内積空間 $V$ の部分空間 $W$ に対して、$W^\perp = \{u \in V \mid (u, v) = 0 \text{ for all } v \in W\}$ と定義する。このとき、$W^\perp$ が $V$ の部分空間であることを示す。

線形代数学内積空間部分空間直交補空間ベクトル空間証明
2025/7/24

1. 問題の内容

内積空間 VV の部分空間 WW に対して、W={uV(u,v)=0 for all vW}W^\perp = \{u \in V \mid (u, v) = 0 \text{ for all } v \in W\} と定義する。このとき、WW^\perpVV の部分空間であることを示す。

2. 解き方の手順

WW^\perpVV の部分空間であることを示すためには、以下の3つの条件を満たすことを示す必要がある。

1. $W^\perp$ は空集合ではない。

2. $u, u' \in W^\perp$ ならば $u + u' \in W^\perp$。

3. $u \in W^\perp$ かつ $c \in \mathbb{R}$ ならば $cu \in W^\perp$。

1. ゼロベクトル $0$ は、$W$ の任意のベクトル $v$ に対して $(0, v) = 0$ を満たすので、$0 \in W^\perp$ である。したがって、$W^\perp$ は空集合ではない。

2. $u, u' \in W^\perp$ と仮定する。このとき、任意の $v \in W$ に対して $(u, v) = 0$ かつ $(u', v) = 0$ が成り立つ。したがって、

(u+u,v)=(u,v)+(u,v)=0+0=0(u + u', v) = (u, v) + (u', v) = 0 + 0 = 0
が任意の vWv \in W に対して成り立つ。したがって、u+uWu + u' \in W^\perp である。

3. $u \in W^\perp$ かつ $c \in \mathbb{R}$ と仮定する。このとき、任意の $v \in W$ に対して $(u, v) = 0$ が成り立つ。したがって、

(cu,v)=c(u,v)=c0=0(cu, v) = c(u, v) = c \cdot 0 = 0
が任意の vWv \in W に対して成り立つ。したがって、cuWcu \in W^\perp である。
以上の3つの条件が満たされるので、WW^\perpVV の部分空間である。

3. 最終的な答え

WW^\perpVV の部分空間である。