二つの不等式 $|x-7|<2$ (1) と $|x-3|<k$ (2) が与えられている。ただし、$k$ は正の定数である。 (1) 不等式 (1) と (2) を同時に満たす実数 $x$ が存在するような $k$ の値の範囲を求めよ。 (2) 不等式 (1) の解が不等式 (2) の解に含まれるような $k$ の値の範囲を求めよ。

代数学不等式絶対値解の範囲数直線
2025/8/14

1. 問題の内容

二つの不等式 x7<2|x-7|<2 (1) と x3<k|x-3|<k (2) が与えられている。ただし、kk は正の定数である。
(1) 不等式 (1) と (2) を同時に満たす実数 xx が存在するような kk の値の範囲を求めよ。
(2) 不等式 (1) の解が不等式 (2) の解に含まれるような kk の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
まず、不等式 (1) を解く。
x7<2|x-7|<22<x7<2-2 < x-7 < 2 と同値である。
各辺に 7 を加えると、2+7<x<2+7-2+7 < x < 2+7 となり、5<x<95 < x < 9 である。
次に、不等式 (2) を解く。
x3<k|x-3|<kk<x3<k-k < x-3 < k と同値である。
各辺に 3 を加えると、k+3<x<k+3-k+3 < x < k+3 である。
不等式 (1) と (2) を同時に満たす実数 xx が存在するためには、区間 (5,9)(5, 9)(k+3,k+3)(-k+3, k+3) が共通部分を持つ必要がある。
そのためには、k+3<9-k+3 < 9 かつ 5<k+35 < k+3 が必要である。
k+3<9-k+3 < 9 より k<6-k < 6 となり、k>6k > -6 である。kk が正の定数であることからこれは常に成り立つ。
5<k+35 < k+3 より 2<k2 < k となる。
さらに、5<k+35 < k+3 かつ k+3<9-k+3 < 9 だけでは十分ではない。区間 (5,9)(5,9)(k+3,k+3)(-k+3, k+3) の共通部分が存在するためには、k+3<9-k+3 < 9 かつ 5<k+35 < k+3 であり、5<k+35<k+3 より k>2k>2k+3<9-k+3<9 より k>6k>-6 である。さらに k+3<5-k+3 < 5 または 9<k+39 < k+3 でなければならない。
k+3<5-k+3 < 5 より k<2-k<2 なので、k>2k > -2 となり、9<k+39<k+3 より k>6k>6となる。
k>2k>2k>6k>6k>6k>6を満たせばいいので、k>6k>6が(1)の答え。
次に (2) を解く。
不等式 (1) の解が不等式 (2) の解に含まれるためには、
k+35-k+3 \le 5 かつ 9k+39 \le k+3 が成り立つ必要がある。
k+35-k+3 \le 5 より k2-k \le 2 となり、k2k \ge -2 である。kk が正の定数であることから常に成り立つ。
9k+39 \le k+3 より 6k6 \le k となる。したがって、k6k \ge 6 である。
(2)
不等式(1)の解は5<x<95<x<9
不等式(2)の解は3k<x<3+k3-k<x<3+k
不等式(1)の解が不等式(2)の解に含まれるということは、3k53-k \le 5かつ93+k9 \le 3+kとなる必要がある。
3k53-k \le 5よりk2-k \le 2、つまりk2k \ge -2kkは正の数なのでこれは常に成り立つ。
93+k9 \le 3+kより6k6 \le k、つまりk6k \ge 6

3. 最終的な答え

(1) k>6k > 6
(2) k6k \ge 6