連立1次方程式 $Ax = b$ の解のパラメータ表示が $x = \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \\ 0 \\ 0 \end{pmatrix} + s \begin{pmatrix} 1 \\ 4 \\ 1 \\ 0 \end{pmatrix} + t \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \\ 0 \\ 1 \end{pmatrix}$ で与えられている。 (1) $b \neq 0$ を示す。 (2) 解が上記のパラメータ表示で与えられるような $A$ と $b$ の例を1組挙げる。
2025/7/20
1. 問題の内容
連立1次方程式 の解のパラメータ表示が で与えられている。
(1) を示す。
(2) 解が上記のパラメータ表示で与えられるような と の例を1組挙げる。
2. 解き方の手順
(1) の証明
パラメータ表示された解は、
と表されている。この解は を満たす。
ここで、, とすると、 であり、 である。
また、, とすると、 であり、 である。
さらに、, とすると、 であり、 である。
もし ならば、, , が成り立つはずである。
しかし、 と は任意の値を取れるため、パラメータ表示から は一意に定まらず、 の解は複数存在する。
もし ならば、 と の値を適切に選べば、 となり、 となり矛盾はしない。
しかし問題文は が解のパラメータ表示であると述べているので、 の場合はありえない。なぜなら、もし なら、 は解の一つでなければならないが、必ずしもそうではないからである。したがって、 である。
(2) と の例
と の例を一つ挙げる。まず、 と が の解となるように を定める。例えば、
とする。このとき、 と は を満たす。
次に、 となるように を定める。 なので、
となる。
しかし、 は (1) で示された に反する。
そこで、もう一つの例を考えてみる。
の形から、解の自由度は2であるとわかる。したがって、行列 のランクは 以下である。
ここで、 とすると、 は
つまり、 となる。
ここで、, , , であるから、
, , , となる。
と が任意なので、 と も任意の値を取る。
しかし、 は定数ベクトルなので、 と に依存してはならない。したがって、 と は定数である必要がある。
例えば、 とすると、 は
つまり、 となる。
, であるから、, となる。このとき、解は
となる。
となる。
この例も、 が一意に定まらないため解としては不適切である。
.
ここで、 とすると、 は定数となり、 に依存しない。しかし解空間が異なる。
3. 最終的な答え
(1)
(2) 例: と
この時、 の解は となる。
ここで、.
になるので条件を満たさない。
より適切な例は ,
このとき ,
,
は間違いです。
上記の も適切ではありません。なぜなら、 の部分は必ずゼロになる必要があるため、 の係数の行列は の解を持つ必要があります。
適切な例:
と
この場合、
となり成立する。