質量 $m = 0.1$ kg のボールが $v_1 = 40$ m/s で飛んできて、バットで打ったところ、方向を $120^\circ$ 変えて $v_2 = 20$ m/s の速さで飛び去った。バットがボールに力を与えていた時間 $\Delta t = 1/2000$ s として、平均の力の大きさ $F$ を求める。

応用数学力学運動量単振動バネ
2025/7/19
## 問題3

1. 問題の内容

質量 m=0.1m = 0.1 kg のボールが v1=40v_1 = 40 m/s で飛んできて、バットで打ったところ、方向を 120120^\circ 変えて v2=20v_2 = 20 m/s の速さで飛び去った。バットがボールに力を与えていた時間 Δt=1/2000\Delta t = 1/2000 s として、平均の力の大きさ FF を求める。

2. 解き方の手順

ボールの運動量変化を計算し、力積と運動量変化の関係から平均の力を求める。
* 運動量変化を計算する。
xx軸をボールの入射方向にとり、yy軸をそれに垂直な方向にとると、入射方向の運動量は p1x=mv1p_{1x} = m v_1、跳ね返り方向の運動量は p2x=mv2cos(120)=12mv2p_{2x} = m v_2 \cos(120^\circ) = - \frac{1}{2} m v_2である。yy方向の運動量は p1y=0p_{1y} = 0p2y=mv2sin(120)=32mv2p_{2y} = m v_2 \sin(120^\circ) = \frac{\sqrt{3}}{2} m v_2である。
運動量変化 Δp=p2p1\Delta \vec{p} = \vec{p_2} - \vec{p_1} の各成分は、
Δpx=p2xp1x=12mv2mv1=m(12v2v1)\Delta p_x = p_{2x} - p_{1x} = -\frac{1}{2} m v_2 - m v_1 = m (-\frac{1}{2} v_2 - v_1)
Δpy=p2yp1y=32mv2\Delta p_y = p_{2y} - p_{1y} = \frac{\sqrt{3}}{2} m v_2
運動量変化の大きさは、
Δp=(Δpx)2+(Δpy)2=m2(12v2v1)2+m2(32v2)2=m(14v22+v1v2+v12)+34v22=mv22+v1v2+v12|\Delta \vec{p}| = \sqrt{(\Delta p_x)^2 + (\Delta p_y)^2} = \sqrt{m^2 (-\frac{1}{2} v_2 - v_1)^2 + m^2 (\frac{\sqrt{3}}{2} v_2)^2} = m \sqrt{(\frac{1}{4}v_2^2 + v_1 v_2 + v_1^2) + \frac{3}{4} v_2^2} = m \sqrt{v_2^2 + v_1 v_2 + v_1^2}
v1=40v_1 = 40 m/s、v2=20v_2 = 20 m/sを代入して、
Δp=0.1202+4020+402=0.1400+800+1600=0.12800=0.1207=27|\Delta \vec{p}| = 0.1 \sqrt{20^2 + 40 \cdot 20 + 40^2} = 0.1 \sqrt{400 + 800 + 1600} = 0.1 \sqrt{2800} = 0.1 \cdot 20 \sqrt{7} = 2 \sqrt{7} kg m/s
* 力積と運動量変化の関係を使う。
平均の力 FF は、力積が運動量変化に等しいことから FΔt=ΔpF \Delta t = |\Delta \vec{p}| より、
F=ΔpΔtF = \frac{|\Delta \vec{p}|}{\Delta t}
Δt=1/2000\Delta t = 1/2000 sを代入して、
F=271/2000=4000710583F = \frac{2 \sqrt{7}}{1/2000} = 4000 \sqrt{7} \approx 10583 N

3. 最終的な答え

400074000 \sqrt{7} N (約10583 N)
## 問題4

1. 問題の内容

バネ定数 kk の軽いバネに質量 mm の小球がぶら下がって静止している。この小球を AA だけ下に引いてから、静かに離した。離したときを t=0t = 0、バネが自然長にあるときの小球の座標を z=0z = 0 として、zz (鉛直下向きを正) を時間 tt の関数として表す。

2. 解き方の手順

* **静止位置を求める。**
バネが自然長から x0x_0 だけ伸びて静止しているとする。このとき、重力とバネの力が釣り合っているので、
mg=kx0mg = kx_0
x0=mgkx_0 = \frac{mg}{k}
* **運動方程式を立てる。**
小球の位置を zz とすると、バネの伸びは zx0z - x_0 である。運動方程式は、
md2zdt2=mgk(zx0)m \frac{d^2 z}{dt^2} = mg - k (z - x_0)
mg=kx0mg = k x_0 を代入すると、
md2zdt2=kx0k(zx0)=k(z2x0)m \frac{d^2 z}{dt^2} = k x_0 - k (z - x_0) = - k (z - 2 x_0)
z=z2x0z' = z - 2 x_0 とおくと、d2zdt2=d2zdt2\frac{d^2 z'}{dt^2} = \frac{d^2 z}{dt^2} より、
md2zdt2=kzm \frac{d^2 z'}{dt^2} = - k z'
d2zdt2=kmz\frac{d^2 z'}{dt^2} = - \frac{k}{m} z'
これは単振動の運動方程式である。ω2=km\omega^2 = \frac{k}{m} とおくと、
d2zdt2=ω2z\frac{d^2 z'}{dt^2} = - \omega^2 z'
一般解は z(t)=C1cos(ωt)+C2sin(ωt)z'(t) = C_1 \cos(\omega t) + C_2 \sin(\omega t)
* **初期条件を適用する。**
t=0t = 0 で、z=x0+Az = x_0 + A より、z(0)=z(0)2x0=x0+A2x0=Ax0z'(0) = z(0) - 2 x_0 = x_0 + A - 2 x_0 = A - x_0
t=0t = 0 で、dzdt=0\frac{dz}{dt} = 0 より、dzdt=dzdt=0\frac{dz'}{dt} = \frac{dz}{dt} = 0
z(0)=C1cos(0)+C2sin(0)=C1=Ax0z'(0) = C_1 \cos(0) + C_2 \sin(0) = C_1 = A - x_0
dzdt=C1ωsin(ωt)+C2ωcos(ωt)\frac{dz'}{dt} = - C_1 \omega \sin(\omega t) + C_2 \omega \cos(\omega t)
dzdt(0)=C1ωsin(0)+C2ωcos(0)=C2ω=0\frac{dz'}{dt}(0) = - C_1 \omega \sin(0) + C_2 \omega \cos(0) = C_2 \omega = 0
C2=0C_2 = 0
よって、z(t)=(Ax0)cos(ωt)z'(t) = (A - x_0) \cos(\omega t)
z(t)=z(t)+2x0=(Ax0)cos(ωt)+2x0=Acos(ωt)+x0(2cos(ωt))z(t) = z'(t) + 2 x_0 = (A - x_0) \cos(\omega t) + 2 x_0 = A \cos(\omega t) + x_0 (2 - \cos(\omega t))
x0=mgkx_0 = \frac{mg}{k} を代入して、
z(t)=Acos(kmt)+mgk(2cos(kmt))z(t) = A \cos(\sqrt{\frac{k}{m}} t) + \frac{mg}{k} (2 - \cos(\sqrt{\frac{k}{m}} t))

3. 最終的な答え

z(t)=Acos(kmt)+mgk(2cos(kmt))z(t) = A \cos(\sqrt{\frac{k}{m}} t) + \frac{mg}{k} (2 - \cos(\sqrt{\frac{k}{m}} t))

「応用数学」の関連問題

位置ベクトル $\vec{r} = (x_0 + \alpha t, y_0, z_0 + \beta t - \frac{g}{2}t^2)$ が与えられたとき、$\frac{d\vec{r}}{d...

ベクトル微分運動等加速度運動自由落下
2025/7/19

$^{99\text{m}}$Tc は $^{99}$Mo との放射平衡を利用したミルキング法で精製される。$^{99}$Mo の初期放射能が 5.0 GBq のとき、33時間後と66時間後の2回のミ...

指数関数放射能半減期微分方程式
2025/7/19

バネ定数 $k$ のバネに質量 $m$ の質点をぶら下げたときの運動について、以下の問いに答えます。 (1) ニュートンの運動方程式を立てます。 (2) 初期位置 $z(0)$、速度 $\dot{z}...

力学振動バネ運動方程式微分方程式
2025/7/19

与えられた力 $\vec{f} = (axy, bxy)$ が、経路 $C_1$ ( (1,1) から (3,1) までの $y=1$ 上の直線) と経路 $C_2$ ( (3,1) から (3,2)...

線積分ベクトル円運動角運動量運動エネルギー
2025/7/19

トリチウムの半減期が12年であるとき、ワイン中のトリチウムの量が初期値の0.20%になるまで、何年経過したかを求める問題です。

指数関数対数半減期放射性物質
2025/7/19

長さ $l$ の糸に質量 $m$ のおもりをつけた単振り子について、以下の問いに答える問題です。 (1) $\vec{e}_r$、$\vec{e}_\theta$ をそれぞれ $\vec{i}$、$\...

力学単振り子ベクトル角運動量モーメント微分方程式
2025/7/19

長さ $l$ の糸に質量 $m$ のおもりをつけた単振り子について、以下の量を求めます。糸の付け根を原点とし、鉛直下向きを $x$ 軸とします。おもりは $xy$ 面内を運動し、糸が $x$ 軸となす...

力学単振り子ベクトル微分角運動量
2025/7/19

重さ3.0Nの小球が糸1で天井から吊り下げられている。小球を糸2で水平方向に引くと、糸1が天井と60°の角度をなして静止した。糸1と糸2が小球を引く力の大きさをそれぞれ求めよ。

力学力のつり合い三角関数物理
2025/7/19

質量$M$の物体Aと質量$m$の物体Bが接して置かれている。物体Aを力$F$で水平方向に押すとき、A, Bの加速度の大きさと、AがBを押す力の大きさを求める。

力学運動方程式物理
2025/7/19

与えられた数式は、$\frac{\alpha}{m}t + \frac{1}{v_0}$ です。この式を簡単にする、もしくは特定の値を求める問題であると考えられます。しかし、問題文にはこれ以上の指示が...

数式変数物理
2025/7/19