(1) 質量 $m$ の物体が等速直線運動をしているとき、座標原点の回りの物体の角運動量が変化しないことを示す。 (2) 質量 $m$ の物体が、半径 $r$ の円周上を角速度 $\omega$ で等速円運動しているとき、物体が回転の中心に対して持つ角運動量を求める。 (3) 地球が太陽をまわる軌道を円とし、その半径を $1.5 \times 10^8$ [km] とすれば、地球が太陽をまわる面積速度及び角運動量を求める。
2025/7/16
1. 問題の内容
(1) 質量 の物体が等速直線運動をしているとき、座標原点の回りの物体の角運動量が変化しないことを示す。
(2) 質量 の物体が、半径 の円周上を角速度 で等速円運動しているとき、物体が回転の中心に対して持つ角運動量を求める。
(3) 地球が太陽をまわる軌道を円とし、その半径を [km] とすれば、地球が太陽をまわる面積速度及び角運動量を求める。
2. 解き方の手順
(1) 等速直線運動における角運動量
物体の位置ベクトルを 、速度ベクトルを とすると、角運動量 は
で与えられる。
等速直線運動なので、速度ベクトル は時間的に一定である。位置ベクトル は時間 とともに のように変化する。したがって、
となる。なぜなら、同じベクトル同士の外積はゼロになるため だから。
したがって、角運動量 は時間的に一定であり、変化しない。
(2) 等速円運動における角運動量
角運動量 の大きさは、
で与えられる。
等速円運動の場合、 なので、
となる。
(3) 地球が太陽をまわる面積速度と角運動量
面積速度 は、
で与えられる。
ここで、 [km] [m] である。
地球の公転周期 は 365日 = 秒であるから、角速度 は
[rad/s]
したがって、面積速度は、
[m/s]
地球の質量 [kg] であるから、角運動量の大きさは
[kg m/s]
3. 最終的な答え
(1) 角運動量は変化しない。
(2)
(3) 面積速度: [m/s], 角運動量: [kg m/s]