放物線 $C: y = x^2$ 上の点 $(a, a^2)$ (ただし、$0 < a \le 1$) における接線を $l$ とするとき、以下の問いに答えます。 (1) 接線 $l$ の方程式を求めよ。 (2) 直線 $x = 0$, $x = 1$, 放物線 $C$ と接線 $l$ で囲まれる部分で、$y \ge 0$ を満たす部分の面積 $S(a)$ を求めよ。 (3) $S(a)$ の最小値を求めよ。

解析学微分積分面積接線放物線関数の最小値
2025/7/19

1. 問題の内容

放物線 C:y=x2C: y = x^2 上の点 (a,a2)(a, a^2) (ただし、0<a10 < a \le 1) における接線を ll とするとき、以下の問いに答えます。
(1) 接線 ll の方程式を求めよ。
(2) 直線 x=0x = 0, x=1x = 1, 放物線 CC と接線 ll で囲まれる部分で、y0y \ge 0 を満たす部分の面積 S(a)S(a) を求めよ。
(3) S(a)S(a) の最小値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 接線 ll の方程式を求める。
y=x2y = x^2 を微分すると y=2xy' = 2x。点 (a,a2)(a, a^2) における接線の傾きは 2a2a なので、接線 ll の方程式は
ya2=2a(xa)y - a^2 = 2a(x - a)
y=2ax2a2+a2y = 2ax - 2a^2 + a^2
y=2axa2y = 2ax - a^2
(2) 面積 S(a)S(a) を求める。
x=0x = 0 のとき、y=0y = 0 で、x=1x = 1 のとき、y=1y = 1 なので、0x10 \le x \le 1 の範囲で考える。
放物線 CC と接線 ll の交点の xx 座標は、x2=2axa2x^2 = 2ax - a^2 を解いて x=ax = a
0<a10 < a \le 1 なので、0x10 \le x \le 1 の範囲で y=x2y = x^2y=2axa2y = 2ax - a^2 で囲まれた部分を考えます。0xa0 \le x \le a の範囲では x22axa2x^2 \ge 2ax-a^2 なので面積は 0a(x22ax+a2)dx\int_0^a (x^2 - 2ax + a^2)dx. ax1a \le x \le 1 の範囲では接線の方が大きいので面積は a1(2axa2x2)dx\int_a^1 (2ax - a^2 - x^2) dx.
したがって、
S(a)=01x22ax+a2dx=0a(x22ax+a2)dx+a1(x2+2axa2)dxS(a) = \int_0^1 |x^2 - 2ax + a^2| dx = \int_0^a (x^2 - 2ax + a^2) dx + \int_a^1 (-x^2 + 2ax - a^2) dx
S(a)=[x33ax2+a2x]0a+[x33+ax2a2x]a1S(a) = [\frac{x^3}{3} - ax^2 + a^2x]_0^a + [-\frac{x^3}{3} + ax^2 - a^2x]_a^1
S(a)=(a33a3+a3)+(13+aa2)(a33+a3a3)S(a) = (\frac{a^3}{3} - a^3 + a^3) + (-\frac{1}{3} + a - a^2) - (-\frac{a^3}{3} + a^3 - a^3)
S(a)=a33+(13+aa2)+a33S(a) = \frac{a^3}{3} + (-\frac{1}{3} + a - a^2) + \frac{a^3}{3}
S(a)=23a3a2+a13S(a) = \frac{2}{3}a^3 - a^2 + a - \frac{1}{3}
(3) S(a)S(a) の最小値を求める。
S(a)=23a3a2+a13S(a) = \frac{2}{3}a^3 - a^2 + a - \frac{1}{3} を微分すると、
S(a)=2a22a+1=2(a2a+14)+12=2(a12)2+12>0S'(a) = 2a^2 - 2a + 1 = 2(a^2 - a + \frac{1}{4}) + \frac{1}{2} = 2(a - \frac{1}{2})^2 + \frac{1}{2} > 0
したがって、S(a)S(a)0<a10 < a \le 1 の範囲で単調増加するので、a=1/2a = 1/2 は範囲外となります。 a=1a=1のときS(a)S(a) が最小になる可能性があります。
0<a10 < a \le 1 の範囲で S(a)S'(a) は常に正なので、S(a)S(a) は単調増加関数である。
したがって、a0a \to 0 のとき S(a)S(a) が最小値に近づくが、a>0a > 0 であるため最小値は存在しない。ただし、問題の条件 0<a10 < a \leq 1 を考慮するとa=1a=1で最小になることはない。
S(1)=231+113=13S(1) = \frac{2}{3} - 1 + 1 - \frac{1}{3} = \frac{1}{3}
しかし, 0<a10<a \le 1 であるから、区間の端点 a=1a=1 で最小とならない。S(a)>0S'(a)>0よりS(a)S(a)は単調増加なのでaaが最小値に近ければS(a)S(a)も小さくなる。しかし、a>0a>0 であるから最小値は存在しない。
ここで微分を間違えた可能性を考慮して、a=1/2a=1/2におけるS(a)S(a)の値を計算すると
S(12)=23(18)14+1213=11214+1213=13+6412=0S(\frac{1}{2}) = \frac{2}{3}(\frac{1}{8}) - \frac{1}{4} + \frac{1}{2} - \frac{1}{3} = \frac{1}{12} - \frac{1}{4} + \frac{1}{2} - \frac{1}{3} = \frac{1 - 3 + 6 - 4}{12} = 0
S(1/2)=0S(1/2)=0 となるため S(a)S(a) は増加関数ではないことがわかる。
S(a)=2a22a+1S'(a) = 2a^2 - 2a + 1. S(a)=0S'(a)=0のとき a=2±484=1±i2a = \frac{2 \pm \sqrt{4-8}}{4} = \frac{1 \pm i}{2}となるので、実数の範囲でS(a)=0S'(a)=0とはならない。
S(a)=2(a12)2+12>0S'(a) = 2(a - \frac{1}{2})^2 + \frac{1}{2} >0より、0<a10<a \leq 1の範囲では単調増加。
S(a)S(a)は定義域において単調増加であり、定義域の下限値における関数の値は存在しないので、S(a)S(a)に最小値は存在しない。
しかし、a0a \to 0に限りなく近いaaが存在するとして、問題文を解釈するとS(a)S(a)の最小値は0に近い値となる。
仮に問題が0a10 \le a \le 1であれば、a=1/2a=1/2で最小値0をとる。

3. 最終的な答え

(1) y=2axa2y = 2ax - a^2
(2) S(a)=23a3a2+a13S(a) = \frac{2}{3}a^3 - a^2 + a - \frac{1}{3}
(3) 最小値は存在しない。しかし問題の条件からa=1/2a=1/2で最小値0を取る(0a10 \le a \le 1の時)。

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