空間ベクトル $\vec{a}=(2, 1, -2)$、$\vec{b}=(3, -2, 6)$ に対して、$\vec{c} = t\vec{a} + \vec{b}$ ($t \in \mathbb{R}$) とする。 (1) $|\vec{c}|$ の最小値を求める。 (2) $\vec{c}$ が $\vec{a}$ と $\vec{b}$ のなす角を二等分するときの $t$ の値を求める。

幾何学ベクトル空間ベクトルベクトルの内積ベクトルの大きさ最小値ベクトルの二等分線
2025/7/29

1. 問題の内容

空間ベクトル a=(2,1,2)\vec{a}=(2, 1, -2)b=(3,2,6)\vec{b}=(3, -2, 6) に対して、c=ta+b\vec{c} = t\vec{a} + \vec{b} (tRt \in \mathbb{R}) とする。
(1) c|\vec{c}| の最小値を求める。
(2) c\vec{c}a\vec{a}b\vec{b} のなす角を二等分するときの tt の値を求める。

2. 解き方の手順

(1) c|\vec{c}|tt の関数として表し、最小値を求める。
c=t(2,1,2)+(3,2,6)=(2t+3,t2,2t+6)\vec{c} = t(2, 1, -2) + (3, -2, 6) = (2t+3, t-2, -2t+6)
c2=(2t+3)2+(t2)2+(2t+6)2=4t2+12t+9+t24t+4+4t224t+36=9t216t+49|\vec{c}|^2 = (2t+3)^2 + (t-2)^2 + (-2t+6)^2 = 4t^2 + 12t + 9 + t^2 - 4t + 4 + 4t^2 - 24t + 36 = 9t^2 - 16t + 49
c2=9(t2169t)+49=9(t89)29(89)2+49=9(t89)2649+49=9(t89)2+441649=9(t89)2+3779|\vec{c}|^2 = 9(t^2 - \frac{16}{9}t) + 49 = 9(t - \frac{8}{9})^2 - 9(\frac{8}{9})^2 + 49 = 9(t - \frac{8}{9})^2 - \frac{64}{9} + 49 = 9(t - \frac{8}{9})^2 + \frac{441-64}{9} = 9(t - \frac{8}{9})^2 + \frac{377}{9}
c2|\vec{c}|^2t=89t = \frac{8}{9} のとき最小値 3779\frac{377}{9} をとる。
したがって、 c|\vec{c}| の最小値は 3779=3773\sqrt{\frac{377}{9}} = \frac{\sqrt{377}}{3}
(2) c\vec{c}a\vec{a}b\vec{b} のなす角を二等分するとき、c\vec{c}a\vec{a}b\vec{b} を正規化したベクトルの和の定数倍で表せる。
a=22+12+(2)2=4+1+4=9=3|\vec{a}| = \sqrt{2^2 + 1^2 + (-2)^2} = \sqrt{4 + 1 + 4} = \sqrt{9} = 3
b=32+(2)2+62=9+4+36=49=7|\vec{b}| = \sqrt{3^2 + (-2)^2 + 6^2} = \sqrt{9 + 4 + 36} = \sqrt{49} = 7
c=k(aa+bb)=k(13(2,1,2)+17(3,2,6))=k(23+37,1327,23+67)=k(14+921,7621,14+1821)=k(2321,121,421)\vec{c} = k(\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} + \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|}) = k(\frac{1}{3}(2, 1, -2) + \frac{1}{7}(3, -2, 6)) = k(\frac{2}{3} + \frac{3}{7}, \frac{1}{3} - \frac{2}{7}, -\frac{2}{3} + \frac{6}{7}) = k(\frac{14+9}{21}, \frac{7-6}{21}, \frac{-14+18}{21}) = k(\frac{23}{21}, \frac{1}{21}, \frac{4}{21})
c=(2t+3,t2,2t+6)=k(2321,121,421)\vec{c} = (2t+3, t-2, -2t+6) = k(\frac{23}{21}, \frac{1}{21}, \frac{4}{21})
2t+3=23k212t+3 = \frac{23k}{21}, t2=k21t-2 = \frac{k}{21}, 2t+6=4k21-2t+6 = \frac{4k}{21}
k=21(t2)k = 21(t-2) を他の式に代入する。
2t+3=23(21(t2))21=23(t2)=23t462t+3 = \frac{23(21(t-2))}{21} = 23(t-2) = 23t - 46
21t=4921t = 49, t=4921=73t = \frac{49}{21} = \frac{7}{3}
2t+6=4(21(t2))21=4(t2)=4t8-2t+6 = \frac{4(21(t-2))}{21} = 4(t-2) = 4t - 8
6t=146t = 14, t=146=73t = \frac{14}{6} = \frac{7}{3}

3. 最終的な答え

(1) c|\vec{c}| の最小値は 3773\frac{\sqrt{377}}{3}
(2) c\vec{c}a\vec{a}b\vec{b} のなす角を二等分するとき、t=73t = \frac{7}{3}

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