8個の玉があり、それぞれに1から8の数字が書かれています。これらの玉から2個を選んで箱Aに入れ、次に残りの玉から2個を選んで箱Bに入れ、最後に残りの玉から2個を選んで箱Cに入れます。 (1) 箱Aに入れる玉の選び方は何通りあるか。 (2) 3つの箱への玉の入れ方は何通りあるか。また、このうち、箱Aと箱Bには5以下の数が書かれた玉だけを、箱Cには6以上の数が書かれた玉だけを入れるような入れ方は何通りあるか。 (3) 箱A, B, Cそれぞれに入れる2個の玉に書かれた数の和を順にa, b, cとする。a, b, cがすべて偶数となるような入れ方は何通りあるか。また、a、b、cのうち、少なくとも1つが偶数となるような入れ方は何通りあるか。

1. 問題の内容

8個の玉があり、それぞれに1から8の数字が書かれています。これらの玉から2個を選んで箱Aに入れ、次に残りの玉から2個を選んで箱Bに入れ、最後に残りの玉から2個を選んで箱Cに入れます。

(1) 箱Aに入れる玉の選び方は何通りあるか。

(2) 3つの箱への玉の入れ方は何通りあるか。また、このうち、箱Aと箱Bには5以下の数が書かれた玉だけを、箱Cには6以上の数が書かれた玉だけを入れるような入れ方は何通りあるか。

(3) 箱A, B, Cそれぞれに入れる2個の玉に書かれた数の和を順にa, b, cとする。a, b, cがすべて偶数となるような入れ方は何通りあるか。また、a、b、cのうち、少なくとも1つが偶数となるような入れ方は何通りあるか。

2. 解き方の手順

(1) 箱Aに入れる玉の選び方

8個の玉から2個を選ぶ組み合わせなので、組み合わせの公式を用います。

$_{8}C_{2} = \frac{8!}{2!(8-2)!} = \frac{8!}{2!6!} = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28$

(2) 3つの箱への玉の入れ方

まず、8個から2個を選んで箱Aに入れ、次に残りの6個から2個を選んで箱Bに入れ、最後に残りの4個から2個を選んで箱Cに入れる組み合わせを考えます。箱の区別がないので、最後に箱の並び替えを考慮して3!で割る必要があります。ただし、問題文から判断すると、箱の区別はあると解釈できます。ここでは箱に区別があるものと解釈して解きます。

$_{8}C_{2} \times _{6}C_{2} \times _{4}C_{2} = \frac{8!}{2!6!} \times \frac{6!}{2!4!} \times \frac{4!}{2!2!} = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} \times \frac{6 \times 5}{2 \times 1} \times \frac{4 \times 3}{2 \times 1} = 28 \times 15 \times 6 = 2520$

箱Aと箱Bには5以下の数が書かれた玉だけを、箱Cには6以上の数が書かれた玉だけを入れる場合。5以下の数は1,2,3,4,5の5つ、6以上の数は6,7,8の3つです。箱Aと箱Bに入れる玉は5以下のものから選ぶので、箱Aに2個、箱Bに2個選ぶ必要があります。残りの5以下の数は1個となり、箱Cに6以上の数から2個選ぶ必要があるので、題意を満たすことはできません。

しかし、問題文をよく読むと箱Aと箱B"には"5以下の数と書かれており、5以下の数字だけを入れるとは書かれていません。

箱Aと箱Bに入れる玉は、1から5までの数字が書かれた玉から選びます。箱Cに入れる玉は、6から8までの数字が書かれた玉から選びます。

$_{5}C_{2} \times _{3}C_{2} = \frac{5!}{2!3!} \times \frac{3!}{2!1!} = \frac{5 \times 4}{2 \times 1} \times \frac{3 \times 2}{2 \times 1} = 10 \times 3 = 30$

この場合、箱Aと箱Bの区別があるので、最後に2! = 2を掛けて

$30 \times 2 = 60$

となります。

(3) 箱A, B, Cそれぞれに入れる2個の玉に書かれた数の和を順にa, b, cとする。a, b, cがすべて偶数となるような入れ方。

和が偶数となるのは、2つの数が偶数または2つの数が奇数の場合です。

偶数は2,4,6,8の4つ、奇数は1,3,5,7の4つです。

箱A, B, C全てについて、(偶数2つ)または(奇数2つ)のパターンを選びます。

ケース1：箱A, B, C全てで偶数2つ

$_{4}C_{2} \times _{2}C_{2} = 6 \times 1 = 6$

この時点で、偶数4個を全て使ったので残りの箱は条件を満たせません。

ケース2：箱Aで偶数2つ、箱Bで奇数2つ

$_{4}C_{2} \times _{4}C_{2} \times _{2}C_{0} \times _{2}C_{0} = 6 \times 6 \times 1 \times 1 = 36$

残りは箱Cに偶数２つを使う必要があります。

箱の並び替えは3! = 6通りなので

$36 \times 6 = 216$

ケース3：箱A, B, C全てで奇数2つ

この時点で箱Cに奇数を入れられないので不適。

箱A, B, Cの和が全て偶数となるのは、箱A,B,Cすべてに2個の偶数を入れるか、もしくは２つの奇数を入れるかのどちらかです。

箱Aに偶数2個、箱Bに偶数2個、箱Cに偶数2個は不可能です。

箱Aに奇数2個、箱Bに奇数2個、箱Cに奇数2個も不可能です。

したがって、箱Aに偶数、箱Bに奇数または、箱Aに奇数、箱Bに偶数の場合を考えます。

$_{4}C_{2} \times _{4}C_{2} = 6 \times 6 = 36$

この組み合わせは、箱A,B,Cの順番があるので、並び順を考慮する必要があります。

各箱に偶数の和を入れるか、奇数の和を入れるかの選択肢は2通りあるので、$2 \times 2 \times 2 = 8$

箱の組み合わせ数は、3! = 6通りです。

よって、$36 \times 6 = 216$通りです。

箱A, B, Cのうち、少なくとも1つが偶数となるような入れ方

全ての入れ方は2520通りでした。

その中で全て奇数となるパターンを考えます。

箱A, B, C全てが奇数となる組み合わせは不可能であるので、

全ての入れ方から、全て奇数となる入れ方を引けば良いことになります。

箱A,B,C全て奇数はありえないので、少なくとも１つが偶数となる入れ方は2520通りです。

3. 最終的な答え

(1) 28通り

(2) 2520通り、60通り

(3) 216通り、2520通り