6} = \frac{2}{3}
3つのサイコロ全てで3の倍数が出ない確率は (23)3=827(\frac{2}{3})^3 = \frac{8}{27}
2の倍数が1つも出ない場合を考える。
各サイコロで奇数が出る確率は 12\frac{1}{2}
この確率は (12)3=18(\frac{1}{2})^3 = \frac{1}{8}
2の倍数が1つだけ出る場合を考える。
2の倍数が出る確率は 12\frac{1}{2}
奇数が出る確率は 12\frac{1}{2}
この確率は (31)(12)(12)2=3×18=38{3 \choose 1} (\frac{1}{2}) (\frac{1}{2})^2 = 3 \times \frac{1}{8} = \frac{3}{8}
両方の条件を満たす確率:
(22の倍数が出ない確率) ×\times (33の倍数が出ない確率) = 18\frac{1}{8}
(22の倍数が一つだけ出て、残りの2つが奇数である確率) ×\times (33の倍数が出ない確率) = 38×(23)3/(12)3×34×46=3814=332\frac{3}{8} \times (\frac{2}{3})^3/(\frac{1}{2})^3 \times \frac{3}{4}\times \frac{4}{6}= \frac{3}{8} \cdot \frac{1}{4} = \frac{3}{32}
したがって、積が6の倍数にならない確率は
18×827+38×46×46×46=127+38×827=127+19=427\frac{1}{8} \times \frac{8}{27} + \frac{3}{8} \times \frac{4}{6} \times \frac{4}{6}\times \frac{4}{6} = \frac{1}{27} + \frac{3}{8} \times \frac{8}{27}= \frac{1}{27} + \frac{1}{9} = \frac{4}{27}
よって、積が6の倍数になる確率は
1427=23271 - \frac{4}{27} = \frac{23}{27}
**(3) n個のサイコロの場合**
積が6の倍数にならない確率は、以下の両方の条件を満たす場合である。
* 3の倍数(3または6)が全く出ない。
* 2の倍数(2, 4, 6)が0個または1個だけである。
3の倍数が出ない確率は 46=23\frac{4}{6} = \frac{2}{3}nn個のサイコロ全てで3の倍数が出ない確率は (23)n(\frac{2}{3})^n
2の倍数が全く出ない確率は (12)n(\frac{1}{2})^n
2の倍数が1つだけ出る確率は (n1)(12)(12)n1=n(12)n{n \choose 1} (\frac{1}{2}) (\frac{1}{2})^{n-1} = n (\frac{1}{2})^n
したがって、積が6の倍数にならない確率は
(23)n(12)n+(23)nn(12)n=(23)n(12)n(1+n)=(13)n(1+n)(\frac{2}{3})^n (\frac{1}{2})^n + (\frac{2}{3})^n n (\frac{1}{2})^n = (\frac{2}{3})^n (\frac{1}{2})^n (1+n) = (\frac{1}{3})^n (1+n)
よって、積が6の倍数になる確率は
1(13)n(n+1)1 - (\frac{1}{3})^n (n+1)
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3. 最終的な答え

(1) 59\frac{5}{9}
(2) 2327\frac{23}{27}
(3) 1(13)n(n+1)1 - (\frac{1}{3})^n (n+1)

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