ある地方の政府が橋を建設することを考えている。橋の建設には3500万ドルが必要であり、維持費はかからない。住民は10万人おり、住民の需要曲線は $P = 120 - Q$ で表される。ここで、$P$ は通行料、$Q$ は通行回数である。首長は各住民に350ドルの一括税を課して資金を調達し、無料で通行できるようにすることを提案した。各住民が橋から得る便益(消費者余剰から一括税を引いたもの)を求める。 また、議会では通行料を徴収して建設資金を調達するという対案が出された。橋が損失を被ることなく徴収できる最低通行料金を求める。通行料は0.5ドルの範囲で設定できる。

応用数学経済学需要曲線消費者余剰最適化二次方程式
2025/7/28

1. 問題の内容

ある地方の政府が橋を建設することを考えている。橋の建設には3500万ドルが必要であり、維持費はかからない。住民は10万人おり、住民の需要曲線は P=120QP = 120 - Q で表される。ここで、PP は通行料、QQ は通行回数である。首長は各住民に350ドルの一括税を課して資金を調達し、無料で通行できるようにすることを提案した。各住民が橋から得る便益(消費者余剰から一括税を引いたもの)を求める。
また、議会では通行料を徴収して建設資金を調達するという対案が出された。橋が損失を被ることなく徴収できる最低通行料金を求める。通行料は0.5ドルの範囲で設定できる。

2. 解き方の手順

(1) 首長提案の場合の各住民の便益を求める。
まず、無料で橋を通行できるので、P=0P = 0 を需要曲線に代入する。
0=120Q0 = 120 - Q
Q=120Q = 120
消費者余剰は、需要曲線と価格軸、および数量軸で囲まれた三角形の面積である。
CS=12×(1200)×120=12×120×120=7200CS = \frac{1}{2} \times (120 - 0) \times 120 = \frac{1}{2} \times 120 \times 120 = 7200 ドル
各住民の便益は、消費者余剰から一括税を引いたものである。
Benefit=CSTax=7200350=6850Benefit = CS - Tax = 7200 - 350 = 6850 ドル
(2) 通行料を徴収する場合の最低通行料金を求める。
橋の建設費用は3500万ドルである。これを通行料で賄う必要がある。
通行料を PP とすると、需要曲線から通行回数 QQQ=120PQ = 120 - P となる。
総収入は P×Q=P×(120P)P \times Q = P \times (120 - P) である。
橋が損失を被らないためには、総収入が建設費用以上である必要がある。
P×(120P)×10000035000000P \times (120 - P) \times 100000 \ge 35000000
P(120P)350P(120 - P) \ge 350
120PP2350120P - P^2 \ge 350
P2120P+3500P^2 - 120P + 350 \le 0
二次方程式 P2120P+350=0P^2 - 120P + 350 = 0 の解を求める。
P=(120)±(120)24×1×3502×1=120±1440014002=120±130002=120±101302=60±5130P = \frac{-(-120) \pm \sqrt{(-120)^2 - 4 \times 1 \times 350}}{2 \times 1} = \frac{120 \pm \sqrt{14400 - 1400}}{2} = \frac{120 \pm \sqrt{13000}}{2} = \frac{120 \pm 10\sqrt{130}}{2} = 60 \pm 5\sqrt{130}
P1=6051303.0066P_1 = 60 - 5\sqrt{130} \approx 3.0066
P2=60+5130116.99P_2 = 60 + 5\sqrt{130} \approx 116.99
PP は、3.0066P116.993.0066 \le P \le 116.99 の範囲にある必要がある。
問題文より通行料は0.5ドルの範囲で設定できるので、最低通行料金は3.5ドルとなる。
3.00663.0066ドルを上回る最小の0.5ドル刻みの金額は3.5ドル。

3. 最終的な答え

首長提案の場合の各住民の便益:6850ドル
橋が損失を被ることなく徴収できる最低通行料金:3.5ドル

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