相加平均と相乗平均の関係を利用して、各不等式が常に成り立つかどうかを判断します。
相加平均と相乗平均の関係は、a,b≥0のとき、2a+b≥ab が成り立つというものです。等号成立はa=bのときです。 各不等式に対して、左辺を2つの項の和で表し、相加平均と相乗平均の関係を適用します。
1: 9x2+12y2≥21xy 29x2+12y2≥9x2⋅12y2=108x2y2=63∣xy∣ 9x2+12y2≥123∣xy∣≈20.78xy. したがって、この不等式は常に成り立つとは限りません。 2: 9x2+15y2≥26xy この不等式も同様に相加平均と相乗平均の関係を適用しても、常に成り立つとは限りません。
3: 9x2+17y2≥25xy この不等式も同様に相加平均と相乗平均の関係を適用しても、常に成り立つとは限りません。
4: 9x2+16y2≥23xy この不等式も同様に相加平均と相乗平均の関係を適用しても、常に成り立つとは限りません。
5: 8x2+16y2≥23xy 8x2+16y2=8x2+2⋅8y2であり、8x2,8y2,8y2 の3つの項で相加平均と相乗平均の関係を利用することはできません。 不等式の証明として、9x2+16y2−24xy=(3x−4y)2≥0 が常に成り立つことはよく知られています。 ここで、9x2+16y2−24xy=(3x−4y)2≥0より、9x2+16y2≥24xyが成立することがわかります。 9x2+16y2−24xy=(3x)2+(4y)2−2(3x)(4y) 9x2+16y2=(3x)2+(4y)2 そこで2(3x)(4y)=24xy. 相加平均と相乗平均の関係から
8x2+16y2に対して考察を行います。 28x2+16y2≥8x2×16y2 8x2+16y2≥2128x2y2=2(82)∣xy∣=162∣xy∣≈22.6xy そこで、相加平均と相乗平均の関係を正しく用いるためには、
8x2+16y2=8x2+8y2+8y2 として、
38x2+8y2+8y2≥38x2⋅8y2⋅8y2=3512x2y4=83x2y4 8x2+16y2≥243x2y4 これは常に成立するとは言えません。
8x2+16y2−23xy=0 となることはありえます。 例えば、x=1,y=1とすると8+16=24となり、23xy=23. 相加平均と相乗平均の関係を用いることは、この問題を解くためにあまり役に立ちません。
9x2+16y2≥24xyより、問題文に誤りがある可能性もあります。