## 問題の概要
1. **棒の微小振動**: 質量 $M$, 長さ $a$ の一様な棒を、重心から距離 $h$ だけ離れた位置に固定軸を通して微小振動させる。固定軸周りの慣性モーメント $I$、微小振動の周期 $T$、および $T$ を最小とする $h$ とその時の周期を求める問題。
2. **つるまきばねとおもりの振動**: 自然長 $l_0$ のつるまきばねの一端が固定され、他端に糸で質量 $m$ のおもりがつながれた滑車にかけられている。つり合いの位置におけるばね定数 $k$、おもりと滑車の運動方程式、おもりの振動の周期を求める問題。
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1. 棒の微小振動
### (a) 固定軸周りの慣性モーメント を求める
**解き方の手順:**
1. 平行軸の定理を用いる。重心周りの慣性モーメント $I_G$ は $\frac{1}{12}Ma^2$ である。
2. 固定軸周りの慣性モーメント $I$ は $I = I_G + Mh^2$ で与えられる。
**最終的な答え:**
### (b) 微小振動の周期 を求め、 を最小とする 及びそのときの周期を求める
**解き方の手順:**
1. トルクの式を立てる。トルク $\tau = -Mgh \sin\theta$ であり、微小振動なので $\sin\theta \approx \theta$ と近似できる。
2. 運動方程式 $I\frac{d^2\theta}{dt^2} = \tau$ を立てる。
3. 運動方程式は $\frac{d^2\theta}{dt^2} + \frac{Mgh}{I}\theta = 0$ となる。
4. $\omega^2 = \frac{Mgh}{I}$ とおくと、周期 $T = 2\pi/\omega = 2\pi\sqrt{\frac{I}{Mgh}}$ となる。
5. $I$ を代入すると $T = 2\pi\sqrt{\frac{\frac{1}{12}Ma^2 + Mh^2}{Mgh}} = 2\pi\sqrt{\frac{a^2}{12gh} + \frac{h}{g}}$ となる。
6. $T$ を最小とする $h$ を求めるために、 $T^2$ を $h$ で微分して 0 とおく。
より、 つまり が得られる。
7. この $h$ を $T$ に代入する。
**最終的な答え:**
*
* のとき は最小
*
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2. つるまきばねとおもりの振動
### (a) つるまきばねのばね定数 を求める
**解き方の手順:**
1. つり合いの位置で、ばねの弾性力と重力が釣り合っている。
2. ばねの伸びは $l - l_0$ であるから、$k(l - l_0) = mg$
3. よって、$k = \frac{mg}{l - l_0}$
**最終的な答え:**
### (b) おもりと滑車の運動方程式を立てる
**解き方の手順:**
1. おもりの運動方程式: $m\frac{d^2x}{dt^2} = mg - k(l - l_0 + x) - T$, ここで $T$ は糸の張力。
2. 滑車の回転運動方程式: $I\frac{d\omega}{dt} = aT$, ここで $I$ は滑車の慣性モーメント、$\omega$ は滑車の角速度。
3. $a\omega = \frac{dx}{dt}$ より $I\frac{d^2\omega}{dt^2} = I\frac{d^2x}{a^2dt^2} = aT$.
4. よって $T = \frac{I}{a^2}\frac{d^2x}{dt^2}$.
5. おもりの運動方程式に代入すると、$m\frac{d^2x}{dt^2} = mg - k(l - l_0 + x) - \frac{I}{a^2}\frac{d^2x}{dt^2}$.
6. $k(l - l_0) = mg$ であるから、 $(m + \frac{I}{a^2})\frac{d^2x}{dt^2} + kx = 0$.
**最終的な答え:**
* おもりの運動方程式:
* 滑車の回転運動方程式: .
### (c) おもりの振動の周期を求める
**解き方の手順:**
1. 運動方程式 $(m + \frac{I}{a^2})\frac{d^2x}{dt^2} + kx = 0$ を $\frac{d^2x}{dt^2} + \omega^2 x = 0$ の形にする。
2. $\omega^2 = \frac{k}{m + \frac{I}{a^2}}$
3. 周期 $T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{m + \frac{I}{a^2}}{k}}$
4. $k = \frac{mg}{l - l_0}$ を代入する。
5. $T=2\pi\sqrt{\frac{m+\frac{I}{a^2}}{\frac{mg}{l-l_0}}} = 2\pi\sqrt{(\frac{m}{mg}+\frac{I}{a^2mg})(l-l_0)}$
6. $T = 2\pi\sqrt{(\frac{1}{g}+\frac{I}{a^2mg})(l-l_0)}$
**最終的な答え:**