回転(渦度)は、微小領域における流体の回転の度合いを表します。xy平面における流れ場を考えます。
まず、微小な正方形領域を考えます。その正方形の頂点の座標は (x,y), (x+Δx,y), (x+Δx,y+Δy), (x,y+Δy) とします。 正方形の各辺に沿った速度成分を考え、流れによる回転の寄与を計算します。
(1) 下辺 (x,y) から (x+Δx,y) までの辺: 速度成分は u です。この辺での流れの寄与は、反時計回りを正とすると、−u(x,y)Δx です。 (2) 右辺 (x+Δx,y) から (x+Δx,y+Δy) までの辺: 速度成分は v です。この辺での流れの寄与は、時計回りを正とすると、v(x+Δx,y)Δy です。 (3) 上辺 (x+Δx,y+Δy) から (x,y+Δy) までの辺: 速度成分は u です。この辺での流れの寄与は、時計回りを正とすると、u(x,y+Δy)Δx です。 (4) 左辺 (x,y+Δy) から (x,y) までの辺: 速度成分は v です。この辺での流れの寄与は、反時計回りを正とすると、−v(x,y+Δy)Δy です。 したがって、正方形領域全体での回転の大きさは、
v(x+Δx,y)Δy−u(x,y)Δx−v(x,y+Δy)Δy+u(x,y+Δy)Δx となります。これを整理すると、
[u(x,y+Δy)−u(x,y)]Δx+[v(x+Δx,y)−v(x,y+Δy)]Δy となります。
次に、テイラー展開を用いて近似します。
u(x,y+Δy)≈u(x,y)+∂y∂uΔy v(x+Δx,y)≈v(x,y)+∂x∂vΔx v(x,y+Δy)≈v(x,y)+∂y∂vΔy これを代入すると、回転の大きさは
(∂y∂uΔy)Δx+(∂x∂vΔx−∂y∂vΔy)Δy=∂y∂uΔxΔy−∂x∂vΔxΔy となります。この微小領域の面積 ΔxΔy で割ることで、単位面積あたりの回転の大きさを求めることができます。 ΔxΔy∂x∂vΔxΔy−∂y∂uΔxΔy=∂x∂v−∂y∂u これはz軸方向の回転を表しているので、k 方向の単位ベクトルを掛けて、 rotv=(∂x∂v−∂y∂u)k を得ます。