(1) 3桁以上の平方数において、十の位の数を $a$、一の位の数を $b$ とするとき、$a+b$ が偶数ならば、$b$ は0または4であることを証明する。 (2) 5桁以上の平方数において、千の位、百の位、十の位、一の位の数がすべて同じ数であるならば、その平方数は10000で割り切れることを証明する。

数論平方数整数の性質合同式
2025/6/21

1. 問題の内容

(1) 3桁以上の平方数において、十の位の数を aa、一の位の数を bb とするとき、a+ba+b が偶数ならば、bb は0または4であることを証明する。
(2) 5桁以上の平方数において、千の位、百の位、十の位、一の位の数がすべて同じ数であるならば、その平方数は10000で割り切れることを証明する。

2. 解き方の手順

(1) n2n^2 を平方数とする。このとき、nn を整数として、nr(mod10)n \equiv r \pmod{10} と表せる。ここで、rrnn の一の位である。すると、n2r2(mod10)n^2 \equiv r^2 \pmod{10} となる。
r=0,1,2,3,4,5,6,7,8,9r=0,1,2,3,4,5,6,7,8,9 に対して、r2(mod10)r^2 \pmod{10} を計算すると、
020(mod10)0^2 \equiv 0 \pmod{10}
121(mod10)1^2 \equiv 1 \pmod{10}
224(mod10)2^2 \equiv 4 \pmod{10}
329(mod10)3^2 \equiv 9 \pmod{10}
426(mod10)4^2 \equiv 6 \pmod{10}
525(mod10)5^2 \equiv 5 \pmod{10}
626(mod10)6^2 \equiv 6 \pmod{10}
729(mod10)7^2 \equiv 9 \pmod{10}
824(mod10)8^2 \equiv 4 \pmod{10}
921(mod10)9^2 \equiv 1 \pmod{10}
よって、平方数の一の位としてあり得る数は 0,1,4,5,6,90, 1, 4, 5, 6, 9 である。
nn10m+r10m + r と表す。このとき、
n2=(10m+r)2=100m2+20mr+r2n^2 = (10m + r)^2 = 100m^2 + 20mr + r^2
n220mr+r2(mod100)n^2 \equiv 20mr + r^2 \pmod{100}
n2n^2 の十の位は、2mr+r2/102mr + \lfloor r^2 / 10 \rfloor の一の位に等しい。つまり、 a2mr+r2/10(mod10)a \equiv 2mr + \lfloor r^2 / 10 \rfloor \pmod{10} である。
(i) b=0b=0 のとき、r=0r=0 なので、n=10mn=10m と表せる。したがって、n2=100m2n^2=100m^2 であり、a=0a=0 となる。このとき、a+b=0a+b = 0 は偶数である。
(ii) b=1b=1 のとき、r=1r=1または99 なので、r=1r=1 のとき、 a2m(mod10)a \equiv 2m \pmod{10} となる。a+b=2m+1a+b = 2m + 1 は奇数である。r=9r=9 のとき、a18m+88m+8(mod10)a \equiv 18m + 8 \equiv 8m+8 \pmod{10}a+b=8m+9a+b = 8m+9 は奇数である。
(iii) b=4b=4 のとき、r=2r=2または88 なので、r=2r=2 のとき、a4m+0(mod10)a \equiv 4m + 0 \pmod{10}となる。a+b=4m+4a+b=4m+4 は偶数である。r=8r=8 のとき、a16m+66m+6(mod10)a \equiv 16m + 6 \equiv 6m + 6 \pmod{10}a+b=6m+10a+b = 6m+10 は偶数である。
(iv) b=5b=5 のとき、r=5r=5 なので、a10m+22(mod10)a \equiv 10m + 2 \equiv 2 \pmod{10}a+b=7a+b = 7 は奇数である。
(v) b=6b=6 のとき、r=4r=4または66 なので、r=4r=4 のとき、a8m+1(mod10)a \equiv 8m + 1 \pmod{10}a+b=8m+7a+b = 8m+7 は奇数である。r=6r=6 のとき、a12m+32m+3(mod10)a \equiv 12m + 3 \equiv 2m+3 \pmod{10}a+b=2m+9a+b = 2m+9 は奇数である。
(vi) b=9b=9 のとき、r=3r=3または77 なので、r=3r=3 のとき、a6m+0(mod10)a \equiv 6m + 0 \pmod{10}a+b=6m+9a+b = 6m+9 は奇数である。r=7r=7 のとき、a14m+44m+4(mod10)a \equiv 14m + 4 \equiv 4m+4 \pmod{10}a+b=4m+13a+b = 4m+13 は奇数である。
したがって、a+ba+b が偶数となるのは、b=0b=0 または b=4b=4 のときである。
(2) 5桁以上の平方数 n2n^2 について、千の位、百の位、十の位、一の位がすべて同じ数 kk であるとする。このとき、n2n^2
N=A×10000+k×1111N = A \times 10000 + k \times 1111 (ここで AA1000010000 以上の整数、kk0k90 \le k \le 9 の整数) と表される。
n2=A×10000+1111k=A×10000+1111kn^2 = A \times 10000 + 1111k = A \times 10000 + 1111k
n21111k(mod10000)n^2 \equiv 1111k \pmod{10000}
n21111k0(mod16)n^2 \equiv 1111 k \equiv 0 \pmod{16} かつ n21111k0(mod625)n^2 \equiv 1111k \equiv 0 \pmod{625} を示せばよい。
n2n^2 が 10000 で割り切れるためには、1111k1111k が 10000 で割り切れる必要がある。
1111k=10000m1111k = 10000 m (ただし mm は整数) となる kk が存在するか考える。kk は0以上9以下の整数なので、k=0k=0 のときのみ mm は整数となる。このとき、n2=A×10000n^2 = A \times 10000 となり、 n2n^2 は10000で割り切れる。
k=0k=0 は、千の位、百の位、十の位、一の位の数がすべて0であることを意味する。
したがって、n2n^2 が10000で割り切れる。

3. 最終的な答え

(1) bb は0または4である。
(2) その平方数は10000で割り切れる。

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