関数 $f(x) = a\cos x - \sin^2 x$ が与えられている。ここで、$a$ は実数の定数である。 (1) $f(x)$ の最小値 $m(a)$ を $a$ の値によって場合分けして表す。 (2) $m(a)$ の最大値を求める。

解析学三角関数最大値最小値場合分け二次関数
2025/7/29

1. 問題の内容

関数 f(x)=acosxsin2xf(x) = a\cos x - \sin^2 x が与えられている。ここで、aa は実数の定数である。
(1) f(x)f(x) の最小値 m(a)m(a)aa の値によって場合分けして表す。
(2) m(a)m(a) の最大値を求める。

2. 解き方の手順

(1) f(x)=acosxsin2xf(x) = a\cos x - \sin^2 x を変形する。sin2x=1cos2x\sin^2 x = 1 - \cos^2 x なので、
f(x)=acosx(1cos2x)=cos2x+acosx1f(x) = a\cos x - (1 - \cos^2 x) = \cos^2 x + a\cos x - 1 となる。
t=cosxt = \cos x とおくと、1t1-1 \leq t \leq 1 であり、
f(x)=g(t)=t2+at1f(x) = g(t) = t^2 + at - 1 となる。
g(t)=(t+a2)2a241g(t) = (t + \frac{a}{2})^2 - \frac{a^2}{4} - 1
t=a2t = -\frac{a}{2} の位置で場合分けする。
(i) a2<1-\frac{a}{2} < -1 つまり a>2a > 2 のとき、g(t)g(t) は単調増加なので、最小値は g(1)g(-1) であり、
m(a)=g(1)=(1)2+a(1)1=1a1=am(a) = g(-1) = (-1)^2 + a(-1) - 1 = 1 - a - 1 = -a.
(ii) 1a21-1 \leq -\frac{a}{2} \leq 1 つまり 2a2-2 \leq a \leq 2 のとき、最小値は g(a2)g(-\frac{a}{2}) であり、
m(a)=g(a2)=(a2)2+a(a2)1=a24a221=a241m(a) = g(-\frac{a}{2}) = (-\frac{a}{2})^2 + a(-\frac{a}{2}) - 1 = \frac{a^2}{4} - \frac{a^2}{2} - 1 = -\frac{a^2}{4} - 1.
(iii) a2>1-\frac{a}{2} > 1 つまり a<2a < -2 のとき、g(t)g(t) は単調減少なので、最小値は g(1)g(1) であり、
m(a)=g(1)=(1)2+a(1)1=1+a1=am(a) = g(1) = (1)^2 + a(1) - 1 = 1 + a - 1 = a.
したがって、f(x)f(x) の最小値 m(a)m(a) は、
$m(a) = \begin{cases}
-a & (a > 2) \\
-\frac{a^2}{4} - 1 & (-2 \leq a \leq 2) \\
a & (a < -2)
\end{cases}$
(2) m(a)m(a) の最大値を求める。
(i) a>2a > 2 のとき、m(a)=a<2m(a) = -a < -2.
(ii) 2a2-2 \leq a \leq 2 のとき、m(a)=a241m(a) = -\frac{a^2}{4} - 1. これは上に凸の放物線で、頂点は (0,1)(0, -1) なので、最大値は 1-1.
(iii) a<2a < -2 のとき、m(a)=a<2m(a) = a < -2.
したがって、m(a)m(a) の最大値は 1-1.

3. 最終的な答え

(1) $m(a) = \begin{cases}
-a & (a > 2) \\
-\frac{a^2}{4} - 1 & (-2 \leq a \leq 2) \\
a & (a < -2)
\end{cases}$
(2) 1-1

「解析学」の関連問題

$n$ を自然数とするとき、$y = \cos x$ の第 $2n$ 次導関数を求める。

微分導関数三角関数数学的帰納法
2025/7/29

与えられた変数変換を用いて、以下の不定積分を$t$に関する不定積分に書き換え、計算せよ。 (1) $\int \frac{dx}{2\sin x + 2\cos x + 3}$, $t = \tan...

不定積分変数変換三角関数積分
2025/7/29

関数 $y = \sin(2x)$ の3次導関数 $y^{(3)}$ を求めよ。

微分三角関数導関数
2025/7/29

$y = e^{2x}$ の第 $n$ 次導関数を求めよ。ただし、$n$ は自然数とする。

導関数指数関数数学的帰納法微分
2025/7/29

与えられた不定積分を、指定された変数変換を用いて $t$ の不定積分に書き換え、その変数変換を利用して不定積分を計算する。 (1) $\int \frac{dx}{2\sin x + 2\cos x ...

不定積分変数変換三角関数置換積分
2025/7/29

自然数 $n$ に対して、関数 $y = e^{-x}$ の第 $n$ 次導関数 $y^{(n)}$ を求める問題です。

微分導関数指数関数数学的帰納法
2025/7/29

$n$を自然数とするとき、関数 $y = e^x$ の第 $n$ 次導関数を求める問題です。

導関数指数関数微分
2025/7/29

$y = x^4$ のとき、$y^{(3)}$ を求めよ。ここで、$y^{(3)}$ は $y$ の3階微分を表します。

微分高階微分関数の微分
2025/7/29

関数 $y = \frac{e^x}{x^2}$ を微分せよ。

微分関数の微分商の微分
2025/7/29

関数 $f(x) = 5^x$ の導関数を求める問題です。

導関数指数関数微分対数
2025/7/29