問題は以下の2つの部分から構成されます。 (1) 正の整数 $a$ に対して、$a^2$ を 3 で割った余りが 0 または 1 であることを示す。 (2) 正の整数 $a$, $b$, $c$ が $a^2 + b^2 = c^2$ を満たすとき、$a$ と $b$ の少なくとも一方が 3 の倍数であることを示す。

数論整数の性質合同算術剰余背理法
2025/5/31

1. 問題の内容

問題は以下の2つの部分から構成されます。
(1) 正の整数 aa に対して、a2a^2 を 3 で割った余りが 0 または 1 であることを示す。
(2) 正の整数 aa, bb, cca2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 を満たすとき、aabb の少なくとも一方が 3 の倍数であることを示す。

2. 解き方の手順

(1)
整数 aa は、ある整数 kk を用いて 3k3k, 3k+13k+1, 3k+23k+2 のいずれかの形で表すことができます。
それぞれの場合について、a2a^2 を 3 で割った余りを計算します。
* a=3ka = 3k のとき: a2=(3k)2=9k2=3(3k2)a^2 = (3k)^2 = 9k^2 = 3(3k^2) なので、a2a^2 を 3 で割った余りは 0。
* a=3k+1a = 3k+1 のとき: a2=(3k+1)2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1a^2 = (3k+1)^2 = 9k^2 + 6k + 1 = 3(3k^2 + 2k) + 1 なので、a2a^2 を 3 で割った余りは 1。
* a=3k+2a = 3k+2 のとき: a2=(3k+2)2=9k2+12k+4=9k2+12k+3+1=3(3k2+4k+1)+1a^2 = (3k+2)^2 = 9k^2 + 12k + 4 = 9k^2 + 12k + 3 + 1 = 3(3k^2 + 4k + 1) + 1 なので、a2a^2 を 3 で割った余りは 1。
したがって、a2a^2 を 3 で割った余りは 0 または 1 です。
(2)
aabb の少なくとも一方が 3 の倍数であることを示すために、背理法を用います。
aabb も 3 の倍数ではないと仮定します。すると、a2a^2b2b^2 を 3 で割った余りはどちらも 1 です((1)より)。
したがって、a2+b2a^2 + b^2 を 3 で割った余りは 1+1=21 + 1 = 2 となります。
一方、c2c^2 を 3 で割った余りは 0 または 1 です((1)より)。
a2+b2=c2a^2 + b^2 = c^2 なので、a2+b2a^2 + b^2c2c^2 を 3 で割った余りは等しくなければなりません。
しかし、a2+b2a^2 + b^2 を 3 で割った余りは 2 であり、c2c^2 を 3 で割った余りは 0 または 1 であるため、矛盾が生じます。
したがって、aabb の少なくとも一方は 3 の倍数でなければなりません。

3. 最終的な答え

(1) a2a^2 を 3 で割った余りは 0 または 1 である。
(2) aabb の少なくとも一方は 3 の倍数である。

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