n を2, 3, 4, 5, 6で割った余りはそれぞれ異なり、2で割った余りは0か1, 3で割った余りは0, 1, 2、4で割った余りは0, 1, 2, 3、5で割った余りは0, 1, 2, 3, 4、6で割った余りは0, 1, 2, 3, 4, 5である。 これらの余りは全て異なるので、n を2, 3, 4, 5, 6で割った余りの組み合わせは、2×3×4×5×6=720 通りよりはるかに少ない。 n≡r2(mod2) n≡r3(mod3) n≡r4(mod4) n≡r5(mod5) n≡r6(mod6) r2,r3,r4,r5,r6は全て異なる。 n≡r2(mod2) かつ n≡r3(mod3) かつ n≡r4(mod4) かつ n≡r5(mod5) かつ n≡r6(mod6)を満たす整数は、LCM(2,3,4,5,6)=60 を法として一意に定まる。 riが全て異なるとき、条件を満たすnは n≡a(mod60) と表せる。
ここで、LCM(2,3,4,5,6)=60である。 もしn≡a(mod60)なら、n=60k+a (kは整数)である。 このとき、n(mod2)≡a(mod2), n(mod3)≡a(mod3), n(mod4)≡a(mod4), n(mod5)≡a(mod5), n(mod6)≡a(mod6). a,a+1,...,a+59を2, 3, 4, 5, 6で割った余りが全て異なるとき、aは特別である。 2,3,4,5,6の最小公倍数は60なので、60で割った余りが0,1,2,3,4,5の順列になるものだけが答えになる。
0,1,2,3,4,5の順列の個数は6!=720個ある。しかし、全ての割り算で余りが異なる必要がある。 ある整数nが条件を満たす時、n+60も条件を満たす。 nを60で割った余りがaであるとすると、aは0から59のいずれか。 aを2,3,4,5,6で割った余りが全て異ならなければならない。 0から59までの整数のうち、2,3,4,5,6で割った余りが全て異なるものは存在しない。
したがって、条件を満たす整数は存在しない。
しかし、問題文を読み返すと、2,3,4,5,6で割った余りがどの2つも異なる、とある。 これは、全て異なるという条件より弱い。
n≡r2(mod2) n≡r3(mod3) n≡r4(mod4) n≡r5(mod5) n≡r6(mod6) ここで、ri は全て異なるとは限らない。 例えば、n=1 は 2,3,4,5,6 で割った余りがそれぞれ 1,1,1,1,1 である。 n=1 の場合、どの2つの余りも異ならない。 LCM(2,3,4,5,6)=60. n,n+1,...,n+59.