質量 $m_A$ の物体Aの上に質量 $m_B$ の物体Bが置かれている。AとBの間の静止摩擦係数は $\mu$ である。物体Aを力 $f$ で水平方向に引くとき、物体Bが物体Aからずれないようにするための力 $f$ の大きさの上限を求める。ただし、鉛直方向に作用する力は重力と垂直抗力のみであり、床とAの間には摩擦はないものとする。
2025/7/17
1. 問題の内容
質量 の物体Aの上に質量 の物体Bが置かれている。AとBの間の静止摩擦係数は である。物体Aを力 で水平方向に引くとき、物体Bが物体Aからずれないようにするための力 の大きさの上限を求める。ただし、鉛直方向に作用する力は重力と垂直抗力のみであり、床とAの間には摩擦はないものとする。
2. 解き方の手順
(1) 物体Bに着目する。物体BがAからずれないためには、物体Aの加速度 と物体Bの加速度が等しくなければならない。物体Bに働く力は、重力 、垂直抗力 、静止摩擦力 である。水平方向には静止摩擦力のみが働くので、運動方程式は次のようになる。
(2) 静止摩擦力 は最大静止摩擦力 を超えることはない。 は物体Bの重力と釣り合っているので、 である。したがって、 となる。
(3) (1) と (2) より、 であるから、 となる。これは、物体Aと物体Bの加速度の最大値が であることを意味する。
(4) 次に、物体Aと物体Bを一体として考える。この系の質量は であり、働く力は である。したがって、運動方程式は次のようになる。
(5) (3) より、 であるから、
したがって、力 の上限は である。
3. 最終的な答え
力 の大きさの上限は