1. 問題の内容
次の不等式のうち、常に成立するものを選びなさい。
選択肢は以下の通りです。
1. $9x^2 + 12y^2 \ge 21xy$
2. $9x^2 + 15y^2 \ge 26xy$
3. $9x^2 + 17y^2 \ge 25xy$
4. $9x^2 + 16y^2 \ge 23xy$
5. $8x^2 + 16y^2 \ge 23xy$
2. 解き方の手順
不等式が常に成立するかどうかを調べるには、(左辺) - (右辺) となることを示す方法があります。
また、相加相乗平均の関係 を利用することを考えます。
1. $9x^2 + 12y^2 - 21xy \ge 0$
これは常に成り立つとは限りません。例えば、 のとき負になります。
2. $9x^2 + 15y^2 - 26xy \ge 0$
相加相乗平均の関係を使うことを考えると、との係数の比が平方数の比に近いほど、相加相乗平均の関係で示しやすいです。
この不等式が常に成り立つかどうかは判断が難しいです。
3. $9x^2 + 17y^2 - 25xy \ge 0$
これも同様に判断が難しいです。
4. $9x^2 + 16y^2 - 23xy \ge 0$
これも同様に判断が難しいです。
5. $8x^2 + 16y^2 - 23xy \ge 0$
これも同様に判断が難しいです。
相加相乗平均の関係が使えそうなものから検討してみましょう。
1から5の選択肢のうち、の形の式で、とが平方数に近いもの、あるいはかつで、となるものを探します。
選択肢4に注目すると、、であり、なので、 となり、より大きくなる可能性があると考えられます。
となるかどうかは、の符号によって変わるので常に成り立つとは限りません。
選択肢1はとなるかどうか、選択肢2,3,5も同様に式変形を行ってもの形になって、の符号によって不等号が逆転する可能性があるため、常に成り立つとは言えません。
相加相乗平均の関係をうまく利用できる組み合わせがないため、判別式を使って検討してみます。
を変形して、とします。この2次不等式が常に成り立つためには、判別式が必要です。つまり、であれば、常に不等式が成り立ちます。
1. $21^2 = 441$, $4 * 9 * 12 = 432$ より $c^2 > 4ab$
2. $26^2 = 676$, $4 * 9 * 15 = 540$ より $c^2 > 4ab$
3. $25^2 = 625$, $4 * 9 * 17 = 612$ より $c^2 > 4ab$
4. $23^2 = 529$, $4 * 9 * 16 = 576$ より $c^2 < 4ab$
5. $23^2 = 529$, $4 * 8 * 16 = 512$ より $c^2 > 4ab$
選択肢4のみ を満たします。
とした時の判別式は なので、は常に成り立ちます。
3. 最終的な答え
4