C社、D社、E社の3つの自動車メーカーが、ガソリン車の製造を続けるか、BEV(電気自動車)の製造に特化するかを決定するゲームを考える。C社が最初に戦略を決定し、その後、D社とE社が同時に戦略を決定する。各社の利得行列が与えられており、部分ゲーム完全均衡における各社の戦略と、その結果を記述する。
2025/7/17
1. 問題の内容
C社、D社、E社の3つの自動車メーカーが、ガソリン車の製造を続けるか、BEV(電気自動車)の製造に特化するかを決定するゲームを考える。C社が最初に戦略を決定し、その後、D社とE社が同時に戦略を決定する。各社の利得行列が与えられており、部分ゲーム完全均衡における各社の戦略と、その結果を記述する。
2. 解き方の手順
この問題を解くには、後ろ向き帰納法を用いる。
* **ステップ1:D社とE社の戦略をC社の各戦略に対して分析する。**
* **C社がガソリン車継続を選んだ場合:**
D社とE社の利得行列は以下の通り。
| | E社:ガソリン車継続 | E社:BEV特化 |
| :---- | :----------------- | :----------- |
| D社:ガソリン車継続 | 4, 2, 8 | 8, 6, 16 |
| D社:BEV特化 | 14, 4, 2 | 4, 2, 6 |
この部分ゲームにおけるD社の最適な戦略を考える。E社がガソリン車継続を選んだ場合、D社はガソリン車継続を選ぶと利得は2、BEV特化を選ぶと利得は4となるため、BEV特化を選ぶ方が有利。E社がBEV特化を選んだ場合、D社はガソリン車継続を選ぶと利得は6、BEV特化を選ぶと利得は2となるため、ガソリン車継続を選ぶ方が有利。
D社がBEV特化を選んだ場合、E社はガソリン車継続を選ぶと利得は2、BEV特化を選ぶと利得は6となるため、BEV特化を選ぶ。D社がガソリン車継続を選んだ場合、E社はガソリン車継続を選ぶと利得は8、BEV特化を選ぶと利得は16となるため、BEV特化を選ぶ。
したがって、D社はBEV特化を選び、E社はBEV特化を選ぶとナッシュ均衡となる。この時の利得は (4, 2, 6) となる。
* **C社がBEV特化を選んだ場合:**
D社とE社の利得行列は以下の通り。
| | E社:ガソリン車継続 | E社:BEV特化 |
| :---- | :----------------- | :----------- |
| D社:ガソリン車継続 | 10, 2, 16 | 2, 6, 4 |
| D社:BEV特化 | 8, 18, 6 | 6, 8, 10 |
D社の最適な戦略を考える。E社がガソリン車継続を選んだ場合、D社はガソリン車継続を選ぶと利得は2、BEV特化を選ぶと利得は18となるため、BEV特化を選ぶ方が有利。E社がBEV特化を選んだ場合、D社はガソリン車継続を選ぶと利得は6、BEV特化を選ぶと利得は8となるため、BEV特化を選ぶ方が有利。
したがって、D社は常にBEV特化を選ぶ。D社がBEV特化を選んだ場合、E社はガソリン車継続を選ぶと利得は6、BEV特化を選ぶと利得は10となるため、BEV特化を選ぶ。
したがって、この部分ゲームにおけるナッシュ均衡は、D社がBEV特化、E社がBEV特化を選ぶ戦略であり、利得は (6, 8, 10) となる。
* **ステップ2:C社の最適な戦略を決定する。**
* C社がガソリン車継続を選んだ場合、D社とE社は共にBEV特化を選び、C社の利得は4となる。
* C社がBEV特化を選んだ場合、D社とE社は共にBEV特化を選び、C社の利得は6となる。
したがって、C社はBEV特化を選ぶ方が有利である。
3. 最終的な答え
部分ゲーム完全均衡におけるプレイの結果は以下の通り。
* C社はBEV特化を選ぶ。
* D社はBEV特化を選ぶ。
* E社はBEV特化を選ぶ。
各社の利得は、C社が6、D社が8、E社が10となる。