円 $(x-2)^2 + y^2 = 1$ と直線 $y = mx$ が異なる2点P, Qで交わっているとき、 (1) $m$ の値の範囲を求めよ。 (2) 線分PQの中点Mが描く軌跡を求め、それを図示せよ(軌跡に端点がある場合はその座標を明示せよ)。

幾何学直線軌跡交点点と直線の距離解と係数の関係
2025/4/24

1. 問題の内容

(x2)2+y2=1(x-2)^2 + y^2 = 1 と直線 y=mxy = mx が異なる2点P, Qで交わっているとき、
(1) mm の値の範囲を求めよ。
(2) 線分PQの中点Mが描く軌跡を求め、それを図示せよ(軌跡に端点がある場合はその座標を明示せよ)。

2. 解き方の手順

(1) 円と直線が異なる2点で交わる条件は、円の中心と直線の距離が円の半径より小さいことである。円の中心は (2,0)(2, 0)、半径は 11 である。直線 y=mxy = mxmxy=0mx - y = 0 と表せる。点と直線の距離の公式より、円の中心 (2,0)(2, 0) と直線 mxy=0mx - y = 0 の距離 dd は、
d=m20m2+(1)2=2mm2+1d = \frac{|m \cdot 2 - 0|}{\sqrt{m^2 + (-1)^2}} = \frac{|2m|}{\sqrt{m^2 + 1}}
これが円の半径 11 より小さいから、
2mm2+1<1\frac{|2m|}{\sqrt{m^2 + 1}} < 1
両辺を2乗して、
4m2m2+1<1\frac{4m^2}{m^2 + 1} < 1
4m2<m2+14m^2 < m^2 + 1
3m2<13m^2 < 1
m2<13m^2 < \frac{1}{3}
13<m<13-\frac{1}{\sqrt{3}} < m < \frac{1}{\sqrt{3}}
(2) P, Q の座標をそれぞれ (x1,y1)(x_1, y_1), (x2,y2)(x_2, y_2) とすると、M の座標は (x1+x22,y1+y22)(\frac{x_1+x_2}{2}, \frac{y_1+y_2}{2}) となる。
また、P, Q は円 (x2)2+y2=1(x-2)^2 + y^2 = 1 上の点なので、(x2)2+y2=1(x-2)^2 + y^2 = 1y=mxy = mx を代入して、
(x2)2+(mx)2=1(x-2)^2 + (mx)^2 = 1
x24x+4+m2x2=1x^2 - 4x + 4 + m^2x^2 = 1
(1+m2)x24x+3=0(1+m^2)x^2 - 4x + 3 = 0
この2次方程式の解が x1,x2x_1, x_2 なので、解と係数の関係より、
x1+x2=41+m2x_1 + x_2 = \frac{4}{1+m^2}
よって、M の xx 座標は x1+x22=21+m2\frac{x_1+x_2}{2} = \frac{2}{1+m^2} となる。M の yy 座標は y1+y22=mx1+mx22=mx1+x22=2m1+m2\frac{y_1+y_2}{2} = \frac{mx_1+mx_2}{2} = m\frac{x_1+x_2}{2} = \frac{2m}{1+m^2} となる。
M の座標を (X,Y)(X, Y) とすると、
X=21+m2,Y=2m1+m2X = \frac{2}{1+m^2}, Y = \frac{2m}{1+m^2}
m=YXm = \frac{Y}{X} より、
X=21+(YX)2=2X2X2+Y2X = \frac{2}{1+(\frac{Y}{X})^2} = \frac{2X^2}{X^2+Y^2}
X2+Y2=2XX^2 + Y^2 = 2X
(X1)2+Y2=1(X-1)^2 + Y^2 = 1
これは中心 (1,0)(1, 0)、半径 11 の円である。ただし、直線 y=mxy=mx は原点を通るので、 mm の範囲を考慮する必要がある。
m=YXm = \frac{Y}{X} であり、13<m<13-\frac{1}{\sqrt{3}} < m < \frac{1}{\sqrt{3}} より、13<YX<13-\frac{1}{\sqrt{3}} < \frac{Y}{X} < \frac{1}{\sqrt{3}}
m=0m = 0 の時、y=0y=0となり、(x2)2+0=1(x-2)^2+0=1 よりx=1,3x=1, 3PQPQの中点は(2,0)(2, 0)
X=0X=0 はありえないので、X>0X > 0
YY の範囲を求める。
(X1)2+Y2=1(X-1)^2 + Y^2 = 1 上の点であることより、Y2=1(X1)2=1X2+2X1=2XX2=X(2X)Y^2 = 1-(X-1)^2 = 1-X^2+2X-1=2X-X^2 = X(2-X)
13<YX<13-\frac{1}{\sqrt{3}} < \frac{Y}{X} < \frac{1}{\sqrt{3}}
X3<Y<X3-\frac{X}{\sqrt{3}} < Y < \frac{X}{\sqrt{3}}
X3<2XX2<X3-\frac{X}{\sqrt{3}} < \sqrt{2X-X^2} < \frac{X}{\sqrt{3}}
02XX2<X230 \leq 2X - X^2 < \frac{X^2}{3}
2XX2<X232X - X^2 < \frac{X^2}{3}
6X3X2<X26X - 3X^2 < X^2
6X<4X26X < 4X^2
4X26X>04X^2 - 6X > 0
2X(2X3)>02X(2X - 3) > 0
X>32X > \frac{3}{2}
よって、軌跡は (x1)2+y2=1(x-1)^2 + y^2 = 1x>32x > \frac{3}{2} の部分である。
x=32x = \frac{3}{2} のとき、(321)2+y2=1(\frac{3}{2}-1)^2 + y^2 = 1 より、14+y2=1\frac{1}{4} + y^2 = 1 なので、y2=34y^2 = \frac{3}{4}y=±32y = \pm \frac{\sqrt{3}}{2}
したがって、端点は (32,±32)(\frac{3}{2}, \pm \frac{\sqrt{3}}{2}) となる。

3. 最終的な答え

(1) 13<m<13-\frac{1}{\sqrt{3}} < m < \frac{1}{\sqrt{3}}
(2) (x1)2+y2=1(x-1)^2 + y^2 = 1 (x>32x > \frac{3}{2})、端点は (32,32)(\frac{3}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2})(32,32)(\frac{3}{2}, -\frac{\sqrt{3}}{2})

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