与えられた画像には、角運動量に関する7つの問題が記載されています。各問題は以下の通りです。 (1) 原点周りの角運動量ベクトル $\vec{L}$ の定義式を、位置ベクトル $\vec{r}$ と運動量ベクトル $\vec{p}$ を用いて記述する。 (2) 角運動量ベクトル $\vec{L}$ の $x, y, z$ 成分 $L_x, L_y, L_z$ をそれぞれ記述する。 (3) 角運動量の $z$ 成分 $L_z$ を $X-Y$ 平面上の2次元極座標を用いて表す。 (4) 中心力のもとで運動している物体の角運動量が保存することを示す。 (5) 中心力のもとで運動している物体は必ず2次元平面上を運動することを示す。 (6) 中心力のもとで運動している物体の面積速度は一定であることを示す。 (7) 角運動量の次元が「エネルギー×時間」の次元に等しいことを示す。

応用数学角運動量力学ベクトル中心力保存則次元
2025/7/12
## 回答

1. 問題の内容

与えられた画像には、角運動量に関する7つの問題が記載されています。各問題は以下の通りです。
(1) 原点周りの角運動量ベクトル L\vec{L} の定義式を、位置ベクトル r\vec{r} と運動量ベクトル p\vec{p} を用いて記述する。
(2) 角運動量ベクトル L\vec{L}x,y,zx, y, z 成分 Lx,Ly,LzL_x, L_y, L_z をそれぞれ記述する。
(3) 角運動量の zz 成分 LzL_zXYX-Y 平面上の2次元極座標を用いて表す。
(4) 中心力のもとで運動している物体の角運動量が保存することを示す。
(5) 中心力のもとで運動している物体は必ず2次元平面上を運動することを示す。
(6) 中心力のもとで運動している物体の面積速度は一定であることを示す。
(7) 角運動量の次元が「エネルギー×時間」の次元に等しいことを示す。

2. 解き方の手順

(1) 角運動量の定義
角運動量ベクトル L\vec{L} は、位置ベクトル r\vec{r} と運動量ベクトル p\vec{p} の外積として定義されます。
L=r×p\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p}
(2) 角運動量ベクトルの成分
r=(x,y,z)\vec{r} = (x, y, z)p=(px,py,pz)\vec{p} = (p_x, p_y, p_z) とすると、角運動量ベクトルの各成分は以下のようになります。
Lx=ypzzpyL_x = yp_z - zp_y
Ly=zpxxpzL_y = zp_x - xp_z
Lz=xpyypxL_z = xp_y - yp_x
(3) LzL_z の極座標表示
x=rcosθx = r\cos\theta, y=rsinθy = r\sin\theta, px=mx˙=m(r˙cosθrθ˙sinθ)p_x = m\dot{x} = m(\dot{r}\cos\theta - r\dot{\theta}\sin\theta), py=my˙=m(r˙sinθ+rθ˙cosθ)p_y = m\dot{y} = m(\dot{r}\sin\theta + r\dot{\theta}\cos\theta)
ただし、mmは質量、r˙\dot{r}θ˙\dot{\theta}はそれぞれの時間微分を表します。これらをLzL_zの式に代入すると
Lz=xpyypx=rcosθm(r˙sinθ+rθ˙cosθ)rsinθm(r˙cosθrθ˙sinθ)L_z = x p_y - y p_x = r\cos\theta \cdot m(\dot{r}\sin\theta + r\dot{\theta}\cos\theta) - r\sin\theta \cdot m(\dot{r}\cos\theta - r\dot{\theta}\sin\theta)
=mrr˙cosθsinθ+mr2θ˙cos2θmrr˙sinθcosθ+mr2θ˙sin2θ= mr\dot{r}\cos\theta\sin\theta + mr^2\dot{\theta}\cos^2\theta - mr\dot{r}\sin\theta\cos\theta + mr^2\dot{\theta}\sin^2\theta
=mr2θ˙(cos2θ+sin2θ)= mr^2\dot{\theta}(\cos^2\theta + \sin^2\theta)
=mr2θ˙= mr^2\dot{\theta}
(4) 中心力下での角運動量保存
中心力は原点からの距離のみに依存する力であり、F=f(r)r^\vec{F} = f(r)\hat{r} (ただし、r^\hat{r}は動径方向の単位ベクトル)と表されます。
トルクは τ=r×F=r×f(r)r^=0\vec{\tau} = \vec{r} \times \vec{F} = \vec{r} \times f(r)\hat{r} = 0 となります。
角運動量の時間変化はトルクに等しいので、dLdt=τ=0\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{\tau} = 0 となり、角運動量 L\vec{L} は時間的に一定(保存)となります。
(5) 中心力下での2次元平面運動
上記(4)より、角運動量L\vec{L}は保存されます。運動開始時において、r\vec{r}p\vec{p}が張る平面を考えます。角運動量L=r×p\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p}はその平面に垂直なベクトルです。角運動量が保存されるということは、r\vec{r}p\vec{p}が常にL\vec{L}に垂直な平面内に存在することを意味します。したがって、中心力下での運動は必ず2次元平面上で行われます。
(6) 中心力下での面積速度一定
面積速度は 12r2θ˙\frac{1}{2}r^2\dot{\theta} で与えられます。(3)より、Lz=mr2θ˙L_z = mr^2\dot{\theta} であるから、r2θ˙=Lzmr^2\dot{\theta} = \frac{L_z}{m}となります。
(4)よりLzL_zは保存するので、12r2θ˙=Lz2m\frac{1}{2}r^2\dot{\theta} = \frac{L_z}{2m}も一定となります。したがって、中心力のもとで運動している物体の面積速度は一定です。
(7) 角運動量の次元
角運動量の定義 L=r×p\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p} から、角運動量の次元は [長さ] × [運動量] です。
運動量の次元は [質量] × [速度] = [質量] × [長さ]/[時間] です。
したがって、角運動量の次元は [質量] × [長さ]2^2/[時間] です。
エネルギーの次元は [質量] × [速度]2^2 = [質量] × [長さ]2^2/[時間]2^2 です。
したがって、エネルギー × 時間の次元は [質量] × [長さ]2^2/[時間] となり、角運動量の次元と一致します。

3. 最終的な答え

(1) L=r×p\vec{L} = \vec{r} \times \vec{p}
(2) Lx=ypzzpyL_x = yp_z - zp_y, Ly=zpxxpzL_y = zp_x - xp_z, Lz=xpyypxL_z = xp_y - yp_x
(3) Lz=mr2θ˙L_z = mr^2\dot{\theta}
(4) 中心力下ではトルクがゼロになるため、角運動量の時間変化はゼロとなり、角運動量は保存される。
(5) 運動開始時の位置ベクトルと運動量ベクトルが張る平面上で運動が継続されるため、中心力下での運動は2次元平面運動となる。
(6) 面積速度は角運動量に比例するため、角運動量が保存されるとき、面積速度も一定となる。
(7) 角運動量の次元は [エネルギー] × [時間] と一致する。

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