質量 $m=1$ の質点を、バネ定数 $k=1$ のバネに鉛直につるす。 a. 以下の3つの状況における、質点の変位 $x(t)$ を求める。ただし、変位はバネの自然な長さから鉛直下向きに測るものとする。 1. つり合いの位置から $a$ だけ引っ張って、そっと手を離す。 2. つり合いの位置で初速 $v_0$ を与えて振動させる。 3. つり合いの位置で、そっと手を離す。 b. 最初に引っ張る長さを2倍にすると、周期は何倍になるかを説明する。また、初速を与えて振動させたとき、周期がどのように変化するかを説明する。
2025/7/17
1. 問題の内容
質量 の質点を、バネ定数 のバネに鉛直につるす。
a. 以下の3つの状況における、質点の変位 を求める。ただし、変位はバネの自然な長さから鉛直下向きに測るものとする。
1. つり合いの位置から $a$ だけ引っ張って、そっと手を離す。
2. つり合いの位置で初速 $v_0$ を与えて振動させる。
3. つり合いの位置で、そっと手を離す。
b. 最初に引っ張る長さを2倍にすると、周期は何倍になるかを説明する。また、初速を与えて振動させたとき、周期がどのように変化するかを説明する。
2. 解き方の手順
a. 質点の運動方程式は、
ここで、 はバネの自然長、 は重力、 はバネの自然長からの変位(鉛直下向きを正)を表す。
つり合いの位置を とすると、 が成り立つ。 と変数変換すると、
となり、これは単振動の運動方程式である。
一般解は と表せる。ここで、 は角振動数であり、, より である。したがって、
1. つり合いの位置から $a$ だけ引っ張って、そっと手を離す場合、$x(0) = x_{eq} + a$, $\frac{dx}{dt}(0) = 0$ である。
より
したがって、
2. つり合いの位置で初速 $v_0$ を与えて振動させる場合、$x(0) = x_{eq}$, $\frac{dx}{dt}(0) = v_0$ である。
より
したがって、
3. つり合いの位置で、そっと手を離す場合、$x(0) = x_0$, $\frac{dx}{dt}(0) = 0$ である。
つり合いの位置は を満たすので、 となる。
より
したがって、
b. 単振動の周期は であり、これは振幅(引っ張る長さ)や初速に依存しない。
したがって、最初に引っ張る長さを2倍にしても周期は変化しない。また、初速を与えて振動させた場合も周期は変化しない。
3. 最終的な答え
a.
1. $x(t) = a\cos(t) + x_{eq}$
2. $x(t) = v_0\sin(t) + x_{eq}$
3. $x(t) = -g\cos(t) + x_0 + g$
b. 最初に引っ張る長さを2倍にしても周期は1倍(変わらない)。また、初速を与えて振動させた場合も周期は変わらない。