$x$-$y$ 平面における速度ベクトル場 $\vec{v} = v_x \vec{i} + v_y \vec{j}$ の回転 (rot v) が、なぜ次の式で表されるのかを、$x$ および $y$ 方向の流体の速度変化を考慮して導出すること。 $\text{rot } \vec{v} = \left( \frac{\partial v_y}{\partial x} - \frac{\partial v_x}{\partial y} \right) \vec{k}$

応用数学ベクトル解析回転偏微分流体力学
2025/7/13

1. 問題の内容

xx-yy 平面における速度ベクトル場 v=vxi+vyj\vec{v} = v_x \vec{i} + v_y \vec{j} の回転 (rot v) が、なぜ次の式で表されるのかを、xx および yy 方向の流体の速度変化を考慮して導出すること。
rot v=(vyxvxy)k\text{rot } \vec{v} = \left( \frac{\partial v_y}{\partial x} - \frac{\partial v_x}{\partial y} \right) \vec{k}

2. 解き方の手順

回転の定義を理解し、微小な面積要素における循環を考えることで導出します。
まず、回転 (curl) はベクトル場の局所的な回転の度合いを表すベクトルです。二次元の場合、zz 軸方向の回転成分のみを持ちます。
次に、xx-yy 平面上の微小な正方形領域 (辺の長さ Δx\Delta xΔy\Delta y) を考えます。この正方形の周に沿った速度ベクトルの線積分 (循環) を計算し、面積で割ることで、回転の zz 成分を求めることができます。
正方形の各辺に沿った線積分を計算します。
* 辺 1: (x,y)(x, y) から (x+Δx,y)(x+\Delta x, y) への線積分: vx(x,y)Δxv_x(x, y) \Delta x
* 辺 2: (x+Δx,y)(x+\Delta x, y) から (x+Δx,y+Δy)(x+\Delta x, y+\Delta y) への線積分: vy(x+Δx,y)Δyv_y(x+\Delta x, y) \Delta y
* 辺 3: (x+Δx,y+Δy)(x+\Delta x, y+\Delta y) から (x,y+Δy)(x, y+\Delta y) への線積分: vx(x,y+Δy)Δx-v_x(x, y+\Delta y) \Delta x
* 辺 4: (x,y+Δy)(x, y+\Delta y) から (x,y)(x, y) への線積分: vy(x,y)Δy-v_y(x, y) \Delta y
したがって、正方形の周に沿った循環は、
Γ=vx(x,y)Δx+vy(x+Δx,y)Δyvx(x,y+Δy)Δxvy(x,y)Δy\Gamma = v_x(x, y) \Delta x + v_y(x + \Delta x, y) \Delta y - v_x(x, y + \Delta y) \Delta x - v_y(x, y) \Delta y
これを整理すると、
Γ=[vy(x+Δx,y)vy(x,y)]Δy[vx(x,y+Δy)vx(x,y)]Δx\Gamma = [v_y(x + \Delta x, y) - v_y(x, y)] \Delta y - [v_x(x, y + \Delta y) - v_x(x, y)] \Delta x
Δx\Delta xΔy\Delta y が十分に小さい場合、微分の定義を用いて、次のように近似できます。
vy(x+Δx,y)vy(x,y)vyxΔxv_y(x + \Delta x, y) - v_y(x, y) \approx \frac{\partial v_y}{\partial x} \Delta x
vx(x,y+Δy)vx(x,y)vxyΔyv_x(x, y + \Delta y) - v_x(x, y) \approx \frac{\partial v_x}{\partial y} \Delta y
これらを循環の式に代入すると、
ΓvyxΔxΔyvxyΔyΔx=(vyxvxy)ΔxΔy\Gamma \approx \frac{\partial v_y}{\partial x} \Delta x \Delta y - \frac{\partial v_x}{\partial y} \Delta y \Delta x = \left( \frac{\partial v_y}{\partial x} - \frac{\partial v_x}{\partial y} \right) \Delta x \Delta y
回転の zz 成分は、循環を面積 ΔxΔy\Delta x \Delta y で割ったものです。
(rot v)z=limΔx,Δy0ΓΔxΔy=vyxvxy(\text{rot } \vec{v})_z = \lim_{\Delta x, \Delta y \to 0} \frac{\Gamma}{\Delta x \Delta y} = \frac{\partial v_y}{\partial x} - \frac{\partial v_x}{\partial y}
したがって、回転ベクトルは、
rot v=(vyxvxy)k\text{rot } \vec{v} = \left( \frac{\partial v_y}{\partial x} - \frac{\partial v_x}{\partial y} \right) \vec{k}

3. 最終的な答え

rot v=(vyxvxy)k\text{rot } \vec{v} = \left( \frac{\partial v_y}{\partial x} - \frac{\partial v_x}{\partial y} \right) \vec{k}

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