行列 $A = \begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix}$ で定まる1次変換を $f$ とする。このとき、以下の問いに答えよ。 (1) 点 $(1,1)$ の $f$ による像を求めよ。 (2) 直線 $x-y=0$ の $f$ による像を求めよ。 (3) 零ベクトル $\vec{0}$ の $f$ による逆像を求めよ。 (4) $f$ は1対1対応（全単射）であるかどうか判定せよ。

はい、承知いたしました。数学の問題を解いていきます。

1. 問題の内容

行列 $A = \begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix}$ で定まる1次変換を $f$ とする。このとき、以下の問いに答えよ。

(1) 点 $(1,1)$ の $f$ による像を求めよ。

(2) 直線 $x-y=0$ の $f$ による像を求めよ。

(3) 零ベクトル $\vec{0}$ の $f$ による逆像を求めよ。

(4) $f$ は1対1対応（全単射）であるかどうか判定せよ。

2. 解き方の手順

(1) 点 $(1,1)$ の像

点 $(1,1)$ の像は、行列 $A$ をベクトル $\begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix}$ にかけることで求められます。

$$\begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 1 \\ 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 6 - 9 \\ 2 - 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -3 \\ -1 \end{pmatrix}$$

(2) 直線 $x-y=0$ の像

直線 $x-y=0$ 上の点 $(x,y)$ は $x=y$ を満たします。つまり、$(t,t)$ と表せます。この点の像は、

$$\begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} t \\ t \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 6t - 9t \\ 2t - 3t \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -3t \\ -t \end{pmatrix}$$

したがって、像の点の座標を $(x',y')$ とすると、$x' = -3t$ かつ $y' = -t$ より、$x' = 3y'$ となります。 よって、直線 $x-y=0$ の像は直線 $x - 3y = 0$ です。

(3) 零ベクトル $\vec{0}$ の逆像

零ベクトルの逆像は、$\begin{pmatrix} 6 & -9 \\ 2 & -3 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix}$ を満たす $(x,y)$ を求めることになります。

$$6x - 9y = 0$$

$$2x - 3y = 0$$

どちらの式も $2x = 3y$ を表しています。したがって、$x = \frac{3}{2}y$ です。

よって、逆像は直線 $2x-3y = 0$ です。

(4) $f$ が1対1対応（全単射）であるかの判定

行列 $A$ の行列式を計算します。

$$\det(A) = (6)(-3) - (-9)(2) = -18 + 18 = 0$$

行列式が0なので、行列 $A$ は正則ではありません。つまり、逆行列が存在しません。したがって、$f$ は1対1対応（全単射）ではありません。

3. 最終的な答え

(1) 点 $(1,1)$ の像: $\begin{pmatrix} -3 \\ -1 \end{pmatrix}$

(2) 直線 $x-y=0$ の像: 直線 $x-3y=0$

(3) 零ベクトルの逆像: 直線 $2x-3y=0$

(4) $f$ は1対1対応（全単射）**ではない**。