問題1は、質量 $m$ の質点がばね定数 $k$ のばねにつながれて水平に置かれている状況を考えます。ばねの復元力のみが作用すると仮定して、水平方向の直線運動について、以下の問いに答えます。 a. 運動方程式を立てる。 b. 一般解 $x = A\cos(\omega t + \phi)$ が運動方程式を満たすことを示す。 c. 初期条件 $x(0) = x_0$, $v(0) = 0$ を満たす解を求める。 問題2は、高さ60mのビルの屋上から120gの携帯電話を落としたとき、地面に衝突する際に地面にかかる平均の力の大きさを求める問題です。衝突から静止するまでの時間は $1.0 \times 10^{-2}$ sとし、重力加速度は $g = 9.8 \text{ m/s}^2$ とします。衝突後の跳ね返りは無いものとします。

応用数学力学運動方程式単振動エネルギー運動量力積
2025/7/17

1. 問題の内容

問題1は、質量 mm の質点がばね定数 kk のばねにつながれて水平に置かれている状況を考えます。ばねの復元力のみが作用すると仮定して、水平方向の直線運動について、以下の問いに答えます。
a. 運動方程式を立てる。
b. 一般解 x=Acos(ωt+ϕ)x = A\cos(\omega t + \phi) が運動方程式を満たすことを示す。
c. 初期条件 x(0)=x0x(0) = x_0, v(0)=0v(0) = 0 を満たす解を求める。
問題2は、高さ60mのビルの屋上から120gの携帯電話を落としたとき、地面に衝突する際に地面にかかる平均の力の大きさを求める問題です。衝突から静止するまでの時間は 1.0×1021.0 \times 10^{-2} sとし、重力加速度は g=9.8 m/s2g = 9.8 \text{ m/s}^2 とします。衝突後の跳ね返りは無いものとします。

2. 解き方の手順

問題1:
a. 運動方程式:
ばねの復元力は F=kxF = -kx で与えられます。ニュートンの運動方程式 F=maF = ma より、
ma=kxma = -kx
したがって、運動方程式は
md2xdt2=kxm \frac{d^2x}{dt^2} = -kx
または
d2xdt2+kmx=0\frac{d^2x}{dt^2} + \frac{k}{m}x = 0
b. 一般解の確認:
x=Acos(ωt+ϕ)x = A\cos(\omega t + \phi) を運動方程式に代入します。
dxdt=Aωsin(ωt+ϕ)\frac{dx}{dt} = -A\omega\sin(\omega t + \phi)
d2xdt2=Aω2cos(ωt+ϕ)\frac{d^2x}{dt^2} = -A\omega^2\cos(\omega t + \phi)
これを運動方程式に代入すると、
Aω2cos(ωt+ϕ)+kmAcos(ωt+ϕ)=0-A\omega^2\cos(\omega t + \phi) + \frac{k}{m}A\cos(\omega t + \phi) = 0
Acos(ωt+ϕ)(ω2+km)=0A\cos(\omega t + \phi)(-\omega^2 + \frac{k}{m}) = 0
これが任意の tt で成り立つためには、ω2=km\omega^2 = \frac{k}{m}、つまり ω=km\omega = \sqrt{\frac{k}{m}} である必要があります。したがって、x=Acos(ωt+ϕ)x = A\cos(\omega t + \phi) は運動方程式の解です。
c. 初期条件の適用:
x(0)=x0x(0) = x_0 より、x0=Acos(ϕ)x_0 = A\cos(\phi)
v(0)=0v(0) = 0 より、dxdtt=0=Aωsin(ωt+ϕ)t=0=Aωsin(ϕ)=0\frac{dx}{dt}|_{t=0} = -A\omega\sin(\omega t + \phi)|_{t=0} = -A\omega\sin(\phi) = 0
したがって、sin(ϕ)=0\sin(\phi) = 0 となります。これから ϕ=0\phi = 0 または ϕ=π\phi = \pi が得られます。
ϕ=0\phi = 0 のとき、x0=Acos(0)=Ax_0 = A\cos(0) = A より A=x0A = x_0
ϕ=π\phi = \pi のとき、x0=Acos(π)=Ax_0 = A\cos(\pi) = -A より A=x0A = -x_0
しかし、Aは振幅を表すので正である必要があり、 ϕ=0\phi = 0 を選びます。
よって、A=x0A = x_0 かつ ϕ=0\phi = 0 となり、
x(t)=x0cos(ωt)=x0cos(kmt)x(t) = x_0\cos(\omega t) = x_0\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}t)
問題2:
まず、携帯電話が地面に衝突する直前の速度 vv を求めます。
自由落下の式より、v2=v02+2ghv^2 = v_0^2 + 2gh
v0=0v_0 = 0 なので、v=2gh=2×9.8×60=117634.29 m/sv = \sqrt{2gh} = \sqrt{2 \times 9.8 \times 60} = \sqrt{1176} \approx 34.29 \text{ m/s}
次に、携帯電話が静止するまでの運動量変化を求めます。
運動量変化 Δp=m(vfvi)=m(0v)=mv\Delta p = m(v_f - v_i) = m(0 - v) = -mv
ここで、質量 m=120 g=0.12 kgm = 120 \text{ g} = 0.12 \text{ kg} です。
Δp=0.12×34.294.11 kg m/s\Delta p = -0.12 \times 34.29 \approx -4.11 \text{ kg m/s}
平均の力 FF は、力積と運動量変化の関係より、
FΔt=ΔpF \Delta t = \Delta p
したがって、F=ΔpΔt=4.111.0×102=411 NF = \frac{\Delta p}{\Delta t} = \frac{-4.11}{1.0 \times 10^{-2}} = -411 \text{ N}
力の大きさなので、絶対値を取ります。

3. 最終的な答え

問題1:
a. 運動方程式: d2xdt2+kmx=0\frac{d^2x}{dt^2} + \frac{k}{m}x = 0
b. 一般解の確認: 上記参照
c. 初期条件を満たす解: x(t)=x0cos(kmt)x(t) = x_0\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}t)
問題2:
地面にかかる平均の力の大きさ: 411 N411 \text{ N}

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