問題18で、ベイリーは需要曲線 $P = 120 - Q$、限界収入曲線 $MR = 120 - 2Q$、限界費用曲線 $MC = Q$に直面しています。水の供給に固定費はかからない場合、ベイリーが利潤を最大化したときの利潤を求めます。 問題19では、ベイリーが完全に価格差別を行うことができると仮定します。ただし、価格差別には固定費用2000がかかるとします。価格差別によって総余剰はどれだけ変化するか、変化分を求めます。

1. 問題の内容

問題18で、ベイリーは需要曲線 $P = 120 - Q$、限界収入曲線 $MR = 120 - 2Q$、限界費用曲線 $MC = Q$に直面しています。水の供給に固定費はかからない場合、ベイリーが利潤を最大化したときの利潤を求めます。

問題19では、ベイリーが完全に価格差別を行うことができると仮定します。ただし、価格差別には固定費用2000がかかるとします。価格差別によって総余剰はどれだけ変化するか、変化分を求めます。

2. 解き方の手順

問題18：

利潤を最大化するためには、限界収入（MR）と限界費用（MC）が等しくなるように生産量を決定します。

$MR = MC$ なので、

$120 - 2Q = Q$

$120 = 3Q$

$Q = 40$

このときの価格は、需要曲線にQ=40を代入して求めます。

$P = 120 - Q = 120 - 40 = 80$

総収入（TR）は、価格と生産量の積です。

$TR = P \times Q = 80 \times 40 = 3200$

総費用（TC）は、限界費用曲線の面積（すなわちQの積分）として求めることができます。

$TC = \int_0^{40} Q \,dQ = \left[\frac{1}{2}Q^2\right]_0^{40} = \frac{1}{2}(40^2) - \frac{1}{2}(0^2) = \frac{1}{2}(1600) = 800$

利潤（π）は、総収入から総費用を引いたものです。

$\pi = TR - TC = 3200 - 800 = 2400$

問題19：

完全に価格差別を行う場合、ベイリーは需要曲線全体から利益を得ることができます。総余剰は、需要曲線と限界費用曲線の間の面積で表されます。これは、Qが0から需要曲線と限界費用曲線が交わる点までを積分することで求められます。

まず、需要曲線と限界費用曲線の交点を求めます。

$P = 120 - Q$

$MC = Q$

$120 - Q = Q$

$120 = 2Q$

$Q = 60$

この時の価格は、

$P = 120 - 60 = 60$

総余剰を求めます。

$TS = \int_0^{60} (120 - Q) \,dQ - \int_0^{60} Q \,dQ = \int_0^{60} (120 - 2Q) \,dQ$

$= [120Q - Q^2]_0^{60} = (120(60) - (60)^2) - (0) = 7200 - 3600 = 3600$

または、三角形の面積として計算することもできます。

$TS = \frac{1}{2} \times (120 - 0) \times 60 = \frac{1}{2} \times 120 \times 60 = 3600$

固定費用2000を考慮すると、利潤は

$\pi_{PD} = 3600 - 2000 = 1600$　となります。

問題18の場合の総余剰は、消費者余剰と生産者余剰の合計です。しかし、ベイリーは独占企業であり、消費者余剰は存在しないため、総余剰は生産者余剰（利潤）と等しく、2400です。

総余剰の変化分は、価格差別を行った場合の総余剰（3600）から価格差別を行わなかった場合の総余剰（2400）を引いたものです。

$\Delta TS = 3600 - 2400 = 1200$

固定費用を考慮に入れると、総余剰の変化分は、利潤の変化で求めます。

$\Delta \pi = (3600 - 2000) - 2400 = 1600 - 2400 = -800$

問題文は総余剰の変化分を聞いているので、固定費用は考慮しない。

3. 最終的な答え

問題18の答え：2400

問題19の答え：1200