まず、微小立方体の各面から流れ出る湧き出し量を計算します。微小立方体の辺の長さをそれぞれ dx、dy、dz とします。流れ出る水流密度ベクトルを v=(vx,vy,vz) とします。 * x軸方向の面の湧き出し量:
x軸の正の方向に出る面における流量は vx(x+dx,y,z)dydz であり、x軸の負の方向に出る面における流量は vx(x,y,z)dydz です。したがって、x軸方向の正味の湧き出し量は、 (vx(x+dx,y,z)−vx(x,y,z))dydz=∂x∂vxdxdydz * y軸方向の面の湧き出し量:
y軸の正の方向に出る面における流量は vy(x,y+dy,z)dxdz であり、y軸の負の方向に出る面における流量は vy(x,y,z)dxdz です。したがって、y軸方向の正味の湧き出し量は、 (vy(x,y+dy,z)−vy(x,y,z))dxdz=∂y∂vydxdydz * z軸方向の面の湧き出し量:
z軸の正の方向に出る面における流量は vz(x,y,z+dz)dxdy であり、z軸の負の方向に出る面における流量は vz(x,y,z)dxdy です。したがって、z軸方向の正味の湧き出し量は、 (vz(x,y,z+dz)−vz(x,y,z))dxdy=∂z∂vzdxdydz 微小立方体からの総湧き出し量 dQ は、上記の3方向の湧き出し量の合計であるため、 dQ=(∂x∂vx+∂y∂vy+∂z∂vz)dxdydz=∇⋅vdxdydz ここで、∇⋅v は v の発散(ダイバージェンス)であり、 ∇⋅v=∂x∂vx+∂y∂vy+∂z∂vz と定義されます。
したがって、微小体積 dV=dxdydz あたりの湧き出し量(湧き出し密度)は ∇⋅v となります。 次に、ガウスの発散定理を説明します。
ある体積 V を囲む閉曲面 S を考えます。体積 V を微小体積 dV に分割し、各微小体積からの湧き出し量を合計すると、体積 V 全体からの湧き出し量になります。これは積分で表現できます。 ∭V∇⋅vdV この湧き出し量は、閉曲面 S を通って外に流れ出る流量に等しくなります。閉曲面 S 上の微小面積ベクトルを dS とすると、 ∬Sv⋅dS となります。ガウスの発散定理は、この2つの積分が等しいことを主張します。
∭V∇⋅vdV=∬Sv⋅dS これは、体積積分と面積積分を結びつける重要な定理です。