$I_n = \int_0^1 (\log x)^n dx$ とする。以下の問いに答える。 1. 次の極限を求める。 * (i) $\lim_{x \to 0+} x \log x$ * (ii) $\lim_{x \to 0+} x (\log x)^2$ * (iii) $\lim_{x \to 0+} x (\log x)^n$ 2. 漸化式 $I_{n+1} = -(n+1)I_n$ を示す。 3. $I_0, I_1, I_2$ を求める。 4. $I_n$ を求める。
2025/7/19
## 問1.4
1. **問題の内容**
とする。以下の問いに答える。
1. 次の極限を求める。
* (i)
* (ii)
* (iii)
2. 漸化式 $I_{n+1} = -(n+1)I_n$ を示す。
3. $I_0, I_1, I_2$ を求める。
4. $I_n$ を求める。
2. **解き方の手順**
1. **極限の計算**
* (i) について。
と置換すると、 のとき 。
したがって、
。
ロピタルの定理より、。
* (ii) について。
同様に と置換すると、 のとき 。
。
ロピタルの定理を2回適用すると、。
* (iii) について。
上記と同様に、 と置換すると、 のとき 。
。
ロピタルの定理をn回適用すると、。
よって、 によらず、極限は0であると予想できる。
これを数学的帰納法で示すこともできるが、ここでは省略する。
2. **漸化式の証明**
部分積分を用いて を計算する。
、 とおくと、、。
ここで、 (1-(iii)の結果) であるから、
。
したがって、
3. **$I_0, I_1, I_2$ の計算**
* 。
* 。部分積分を行う。 とおくと、。
。
あるいは、 としても良い。
* 。
4. **$I_n$ の計算**
より、
なので、。
3. **最終的な答え**
1. (i) $\lim_{x \to 0+} x \log x = 0$
(ii)
(iii)
2. $I_{n+1} = -(n+1)I_n$
3. $I_0 = 1$, $I_1 = -1$, $I_2 = 2$
4. $I_n = (-1)^n n!$
## 問1.5
1. **問題の内容**
次の微分を を用いて表す。
1. $\frac{d}{dx} \int_0^{x^2} f(t) dt$
2. $\frac{d}{dx} \int_x^{x+1} f(t) dt$
2. **解き方の手順**
1. **$\frac{d}{dx} \int_0^{x^2} f(t) dt$ について**
合成関数の微分と微積分学の基本定理を用いる。
とおくと、。
。
2. **$\frac{d}{dx} \int_x^{x+1} f(t) dt$ について**
微積分学の基本定理を用いる。
。
。
3. **最終的な答え**
1. $\frac{d}{dx} \int_0^{x^2} f(t) dt = 2x f(x^2)$
2. $\frac{d}{dx} \int_x^{x+1} f(t) dt = f(x+1) - f(x)$
## 問1.6
1. **問題の内容**
次の広義積分が収束するか判定する。
1. $\int_0^1 \log x dx$
2. $\int_0^{\pi/2} \frac{dx}{\sqrt{\sin x}}$
3. $\int_0^\infty \frac{dx}{\sqrt[3]{x^3 + 1}}$
2. **解き方の手順**
1. **$\int_0^1 \log x dx$ について**
積分区間 において、 で被積分関数が発散するため、広義積分である。
部分積分を行う。, とおくと、, 。
( は問1.4の1-(i)と同様にして示す)。
したがって、積分は収束する。
2. **$\int_0^{\pi/2} \frac{dx}{\sqrt{\sin x}}$ について**
積分区間 において、 で被積分関数が発散するため、広義積分である。
のとき、 であるから、。
の収束・発散は、 の収束・発散と一致する。
。
したがって、 は収束する。
3. **$\int_0^\infty \frac{dx}{\sqrt[3]{x^3 + 1}}$ について**
で被積分関数が に収束する速さを考える。
のとき、 であるから、。
の収束・発散は、 の収束・発散と一致する。
。
したがって、 は発散する。