水平面上に置かれたばね定数 $k$ のばねに質量 $m$ の小物体を押し付けて、自然長から $a$ だけ縮めた後、手を離す。小物体は半径 $R$ の円弧状の曲面を滑り降り、点A(角度$\theta$)を通過後、点B(角度$\theta_B$)で曲面から離れる。重力加速度の大きさを $g$ として、以下の問いに答えよ。 (1) ばねから離れた直後の小物体の速さを求めよ。 (2) 点Aにおける小物体の速さを求めよ。 (3) 点Aで、小物体が面から受ける垂直抗力の大きさを求めよ。 (4) $\cos \theta_B$ を求めよ。 (5) 点Bで曲面を飛び出すときの、小物体の運動エネルギーを求めよ。

応用数学力学エネルギー保存円運動ばね物理
2025/8/6

1. 問題の内容

水平面上に置かれたばね定数 kk のばねに質量 mm の小物体を押し付けて、自然長から aa だけ縮めた後、手を離す。小物体は半径 RR の円弧状の曲面を滑り降り、点A(角度θ\theta)を通過後、点B(角度θB\theta_B)で曲面から離れる。重力加速度の大きさを gg として、以下の問いに答えよ。
(1) ばねから離れた直後の小物体の速さを求めよ。
(2) 点Aにおける小物体の速さを求めよ。
(3) 点Aで、小物体が面から受ける垂直抗力の大きさを求めよ。
(4) cosθB\cos \theta_B を求めよ。
(5) 点Bで曲面を飛び出すときの、小物体の運動エネルギーを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) ばねから離れた直後の速さ
ばねの弾性エネルギーが運動エネルギーに変わるので、
12ka2=12mv2\frac{1}{2}ka^2 = \frac{1}{2}mv^2
より、v=ka2m=akmv = \sqrt{\frac{ka^2}{m}} = a\sqrt{\frac{k}{m}}
(2) 点Aにおける速さ
力学的エネルギー保存則を用いる。
基準点を円弧の中心の高さとする。
ばねから離れた直後の力学的エネルギーは E=12ka2E = \frac{1}{2}ka^2 である。
点Aにおける力学的エネルギーは E=12mvA2+mgRcosθE = \frac{1}{2}mv_A^2 + mgR\cos\theta である。
よって、12ka2=12mvA2+mgRcosθ\frac{1}{2}ka^2 = \frac{1}{2}mv_A^2 + mgR\cos\theta
12mvA2=12ka2mgRcosθ\frac{1}{2}mv_A^2 = \frac{1}{2}ka^2 - mgR\cos\theta
vA2=ka2m2gRcosθv_A^2 = \frac{ka^2}{m} - 2gR\cos\theta
vA=ka2m2gRcosθv_A = \sqrt{\frac{ka^2}{m} - 2gR\cos\theta}
(3) 点Aにおける垂直抗力
点Aにおいて、小物体には重力、垂直抗力が働く。
円運動の運動方程式を立てると、
mvA2R=Nmgcosθm\frac{v_A^2}{R} = N - mg\cos\theta
N=mvA2R+mgcosθN = m\frac{v_A^2}{R} + mg\cos\theta
vA2=ka2m2gRcosθv_A^2 = \frac{ka^2}{m} - 2gR\cos\theta より、
N=mka2m2gRcosθR+mgcosθN = m\frac{\frac{ka^2}{m} - 2gR\cos\theta}{R} + mg\cos\theta
N=ka2R2mgcosθ+mgcosθN = \frac{ka^2}{R} - 2mg\cos\theta + mg\cos\theta
N=ka2RmgcosθN = \frac{ka^2}{R} - mg\cos\theta
(4) cosθB\cos\theta_B
点Bで小物体が曲面から離れるとき、垂直抗力は0になる。
点Bにおける速さを vBv_B とすると、円運動の運動方程式は、
mvB2R=mgcosθBm\frac{v_B^2}{R} = mg\cos\theta_B
力学的エネルギー保存則より、
12ka2=12mvB2+mgRcosθB\frac{1}{2}ka^2 = \frac{1}{2}mv_B^2 + mgR\cos\theta_B
12mvB2=12ka2mgRcosθB\frac{1}{2}mv_B^2 = \frac{1}{2}ka^2 - mgR\cos\theta_B
mvB2=ka22mgRcosθBmv_B^2 = ka^2 - 2mgR\cos\theta_B
これをmvB2R=mgcosθBm\frac{v_B^2}{R} = mg\cos\theta_B に代入すると、
mka22mgRcosθBmR=mgcosθBm\frac{ka^2 - 2mgR\cos\theta_B}{mR} = mg\cos\theta_B
ka2R2mgcosθB=mgcosθB\frac{ka^2}{R} - 2mg\cos\theta_B = mg\cos\theta_B
ka2R=3mgcosθB\frac{ka^2}{R} = 3mg\cos\theta_B
cosθB=ka23mgR\cos\theta_B = \frac{ka^2}{3mgR}
(5) 点Bでの運動エネルギー
12mvB2\frac{1}{2}mv_B^2を求める。
mvB2R=mgcosθBm\frac{v_B^2}{R} = mg\cos\theta_B より、
mvB2=mgRcosθB=mgRka23mgR=ka23mv_B^2 = mgR\cos\theta_B = mgR\frac{ka^2}{3mgR} = \frac{ka^2}{3}
よって、12mvB2=ka26\frac{1}{2}mv_B^2 = \frac{ka^2}{6}

3. 最終的な答え

(1) akma\sqrt{\frac{k}{m}}
(2) ka2m2gRcosθ\sqrt{\frac{ka^2}{m} - 2gR\cos\theta}
(3) ka2Rmgcosθ\frac{ka^2}{R} - mg\cos\theta
(4) ka23mgR\frac{ka^2}{3mgR}
(5) ka26\frac{ka^2}{6}

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