さいころを繰り返し振り、出た目の数を使って数列 $X_n$ を定義します。$X_1$ は出た目の数で 17 を割った余り、$X_{n+1}$ は出た目の数で $X_n$ を割った余りです。ただし、1 で割った余りは 0 とします。 (1) $X_3 = 0$ となる確率を求めます。 (2) 各 $n$ に対し、$X_n = 5$ となる確率を求めます。 (3) 各 $n$ に対し、$X_n = 1$ となる確率を求めます。

確率論・統計学確率数列余りサイコロ
2025/7/20

1. 問題の内容

さいころを繰り返し振り、出た目の数を使って数列 XnX_n を定義します。X1X_1 は出た目の数で 17 を割った余り、Xn+1X_{n+1} は出た目の数で XnX_n を割った余りです。ただし、1 で割った余りは 0 とします。
(1) X3=0X_3 = 0 となる確率を求めます。
(2) 各 nn に対し、Xn=5X_n = 5 となる確率を求めます。
(3) 各 nn に対し、Xn=1X_n = 1 となる確率を求めます。

2. 解き方の手順

(1) X3=0X_3=0 となる確率を求める
X3=0X_3 = 0 となるためには、直前の X2X_2 が 1, 2, 3, 4, 5, 6 のいずれかである必要があり、かつ X2X_2 を割る数(3回目のサイコロの出目)が X2X_2 と一致する必要があります。
X1X_1 はサイコロの出目(1 から 6)を 17 で割った余りなので、X1X_1 はサイコロの出目そのものです。
同様に、X2X_2 はサイコロの出目で X1X_1 を割った余り、X3X_3 はサイコロの出目で X2X_2 を割った余りです。
まず、X3=0X_3 = 0 となるためには、X2X_2 が 1 から 6 のいずれかであり、3回目のサイコロの目が X2X_2 と一致する必要があります。
X2=kX_2 = k (1 ≤ k ≤ 6) となる確率を P(X2=k)P(X_2 = k) とすると、X3=0X_3 = 0 となる確率は P(X3=0)=k=16P(X2=k and 3回目のサイコロの目が k)P(X_3 = 0) = \sum_{k=1}^{6} P(X_2 = k \text{ and 3回目のサイコロの目が } k) です。
P(X2=k and 3回目のサイコロの目が k)=P(X2=k)×16P(X_2 = k \text{ and 3回目のサイコロの目が } k) = P(X_2 = k) \times \frac{1}{6} となるので、P(X3=0)=k=16P(X2=k)×16P(X_3=0) = \sum_{k=1}^{6} P(X_2 = k) \times \frac{1}{6} が成立します。
P(X2=k)=l=k6P(X1=l and 2回目のサイコロの目は l/kk)P(X_2=k) = \sum_{l=k}^{6} P(X_1 = l \text{ and 2回目のサイコロの目は } \lfloor l/k \rfloor * k)  
P(X2=k)=P(X1=k)(1/6)+P(X1=2k)(1/6)+P(X1=3k)(1/6)+...P(X_2=k) = P(X_1=k) * (1/6) + P(X_1=2k) * (1/6) + P(X_1=3k) * (1/6) + ...
X1X_1 が 1 から 6 である確率はいずれも 1/61/6 であるから、P(X2=k)P(X_2=k) を求める。
P(X2=1)=(1/6)1+(1/6)1+(1/6)1+(1/6)1+(1/6)1+(1/6)1=1/6P(X_2=1) = (1/6) * 1 + (1/6) * 1 + (1/6) * 1 + (1/6) * 1 + (1/6) * 1 + (1/6) * 1 = 1/6
P(X2=2)=(1/6)0+(1/6)1+(1/6)0+(1/6)1+(1/6)0+(1/6)1=1/2P(X_2=2) = (1/6) * 0 + (1/6) * 1 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 = 1/2
P(X2=3)=(1/6)0+(1/6)0+(1/6)1+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)1=1/3P(X_2=3) = (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 = 1/3
P(X2=4)=(1/6)0+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)1+(1/6)0+(1/6)0=1/4P(X_2=4) = (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 = 1/4
P(X2=5)=(1/6)0+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)1+(1/6)0=1/5P(X_2=5) = (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 + (1/6) * 0 = 1/5
P(X2=6)=(1/6)0+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)0+(1/6)1=1/6P(X_2=6) = (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 0 + (1/6) * 1 = 1/6
P(X3=0)=(1/6)(1/6)+(1/6)(1/2)+(1/6)(1/3)+(1/6)(1/4)+(1/6)(1/5)+(1/6)(1/6)=(1/36)(6+3+2+1.5+1.2+1)P(X_3 = 0) = (1/6) * (1/6) + (1/6) * (1/2) + (1/6) * (1/3) + (1/6) * (1/4) + (1/6) * (1/5) + (1/6) * (1/6) = (1/36) * (6+3+2+1.5+1.2+1)
P(X3=0)=136(180+90+60+45+36+3030)P(X_3 = 0) = \frac{1}{36} (\frac{180+90+60+45+36+30}{30})
P(X3=0)=4413630=4411080=49120P(X_3 = 0) = \frac{441}{36*30} = \frac{441}{1080} = \frac{49}{120}
(2) Xn=5X_n = 5 となる確率を求める
Xn=5X_n = 5 となるためには、その直前の Xn1X_{n-1} が 5 より大きい必要があります。したがって、Xn1X_{n-1} は 5 で割る必要があります。サイコロの出目は 1 から 6 なので、次のようになります。
P(Xn=5)=P(Xn15)×16P(X_n=5) = P(X_{n-1} \ge 5) \times \frac{1}{6}
Xn1=5X_{n-1} = 5 のとき、出目が 1 のとき、Xn=0X_n = 0 となります。これは Xn=5X_n = 5 ではありません。
Xn1=6X_{n-1} = 6 のとき、出目が 1 のとき、Xn=5X_n = 5 となります。
(3) Xn=1X_n = 1 となる確率を求める
Xn=1X_n = 1 となるためには、その直前の Xn1X_{n-1} が 1 より大きい必要があります。したがって、Xn1X_{n-1}kk で割った余りが 1 になる必要があります。
Xn1=kX_{n-1} = k の時、Xn=1X_n=1 になる確率 = P(サイコロの出目がk1)P(サイコロの出目が k-1)

3. 最終的な答え

(1) X3=0X_3 = 0 となる確率は 49120\frac{49}{120} です。
(2) Xn=5X_n = 5 となる確率は P(Xn15)×16P(X_{n-1} \ge 5) \times \frac{1}{6} です。
(3) Xn=1X_n = 1 となる確率は、Xn1=kX_{n-1}=kの時、P(サイコロの出目がk1)P(サイコロの出目が k-1) です。

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