ラグランジュの未定乗数法を用いて、ある製品の生産量 $q = x^a y^b$ を最大化する、原材料XとYの投入量xとyを求める方法を説明する。ただし、Xの1単位あたりの価格は2、Yの1単位あたりの価格は3で、原材料費の総額が50であるという制約条件がある。

応用数学最適化ラグランジュの未定乗数法微分偏微分経済学
2025/7/13

1. 問題の内容

ラグランジュの未定乗数法を用いて、ある製品の生産量 q=xaybq = x^a y^b を最大化する、原材料XとYの投入量xとyを求める方法を説明する。ただし、Xの1単位あたりの価格は2、Yの1単位あたりの価格は3で、原材料費の総額が50であるという制約条件がある。

2. 解き方の手順

まず、制約条件を数式で表す。原材料費の総額が50であることから、以下の式が成り立つ。
2x+3y=502x + 3y = 50
次に、ラグランジュ関数 LL を定義する。これは、最大化したい関数(生産量 qq)から、制約条件にラグランジュ乗数 λ\lambda を掛けたものを引いたものである。
L(x,y,λ)=xaybλ(2x+3y50)L(x, y, \lambda) = x^a y^b - \lambda(2x + 3y - 50)
LLxx, yy, λ\lambda でそれぞれ偏微分し、偏微分係数を0とする連立方程式を解く。
Lx=axa1yb2λ=0\frac{\partial L}{\partial x} = a x^{a-1} y^b - 2\lambda = 0
Ly=bxayb13λ=0\frac{\partial L}{\partial y} = b x^a y^{b-1} - 3\lambda = 0
Lλ=(2x+3y50)=0\frac{\partial L}{\partial \lambda} = -(2x + 3y - 50) = 0
これらの連立方程式を解くことで、x, y, λ の値を求めることができる。
まず最初の2つの式からλを消去する。
λ=a2xa1yb\lambda = \frac{a}{2} x^{a-1} y^b
λ=b3xayb1\lambda = \frac{b}{3} x^a y^{b-1}
上記2式は等しいので、
a2xa1yb=b3xayb1\frac{a}{2} x^{a-1} y^b = \frac{b}{3} x^a y^{b-1}
a2yx=b3\frac{a}{2} \frac{y}{x} = \frac{b}{3}
3ay=2bx3ay = 2bx
y=2b3axy = \frac{2b}{3a}x
これを制約条件式 2x+3y=502x + 3y = 50 に代入すると
2x+3(2b3ax)=502x + 3(\frac{2b}{3a}x) = 50
2x+2bax=502x + \frac{2b}{a}x = 50
2x(1+ba)=502x(1 + \frac{b}{a}) = 50
x(1+ba)=25x(1 + \frac{b}{a}) = 25
x=251+bax = \frac{25}{1 + \frac{b}{a}}
x=25aa+bx = \frac{25a}{a + b}
次に y を求める。
y=2b3ax=2b3a25aa+b=50b3(a+b)y = \frac{2b}{3a}x = \frac{2b}{3a} \frac{25a}{a+b} = \frac{50b}{3(a+b)}
したがって、生産量 qq を最大化するXとYの投入量 xxyy はそれぞれ
x=25aa+bx = \frac{25a}{a+b}, y=50b3(a+b)y = \frac{50b}{3(a+b)}

3. 最終的な答え

生産量qを最大化するXとYの投入量はそれぞれ
x=25aa+bx = \frac{25a}{a+b}
y=50b3(a+b)y = \frac{50b}{3(a+b)}

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