与えられた4つの2変数関数 $f(x, y)$ について、$(x, y) \to (0, 0)$ における極限が存在するかどうかを調べ、存在する場合はその値を求める問題です。 (1) $f(x, y) = \frac{3x^2 + 5y^2}{\sqrt{x^2 + y^2}}$ (2) $f(x, y) = \frac{xy^2}{x^2 + y^4}$ (3) $f(x, y) = \frac{x^5}{(y - x^2)^2 + x^6}$ (4) $f(x, y) = \frac{x^4 y^2}{(x^3 + y^3)^2 + x^8}$

解析学多変数関数極限極座標変換経路依存性
2025/7/20

1. 問題の内容

与えられた4つの2変数関数 f(x,y)f(x, y) について、(x,y)(0,0)(x, y) \to (0, 0) における極限が存在するかどうかを調べ、存在する場合はその値を求める問題です。
(1) f(x,y)=3x2+5y2x2+y2f(x, y) = \frac{3x^2 + 5y^2}{\sqrt{x^2 + y^2}}
(2) f(x,y)=xy2x2+y4f(x, y) = \frac{xy^2}{x^2 + y^4}
(3) f(x,y)=x5(yx2)2+x6f(x, y) = \frac{x^5}{(y - x^2)^2 + x^6}
(4) f(x,y)=x4y2(x3+y3)2+x8f(x, y) = \frac{x^4 y^2}{(x^3 + y^3)^2 + x^8}

2. 解き方の手順

極限が存在するかどうかを調べるために、いくつかの異なる経路から原点に近づいた場合に、関数 f(x,y)f(x, y) が同じ値に収束するかどうかを確認します。もし異なる経路で異なる値に収束する場合、極限は存在しません。極座標変換や特定の曲線に沿って近づく方法が有効です。
(1) 極座標変換 x=rcosθx = r\cos\theta, y=rsinθy = r\sin\theta を用いると、
f(x,y)=3r2cos2θ+5r2sin2θr=r(3cos2θ+5sin2θ)f(x, y) = \frac{3r^2\cos^2\theta + 5r^2\sin^2\theta}{r} = r(3\cos^2\theta + 5\sin^2\theta)
r0r \to 0 のとき f(x,y)0f(x, y) \to 0 である。したがって、極限は0である。
(2) x=y2x = y^2 に沿って近づくと、
f(x,y)=y2y2y4+y4=y42y4=12f(x, y) = \frac{y^2 y^2}{y^4 + y^4} = \frac{y^4}{2y^4} = \frac{1}{2}
x=0x = 0 に沿って近づくと、
f(x,y)=0y4=0f(x, y) = \frac{0}{y^4} = 0
したがって、極限は存在しない。
(3) y=x2+x3y = x^2 + x^3 に沿って近づくと、
f(x,y)=x5(x3)2+x6=x52x6=12xf(x, y) = \frac{x^5}{(x^3)^2 + x^6} = \frac{x^5}{2x^6} = \frac{1}{2x}
x0x \to 0 のとき f(x,y)f(x, y) は発散するため、極限は存在しない。
あるいは、 y=x2y=x^2に沿って近づくと、
f(x,y)=x50+x6=1xf(x,y) = \frac{x^5}{0+x^6}=\frac{1}{x}
よって、極限は存在しない。
(4) y=xy = x に沿って近づくと、
f(x,y)=x4x2(x3+x3)2+x8=x6(2x3)2+x8=x64x6+x8=14+x2f(x, y) = \frac{x^4 x^2}{(x^3 + x^3)^2 + x^8} = \frac{x^6}{(2x^3)^2 + x^8} = \frac{x^6}{4x^6 + x^8} = \frac{1}{4 + x^2}
x0x \to 0 のとき f(x,y)14f(x, y) \to \frac{1}{4}
x=0x = 0 に沿って近づくと、
f(x,y)=0(y3)2+0=0f(x, y) = \frac{0}{(y^3)^2 + 0} = 0
したがって、極限は存在しない。

3. 最終的な答え

(1) 極限は存在し、0 です。
(2) 極限は存在しません。
(3) 極限は存在しません。
(4) 極限は存在しません。

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