バネ定数 $k$ のバネに質量 $m$ の質点をぶら下げたときの運動について、以下の問いに答えます。 (1) ニュートンの運動方程式を立てます。 (2) 初期位置 $z(0)$、速度 $\dot{z}(t)$、初速度 $\dot{z}(0)$ を求めます。 (3) 加速度 $\ddot{z}(t)$ を求めます。 (4) $\omega$ と $c$ を求めます。 (5) 最下点における $z$ の値を求めます。

応用数学力学振動バネ運動方程式微分方程式
2025/7/19

1. 問題の内容

バネ定数 kk のバネに質量 mm の質点をぶら下げたときの運動について、以下の問いに答えます。
(1) ニュートンの運動方程式を立てます。
(2) 初期位置 z(0)z(0)、速度 z˙(t)\dot{z}(t)、初速度 z˙(0)\dot{z}(0) を求めます。
(3) 加速度 z¨(t)\ddot{z}(t) を求めます。
(4) ω\omegacc を求めます。
(5) 最下点における zz の値を求めます。

2. 解き方の手順

(1) ニュートンの運動方程式
質点には重力 mgmg とバネの力 k(zc)-k(z-c) が働きます。ここで、z=cz=c はバネが自然長のときの質点の位置です。したがって、運動方程式は、
mz¨=mgk(zc)m\ddot{z} = mg - k(z-c)
(2) 初期位置、速度、初速度
位置 z(t)z(t) は与えられています。
z(t)=acos(ωt)+bsin(ωt)+cz(t) = a\cos(\omega t) + b\sin(\omega t) + c
初期位置 z(0)z(0) は、t=0t=0 を代入することで求まります。
z(0)=acos(0)+bsin(0)+c=a+cz(0) = a\cos(0) + b\sin(0) + c = a + c
速度 z˙(t)\dot{z}(t) は、z(t)z(t) を時間 tt で微分することで求まります。
z˙(t)=aωsin(ωt)+bωcos(ωt)\dot{z}(t) = -a\omega\sin(\omega t) + b\omega\cos(\omega t)
初速度 z˙(0)\dot{z}(0) は、t=0t=0 を代入することで求まります。
z˙(0)=aωsin(0)+bωcos(0)=bω\dot{z}(0) = -a\omega\sin(0) + b\omega\cos(0) = b\omega
(3) 加速度
加速度 z¨(t)\ddot{z}(t) は、z˙(t)\dot{z}(t) を時間 tt で微分することで求まります。
z¨(t)=aω2cos(ωt)bω2sin(ωt)=ω2(acos(ωt)+bsin(ωt))=ω2(z(t)c)\ddot{z}(t) = -a\omega^2\cos(\omega t) - b\omega^2\sin(\omega t) = -\omega^2(a\cos(\omega t) + b\sin(\omega t)) = -\omega^2(z(t) - c)
z¨=ω2(zc)\ddot{z} = -\omega^2 (z - c)
(4) ω\omegacc
(1)の運動方程式を整理すると
mz¨=mgkz+kcm\ddot{z} = mg - kz + kc
mz¨+kz=mg+kcm\ddot{z} + kz = mg + kc
ここで(3)より
m(ω2(zc))=mgk(zc)m(-\omega^2(z-c)) = mg - k(z-c)
mω2z+mω2c=kz+kc+mg-m\omega^2 z + m\omega^2 c = -kz + kc + mg
これより、mω2=km\omega^2 = k、かつ mω2c=kc+mgm\omega^2 c = kc + mg でなければなりません。
よって、ω2=km\omega^2 = \frac{k}{m} より ω=km\omega = \sqrt{\frac{k}{m}}
また、kc=kc+mgkc=kc + mg より kc+mg=kckc+mg = kc は成り立たないので、(1)より求めた運動方程式と(3)で求めた加速度の比較から、mgk(zc)=mz¨=mω2(zc)mg -k(z-c)= m\ddot{z}= -m\omega^2(z-c)
が成り立つ。 mgkz+kc=mω2z+mω2cmg -kz +kc = -m\omega^2 z + m\omega^2 c となり、mg+kc=0mg+kc= 0 よって、 c=mgkc = \frac{mg}{k}
(5) 最下点
最下点では、z(t)z(t) が最大値をとります。z(t)=acos(ωt)+bsin(ωt)+cz(t) = a\cos(\omega t) + b\sin(\omega t) + c の最大値は、acos(ωt)+bsin(ωt)a\cos(\omega t) + b\sin(\omega t) の部分の最大値を求めることになります。
acos(ωt)+bsin(ωt)=Asin(ωt+ϕ)a\cos(\omega t) + b\sin(\omega t) = A\sin(\omega t + \phi) と表せます。ただし、A=a2+b2A = \sqrt{a^2 + b^2} です。したがって、z(t)z(t) の最大値は A+c=a2+b2+cA + c = \sqrt{a^2 + b^2} + c となります。

3. 最終的な答え

(1) mz¨=mgk(zc)m\ddot{z} = mg - k(z-c)
(2) z(0)=a+cz(0) = a+c
z˙(t)=aωsin(ωt)+bωcos(ωt)\dot{z}(t) = -a\omega\sin(\omega t) + b\omega\cos(\omega t)
z˙(0)=bω\dot{z}(0) = b\omega
(3) z¨=ω2(zc)\ddot{z} = -\omega^2 (z - c)
(4) ω=km\omega = \sqrt{\frac{k}{m}}
c=mgkc = \frac{mg}{k}
(5) a2+b2+c\sqrt{a^2 + b^2} + c

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