高さ $y_0 = 10m$ のビルの屋上から、初速度 $v_0 = 20m/s$、角度 $\theta = 60^\circ$ で打ち出された物体の運動について、以下の問いに答えます。 (1) 初速度のx成分 $v_{0x}$ およびy成分 $v_{0y}$ を求める。 (2) $t = 1.0s$ 後の速度のx成分 $v_x$、y成分 $v_y$、位置のx成分 $x$、y成分 $y$ をそれぞれ求める。 (3) 最高点に達するまでの時間 $t_{max}$ を求める。 (4) 最高点の高さ $y_{max}$ を求める。 (5) 落下地点までの距離 $x_{max}$ を求める。

応用数学物理運動放物運動力学
2025/7/19

1. 問題の内容

高さ y0=10my_0 = 10m のビルの屋上から、初速度 v0=20m/sv_0 = 20m/s、角度 θ=60\theta = 60^\circ で打ち出された物体の運動について、以下の問いに答えます。
(1) 初速度のx成分 v0xv_{0x} およびy成分 v0yv_{0y} を求める。
(2) t=1.0st = 1.0s 後の速度のx成分 vxv_x、y成分 vyv_y、位置のx成分 xx、y成分 yy をそれぞれ求める。
(3) 最高点に達するまでの時間 tmaxt_{max} を求める。
(4) 最高点の高さ ymaxy_{max} を求める。
(5) 落下地点までの距離 xmaxx_{max} を求める。

2. 解き方の手順

(1) 初速度のx成分 v0xv_{0x} とy成分 v0yv_{0y} は、それぞれ以下の式で求められます。
v0x=v0cosθv_{0x} = v_0 \cos{\theta}
v0y=v0sinθv_{0y} = v_0 \sin{\theta}
v0=20m/sv_0 = 20m/sθ=60\theta = 60^\circ を代入すると、
v0x=20cos60=20×12=10m/sv_{0x} = 20 \cos{60^\circ} = 20 \times \frac{1}{2} = 10 m/s
v0y=20sin60=20×32=10317.3m/sv_{0y} = 20 \sin{60^\circ} = 20 \times \frac{\sqrt{3}}{2} = 10\sqrt{3} \approx 17.3 m/s
(2) t=1.0st=1.0s 後の速度のx成分 vxv_x とy成分 vyv_y は、それぞれ以下の式で求められます。
vx=v0xv_x = v_{0x} (x方向には加速度がないため)
vy=v0ygtv_y = v_{0y} - gt (y方向には重力加速度 gg がかかるため)
v0x=10m/sv_{0x} = 10m/s, v0y=103m/sv_{0y} = 10\sqrt{3} m/s, g=9.8m/s2g = 9.8 m/s^2, t=1.0st = 1.0s を代入すると、
vx=10m/sv_x = 10 m/s
vy=1039.8×1.0=17.39.87.5m/sv_y = 10\sqrt{3} - 9.8 \times 1.0 = 17.3 - 9.8 \approx 7.5 m/s
t=1.0st=1.0s 後の位置のx成分 xx とy成分 yy は、それぞれ以下の式で求められます。
x=v0xtx = v_{0x} t
y=y0+v0yt12gt2y = y_0 + v_{0y} t - \frac{1}{2}gt^2
v0x=10m/sv_{0x} = 10m/s, v0y=103m/sv_{0y} = 10\sqrt{3} m/s, g=9.8m/s2g = 9.8 m/s^2, t=1.0st = 1.0s, y0=10my_0 = 10m を代入すると、
x=10×1.0=10mx = 10 \times 1.0 = 10 m
y=10+103×1.012×9.8×(1.0)2=10+17.34.9=22.4my = 10 + 10\sqrt{3} \times 1.0 - \frac{1}{2} \times 9.8 \times (1.0)^2 = 10 + 17.3 - 4.9 = 22.4 m
(3) 最高点に達するまでの時間 tmaxt_{max} は、vy=0v_y = 0 となる時間なので、
vy=v0ygtmax=0v_y = v_{0y} - gt_{max} = 0
tmax=v0yg=1039.817.39.81.77st_{max} = \frac{v_{0y}}{g} = \frac{10\sqrt{3}}{9.8} \approx \frac{17.3}{9.8} \approx 1.77 s
(4) 最高点の高さ ymaxy_{max} は、
ymax=y0+v0ytmax12gtmax2=y0+v0y22g=10+(103)22×9.8=10+30019.610+15.325.3my_{max} = y_0 + v_{0y}t_{max} - \frac{1}{2}gt_{max}^2 = y_0 + \frac{v_{0y}^2}{2g} = 10 + \frac{(10\sqrt{3})^2}{2 \times 9.8} = 10 + \frac{300}{19.6} \approx 10 + 15.3 \approx 25.3 m
(5) 落下地点までの時間 tfallt_{fall} は、y=0y = 0 となる時間なので、
y=y0+v0ytfall12gtfall2=0y = y_0 + v_{0y}t_{fall} - \frac{1}{2}gt_{fall}^2 = 0
12gtfall2v0ytfally0=0\frac{1}{2}gt_{fall}^2 - v_{0y}t_{fall} - y_0 = 0
4.9tfall217.3tfall10=04.9t_{fall}^2 - 17.3t_{fall} - 10 = 0
tfall=17.3±(17.3)24×4.9×(10)2×4.9=17.3±299.29+1969.8=17.3±495.299.817.3±22.269.8t_{fall} = \frac{17.3 \pm \sqrt{(17.3)^2 - 4 \times 4.9 \times (-10)}}{2 \times 4.9} = \frac{17.3 \pm \sqrt{299.29 + 196}}{9.8} = \frac{17.3 \pm \sqrt{495.29}}{9.8} \approx \frac{17.3 \pm 22.26}{9.8}
tfall>0t_{fall} > 0 なので、tfall17.3+22.269.839.569.84.04st_{fall} \approx \frac{17.3 + 22.26}{9.8} \approx \frac{39.56}{9.8} \approx 4.04 s
落下地点までの距離 xmaxx_{max} は、
xmax=v0xtfall=10×4.04=40.4mx_{max} = v_{0x}t_{fall} = 10 \times 4.04 = 40.4 m

3. 最終的な答え

(1) v0x=10m/sv_{0x} = 10 m/s, v0y17.3m/sv_{0y} \approx 17.3 m/s
(2) vx=10m/sv_x = 10 m/s, vy7.5m/sv_y \approx 7.5 m/s, x=10mx = 10 m, y22.4my \approx 22.4 m
(3) tmax1.77st_{max} \approx 1.77 s
(4) ymax25.3my_{max} \approx 25.3 m
(5) xmax40.4mx_{max} \approx 40.4 m

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