長さ $l$ の糸に質量 $m$ のおもりをつけた単振り子について、以下の問いに答える問題です。 (1) $\vec{e}_r$、$\vec{e}_\theta$ をそれぞれ $\vec{i}$、$\vec{j}$ を用いて表す。 (2) 速度 $\vec{v}$ を $\vec{i}$、$\vec{j}$、$l$、$\dot{\theta}$ を用いて表す。 (3) 速度 $\vec{v}$ を $\vec{e}_r$、$\vec{e}_\theta$、$l$、$\dot{\theta}$ を用いて表す。 (4) 角運動量 $\vec{L} = m\vec{r} \times \vec{v}$ を $m$、$l$、$\dot{\theta}$、$\vec{k}$ を用いて表す。 (5) ベクトルの外積 $\vec{A} \times \vec{B}$ がゼロになる角度を答える。 (6) おもりにはたらく重力のモーメント $\vec{N}$ を $\vec{k}$、$\theta$、$m$、$l$、$g$ を用いて表す。 (7) $\ddot{\theta}$ を $\theta$、$l$、$g$ を用いて表す。

はい、承知しました。問題文を読み、各設問に答えます。

1. 問題の内容

長さ $l$ の糸に質量 $m$ のおもりをつけた単振り子について、以下の問いに答える問題です。

(1) $\vec{e}_r$、$\vec{e}_\theta$ をそれぞれ $\vec{i}$、$\vec{j}$ を用いて表す。

(2) 速度 $\vec{v}$ を $\vec{i}$、$\vec{j}$、$l$、$\dot{\theta}$ を用いて表す。

(3) 速度 $\vec{v}$ を $\vec{e}_r$、$\vec{e}_\theta$、$l$、$\dot{\theta}$ を用いて表す。

(4) 角運動量 $\vec{L} = m\vec{r} \times \vec{v}$ を $m$、$l$、$\dot{\theta}$、$\vec{k}$ を用いて表す。

(5) ベクトルの外積 $\vec{A} \times \vec{B}$ がゼロになる角度を答える。

(6) おもりにはたらく重力のモーメント $\vec{N}$ を $\vec{k}$、$\theta$、$m$、$l$、$g$ を用いて表す。

(7) $\ddot{\theta}$ を $\theta$、$l$、$g$ を用いて表す。

2. 解き方の手順

(1) $\vec{e}_r$ と $\vec{e}_\theta$ は、それぞれ動径方向と角度方向に沿った単位ベクトルです。図から、以下のようになります。

$\vec{e}_r = \cos{\theta} \vec{i} + \sin{\theta} \vec{j}$

$\vec{e}_\theta = -\sin{\theta} \vec{i} + \cos{\theta} \vec{j}$

(2) 位置ベクトル $\vec{r}$ は $\vec{r} = l \cos{\theta} \vec{i} + l \sin{\theta} \vec{j}$ と表されます。速度 $\vec{v}$ は位置ベクトル $\vec{r}$ の時間微分なので、

$\vec{v} = \frac{d\vec{r}}{dt} = \frac{d}{dt} (l \cos{\theta} \vec{i} + l \sin{\theta} \vec{j}) = -l \dot{\theta} \sin{\theta} \vec{i} + l \dot{\theta} \cos{\theta} \vec{j}$

(3) (1)の結果を用いると、

$\vec{v} = l\dot{\theta}(-\sin{\theta}\vec{i} + \cos{\theta}\vec{j}) = l\dot{\theta} \vec{e}_\theta$

(4) 角運動量 $\vec{L}$ は $\vec{L} = m \vec{r} \times \vec{v}$ で与えられます。$\vec{r} = l \vec{e}_r$ であり、$\vec{v} = l \dot{\theta} \vec{e}_\theta$ であるから、

$\vec{L} = m (l \vec{e}_r) \times (l \dot{\theta} \vec{e}_\theta) = m l^2 \dot{\theta} (\vec{e}_r \times \vec{e}_\theta) = m l^2 \dot{\theta} \vec{k}$

(5) $\vec{A} \times \vec{B} = |\vec{A}| |\vec{B}| \sin{\alpha} \vec{n}$（$\alpha$は $\vec{A}$ と $\vec{B}$ のなす角）であり、$\sin{\alpha} = 0$ となるのは $\alpha = 0$、$\pi$ のときです。よって、(ア)は0、(イ)は $\pi$ です。

(6) 重力 $\vec{F}$ は $\vec{F} = -mg \vec{j}$ です。モーメント $\vec{N}$ は $\vec{N} = \vec{r} \times \vec{F}$ で与えられるので、

$\vec{N} = (l \cos{\theta} \vec{i} + l \sin{\theta} \vec{j}) \times (-mg \vec{j}) = -lmg \cos{\theta} (\vec{i} \times \vec{j}) = -lmg \cos{\theta} \vec{k}$

(7) 運動方程式は $I \ddot{\theta} = N$　（$I = ml^2$）です。ここで $N = -lmg\cos{\theta}$と近似すると、

$ml^2 \ddot{\theta} = -lmg\cos{\theta}$

$\ddot{\theta} = -\frac{g}{l} \cos{\theta}$

3. 最終的な答え

(1)

$\vec{e}_r = \cos{\theta} \vec{i} + \sin{\theta} \vec{j}$

$\vec{e}_\theta = -\sin{\theta} \vec{i} + \cos{\theta} \vec{j}$

(2)

$\vec{v} = -l \dot{\theta} \sin{\theta} \vec{i} + l \dot{\theta} \cos{\theta} \vec{j}$

(3)

$\vec{v} = l \dot{\theta} \vec{e}_\theta$

(4)

$\vec{L} = m l^2 \dot{\theta} \vec{k}$

(5)

(ア) 0

(イ) $\pi$

(6)

$\vec{N} = -mgl \cos{\theta} \vec{k}$

(7)

$\ddot{\theta} = -\frac{g}{l} \cos{\theta}$