(1) 曲線 $C$ が原点 $(0,0)$ から点 $(0,1)$ に至る経路である場合と、 (2) 曲線 $C$ が原点から点 $(2,2)$ を通り点 $(0,1)$ に至る経路である場合について計算します。

解析学線積分積分曲線
2025/7/23
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1. 問題の内容

与えられた線積分を、指定された曲線について計算する問題です。具体的には、以下の3つの問題が含まれています。

1. 摩擦係数 $w(x, y) = 1 + \alpha y$ を持つ物体を曲線 $C$ に沿って移動させたときの発熱量を表す線積分 $\int_C w(x,y) ds$ を、

(1) 曲線 CC が原点 (0,0)(0,0) から点 (0,1)(0,1) に至る経路である場合と、
(2) 曲線 CC が原点から点 (2,2)(2,2) を通り点 (0,1)(0,1) に至る経路である場合について計算します。

2. 線積分 $\int_C x(1+y) ds$ を、

(1) 曲線 CC が原点、点 (1,0)(1,0)、点 (1,2)(1,2) を結ぶ線分である場合と、
(2) 曲線 CC が原点と点 (1,2)(1,2) を結ぶ線分である場合について計算します。

3. 線積分 $\int_C (\frac{2x}{y} + z) ds$ を、曲線 $C$ が点 $(0,0,2)$ と点 $(1,2,3)$ を結ぶ経路である場合について計算します。

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2. 解き方の手順

各問題について、個別に解き方の手順を説明します。
### 問題 1
(1) 曲線 CC が原点 (0,0)(0,0) から点 (0,1)(0,1) に至る経路である場合:
- x=0x=0 なので、w(x,y)=1+αyw(x,y) = 1 + \alpha yw(0,y)=1+αyw(0,y) = 1 + \alpha y となります。
- ds=dyds = dy なので、線積分は 01(1+αy)dy\int_0^1 (1 + \alpha y) dy となります。
- この積分を計算します。
(2) 曲線 CC が原点から点 (2,2)(2,2) を通り点 (0,1)(0,1) に至る経路である場合:
- 経路を2つの部分に分けます。
- C1C_1: 原点 (0,0)(0,0) から点 (2,2)(2,2) に至る経路。これは y=xy=x で表されます。
- C2C_2: 点 (2,2)(2,2) から点 (0,1)(0,1) に至る経路。これは y=12x+3y = -\frac{1}{2}x + 3 で表されます。
- 各経路について線積分を計算し、それらを足し合わせます。
- C1C_1 について: ds=1+(dydx)2dx=2dxds = \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2}dx = \sqrt{2} dx なので、積分は 02(1+αx)2dx\int_0^2 (1 + \alpha x) \sqrt{2} dx となります。
- C2C_2 について: ds=1+(dydx)2dx=1+14dx=52dxds = \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2}dx = \sqrt{1 + \frac{1}{4}} dx = \frac{\sqrt{5}}{2}dx なので、積分は 20(1+α(12x+3))52dx\int_2^0 (1 + \alpha(-\frac{1}{2}x + 3))\frac{\sqrt{5}}{2}dx となります。
- 2つの積分の結果を足し合わせます。
### 問題 2
(1) 曲線 CC が原点、点 (1,0)(1,0)、点 (1,2)(1,2) を結ぶ線分である場合:
- 経路を2つの部分に分けます。
- C1C_1: 原点 (0,0)(0,0) から点 (1,0)(1,0) に至る経路。これは y=0y=0 で表されます。
- C2C_2: 点 (1,0)(1,0) から点 (1,2)(1,2) に至る経路。これは x=1x=1 で表されます。
- 各経路について線積分を計算し、それらを足し合わせます。
- C1C_1 について: y=0y=0 なので、積分は 01x(1+0)dx=01xdx\int_0^1 x(1+0) dx = \int_0^1 x dx となります。
- C2C_2 について: x=1x=1 なので、ds=dyds = dy であり、積分は 021(1+y)dy=02(1+y)dy\int_0^2 1(1+y) dy = \int_0^2 (1+y) dy となります。
- 2つの積分の結果を足し合わせます。
(2) 曲線 CC が原点と点 (1,2)(1,2) を結ぶ線分である場合:
- y=2xy = 2x なので、ds=1+(dydx)2dx=1+4dx=5dxds = \sqrt{1 + (\frac{dy}{dx})^2} dx = \sqrt{1+4} dx = \sqrt{5} dx となります。
- 積分は 01x(1+2x)5dx=501(x+2x2)dx\int_0^1 x(1+2x) \sqrt{5} dx = \sqrt{5} \int_0^1 (x+2x^2) dx となります。
- この積分を計算します。
### 問題 3
曲線 CC が点 (0,0,2)(0,0,2) と点 (1,2,3)(1,2,3) を結ぶ経路である場合:
直線なので、パラメータ表示を考えます。
r(t)=(0,0,2)+t((1,2,3)(0,0,2))=(t,2t,2+t)\vec{r}(t) = (0,0,2) + t((1,2,3)-(0,0,2)) = (t, 2t, 2+t) (ただし 0t10 \leq t \leq 1)
x=tx = t, y=2ty = 2t, z=2+tz = 2 + t
r(t)=(1,2,1)\vec{r}'(t) = (1,2,1)
r(t)=12+22+12=6||\vec{r}'(t)|| = \sqrt{1^2 + 2^2 + 1^2} = \sqrt{6}
ds=r(t)dt=6dtds = ||\vec{r}'(t)|| dt = \sqrt{6} dt
C(2xy+z)ds=01(2t2t+2+t)6dt=601(1+2+t)dt=601(3+t)dt=6[3t+t22]01=6(3+12)=762\int_C (\frac{2x}{y} + z) ds = \int_0^1 (\frac{2t}{2t} + 2 + t) \sqrt{6} dt = \sqrt{6} \int_0^1 (1 + 2 + t) dt = \sqrt{6} \int_0^1 (3 + t) dt = \sqrt{6}[3t + \frac{t^2}{2}]_0^1 = \sqrt{6}(3 + \frac{1}{2}) = \frac{7\sqrt{6}}{2}
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3. 最終的な答え

### 問題 1
(1) 1+α21 + \frac{\alpha}{2}
(2) 2(2+α)+52(2α2(4/2)+6α)=2(2+α)+5(1+5α4)\sqrt{2} (2 + \alpha) + \frac{\sqrt{5}}{2}(-2 - \frac{\alpha}{2}*(-4/2) + 6\alpha) = \sqrt{2}(2 + \alpha) + \sqrt{5}(-1 + \frac{5\alpha}{4})
### 問題 2
(1) 12+4=92\frac{1}{2} + 4 = \frac{9}{2}
(2) 756\frac{7\sqrt{5}}{6}
### 問題 3
762\frac{7\sqrt{6}}{2}