質量 $M$ の台車が速度 $V$ で等速直線運動している。台車から質量 $m$ の小球を初速度 $v$ で鉛直上向きに投げ上げる。以下の問いに答えよ。 (1) 床に静止している人と台車に乗っている人から見た小球の運動を答えよ。 (2) 台車が小球を打ち上げた位置を原点とし、台車の進行方向に $x$ 軸、鉛直上向きに $y$ 軸をとったときの、小球の運動方程式を立てよ。 (3) 小球が最高点に達するまでの時間と、最高点の床からの高さを求めよ。ただし、台車の高さは $h$ とする。 (4) 小球が元の高さに戻るまでに台車が進む距離を求めよ。
2025/7/16
1. 問題の内容
質量 の台車が速度 で等速直線運動している。台車から質量 の小球を初速度 で鉛直上向きに投げ上げる。以下の問いに答えよ。
(1) 床に静止している人と台車に乗っている人から見た小球の運動を答えよ。
(2) 台車が小球を打ち上げた位置を原点とし、台車の進行方向に 軸、鉛直上向きに 軸をとったときの、小球の運動方程式を立てよ。
(3) 小球が最高点に達するまでの時間と、最高点の床からの高さを求めよ。ただし、台車の高さは とする。
(4) 小球が元の高さに戻るまでに台車が進む距離を求めよ。
2. 解き方の手順
(1)
床に静止している人から見ると、小球は初速度 で鉛直上向きに投げ上げられ、水平方向には台車と同じ速度 で等速運動をする。したがって、放物運動に見える。
台車に乗っている人から見ると、小球は鉛直上向きに初速度 で投げ上げられたように見える。したがって、鉛直方向の往復運動に見える。
(2)
小球には重力のみが働くので、運動方程式は次のようになる。
軸方向:
軸方向:
(3)
軸方向の運動を考える。初速度 で投げ上げられた小球の速度 は、
最高点では となるので、
したがって、最高点に達するまでの時間 は、
最高点の床からの高さ は、等加速度運動の公式より
を代入すると、
(4)
小球が元の高さに戻るまでの時間 は、 の2倍である。
台車は等速直線運動をしているので、小球が元の高さに戻るまでに台車が進む距離 は、
3. 最終的な答え
(1) 床に静止している人から見ると放物運動、台車に乗っている人から見ると鉛直方向の往復運動。
(2) ,
(3) 時間:、高さ:
(4)