ベクトルが線形独立であるとは、それらの線形結合がゼロベクトルになるのが、すべての係数がゼロの場合に限られることです。言い換えれば、
c1a+c2b+c3c+...=0 が成り立つとき、c1=c2=c3=...=0 であれば、これらのベクトルは線形独立です。 (4) 3つのベクトル a,b,c が線形独立かどうかを調べます。 c1a+c2b+c3c=0 c1(2,−1,0)+c2(1,0,3)+c3(−2,1,0)=(0,0,0) この式は以下の連立一次方程式に書き換えられます。
2c1+c2−2c3=0 −c1+c3=0 3番目の式から c2=0。2番目の式から c1=c3。これらを1番目の式に代入すると、 2c1+0−2c1=0 となり、これは常に成り立ちます。したがって、c1=c3 であり、c1 と c3 は任意の値をとることができます。例えば、c1=c3=1 ならば、c1a+c2b+c3c=0 を満たします。よって、a,b,c は線形従属です。 (5) 3つのベクトル a,b,c が線形独立かどうかを調べます。 c1a+c2b+c3c=0 c1(2,−1,0)+c2(1,0,3)+c3(−2,1,1)=(0,0,0) この式は以下の連立一次方程式に書き換えられます。
2c1+c2−2c3=0 −c1+c3=0 3c2+c3=0 2番目の式から c1=c3。3番目の式から c3=−3c2。したがって、c1=−3c2。これらを1番目の式に代入すると、 2(−3c2)+c2−2(−3c2)=0 −6c2+c2+6c2=0 したがって、c1=c2=c3=0 となり、a,b,c は線形独立です。 (6) 4つのベクトル a,b,c,d が線形独立かどうかを調べます。3次元空間において4つのベクトルは必ず線形従属になります。これは、3次元空間の基底は3つのベクトルで構成できるためです。したがって、a,b,c,d は線形従属です。