1以上1000以下の整数の中で、2, 3, 4, 5, 6で割った余りが全て異なるようなものはいくつあるか。

数論剰余合同式最小公倍数整数の性質
2025/4/25

1. 問題の内容

1以上1000以下の整数の中で、2, 3, 4, 5, 6で割った余りが全て異なるようなものはいくつあるか。

2. 解き方の手順

整数 nn が条件を満たすとする。
nn を2, 3, 4, 5, 6で割った余りはそれぞれ異なり、2で割った余りは0か1, 3で割った余りは0, 1, 2、4で割った余りは0, 1, 2, 3、5で割った余りは0, 1, 2, 3, 4、6で割った余りは0, 1, 2, 3, 4, 5である。
これらの余りは全て異なるので、nn を2, 3, 4, 5, 6で割った余りの組み合わせは、2×3×4×5×6=7202 \times 3 \times 4 \times 5 \times 6 = 720 通りよりはるかに少ない。
nnを2で割った余り: r2r_2
nnを3で割った余り: r3r_3
nnを4で割った余り: r4r_4
nnを5で割った余り: r5r_5
nnを6で割った余り: r6r_6
nr2(mod2)n \equiv r_2 \pmod{2}
nr3(mod3)n \equiv r_3 \pmod{3}
nr4(mod4)n \equiv r_4 \pmod{4}
nr5(mod5)n \equiv r_5 \pmod{5}
nr6(mod6)n \equiv r_6 \pmod{6}
r2,r3,r4,r5,r6r_2, r_3, r_4, r_5, r_6は全て異なる。
nr2(mod2)n \equiv r_2 \pmod{2} かつ nr3(mod3)n \equiv r_3 \pmod{3} かつ nr4(mod4)n \equiv r_4 \pmod{4} かつ nr5(mod5)n \equiv r_5 \pmod{5} かつ nr6(mod6)n \equiv r_6 \pmod{6}を満たす整数は、LCM(2,3,4,5,6)=60LCM(2, 3, 4, 5, 6) = 60 を法として一意に定まる。
rir_iが全て異なるとき、条件を満たすnn
na(mod60)n \equiv a \pmod{60}
と表せる。
ここで、LCM(2,3,4,5,6)=60LCM(2,3,4,5,6) = 60である。
もしna(mod60)n \equiv a \pmod{60}なら、n=60k+an = 60k + a (kは整数)である。
このとき、n(mod2)a(mod2)n \pmod{2} \equiv a \pmod{2}, n(mod3)a(mod3)n \pmod{3} \equiv a \pmod{3}, n(mod4)a(mod4)n \pmod{4} \equiv a \pmod{4}, n(mod5)a(mod5)n \pmod{5} \equiv a \pmod{5}, n(mod6)a(mod6)n \pmod{6} \equiv a \pmod{6}.
a,a+1,...,a+59a, a+1, ..., a+59を2, 3, 4, 5, 6で割った余りが全て異なるとき、aaは特別である。
2,3,4,5,6の最小公倍数は60なので、60で割った余りが0,1,2,3,4,5の順列になるものだけが答えになる。
0,1,2,3,4,5の順列の個数は6!=7206! = 720個ある。しかし、全ての割り算で余りが異なる必要がある。
ある整数nnが条件を満たす時、n+60n+60も条件を満たす。
nnを60で割った余りがaaであるとすると、aaは0から59のいずれか。
aaを2,3,4,5,6で割った余りが全て異ならなければならない。
0から59までの整数のうち、2,3,4,5,6で割った余りが全て異なるものは存在しない。
したがって、条件を満たす整数は存在しない。
しかし、問題文を読み返すと、2,3,4,5,62,3,4,5,6で割った余りがどの2つも異なる、とある。
これは、全て異なるという条件より弱い。
整数 nn が存在すると仮定する。
nr2(mod2)n \equiv r_2 \pmod{2}
nr3(mod3)n \equiv r_3 \pmod{3}
nr4(mod4)n \equiv r_4 \pmod{4}
nr5(mod5)n \equiv r_5 \pmod{5}
nr6(mod6)n \equiv r_6 \pmod{6}
ここで、rir_i は全て異なるとは限らない。
例えば、n=1n = 12,3,4,5,62, 3, 4, 5, 6 で割った余りがそれぞれ 1,1,1,1,11, 1, 1, 1, 1 である。
n=1n = 1 の場合、どの2つの余りも異ならない。
nnの個数は0である。
LCM(2,3,4,5,6)=60LCM(2, 3, 4, 5, 6) = 60.
n,n+1,...,n+59n, n+1, ..., n+59.

3. 最終的な答え

0

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