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1. 問題の内容
問題は2つあります。
* 問題2: 数ベクトル と の一次結合として表すことのできない の数ベクトルを1つ求める。
* 問題3(1): の数ベクトル が一次独立ならば、 も一次独立であることを示す。
* 問題3(2): の数ベクトル が一次従属ならば、 の任意の数ベクトル に対して、 は一次従属であることを示す。
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2. 解き方の手順
### 問題2
2つのベクトル と の一次結合は、実数 を用いて
と表せます。
この一次結合で表せないベクトルを求めます。一次結合で表せるベクトルの集合は、ベクトル で表されるベクトル全体の集合です。
ベクトル がこの一次結合で表せると仮定すると、
が成り立ちます。 かつ より が必要です。
したがって、 となるようなベクトルは、与えられた2つのベクトルの一次結合で表すことができません。
例えば、 は、 かつ なので であり、一次結合で表すことができません。
### 問題3(1)
が一次従属であると仮定します。
つまり、 かつ の少なくとも一方が でないような が存在すると仮定します。
この式を変形すると、
となります。ここで、もし ならば、 が一次従属であることになります。
もし ならば、 となります。 の少なくとも一方が でないという仮定より、 です。したがって、 となり、 は一次従属であることになります。
いずれにしても、 が一次独立であるという仮定に矛盾します。
したがって、 は一次独立です。
### 問題3(2)
が一次従属であるので、あるスカラー (少なくとも一方は0でない) が存在して、
が成り立ちます。
を任意のベクトルとします。このとき、
が成り立ちます。
の少なくとも一方は0でないので、 の少なくとも一つは0ではありません。
したがって、 は一次従属です。
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3. 最終的な答え
* 問題2: (例)
* 問題3(1): 証明完了
* 問題3(2): 証明完了