不等式 $4x + \frac{1}{x} \geq 4$ と $x + \frac{9}{x} \geq 6$ の両辺に $x$ を掛ける方法が考えられるが、それでは行き詰まってしまう。その理由を考察する。

代数学不等式場合分け二次不等式実数の性質
2025/5/14

1. 問題の内容

不等式 4x+1x44x + \frac{1}{x} \geq 4x+9x6x + \frac{9}{x} \geq 6 の両辺に xx を掛ける方法が考えられるが、それでは行き詰まってしまう。その理由を考察する。

2. 解き方の手順

不等式の両辺に何かを掛ける場合、その掛けるものが正であるか負であるかによって不等号の向きが変わる必要がある。この問題の場合、xx が正であるか負であるかを考慮する必要がある。xxの符号によって場合分けをして考える。
(i) x>0x > 0 のとき:
4x+1x44x + \frac{1}{x} \geq 4 の両辺に xx を掛けると、4x2+14x4x^2 + 1 \geq 4x となり、4x24x+104x^2 - 4x + 1 \geq 0 となる。これは (2x1)20(2x - 1)^2 \geq 0 と変形でき、常に成り立つ。
x+9x6x + \frac{9}{x} \geq 6 の両辺に xx を掛けると、x2+96xx^2 + 9 \geq 6x となり、x26x+90x^2 - 6x + 9 \geq 0 となる。これは (x3)20(x - 3)^2 \geq 0 と変形でき、常に成り立つ。
したがって、x>0x > 0 である限り、これらの不等式は常に成立する。
(ii) x<0x < 0 のとき:
4x+1x44x + \frac{1}{x} \geq 4 の両辺に xx を掛けると、4x2+14x4x^2 + 1 \leq 4x となり、4x24x+104x^2 - 4x + 1 \leq 0 となる。これは (2x1)20(2x - 1)^2 \leq 0 と変形できる。実数の2乗が負になることはないので、(2x1)2=0(2x-1)^2 = 0 となり、x=12x = \frac{1}{2} となる。しかし、x<0x < 0 を仮定しているので、これは矛盾する。
x+9x6x + \frac{9}{x} \geq 6 の両辺に xx を掛けると、x2+96xx^2 + 9 \leq 6x となり、x26x+90x^2 - 6x + 9 \leq 0 となる。これは (x3)20(x - 3)^2 \leq 0 と変形できる。実数の2乗が負になることはないので、(x3)2=0(x - 3)^2 = 0 となり、x=3x = 3 となる。しかし、x<0x < 0 を仮定しているので、これは矛盾する。
両辺に xx を掛ける方法は、xx の符号を考慮しないと誤った結論を導く可能性があるため、行き詰まってしまう。

3. 最終的な答え

不等式の両辺に xx を掛ける際、xx の符号を考慮しないと不等号の向きが変わるべき場合に変わらず、誤った結論を導く可能性があるため、行き詰まってしまう。

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