$x > 1$ のとき、三角形ABCの各辺の長さが $AB = x - 1$, $BC = x^2 - x$, $CA = x + 1$ で与えられています。 (1) $x$ のとり得る値の範囲を求めよ。 (2) $\angle B$ と $\angle C$ の大小関係を決定せよ。

幾何学三角形辺の長さ角の大小不等式
2025/8/10

1. 問題の内容

x>1x > 1 のとき、三角形ABCの各辺の長さが AB=x1AB = x - 1, BC=x2xBC = x^2 - x, CA=x+1CA = x + 1 で与えられています。
(1) xx のとり得る値の範囲を求めよ。
(2) B\angle BC\angle C の大小関係を決定せよ。

2. 解き方の手順

(1) 三角形が成立するための条件は、任意の2辺の長さの和が残りの1辺の長さよりも大きいことです。したがって、以下の3つの不等式が成り立つ必要があります。
* AB+BC>CAAB + BC > CA
* BC+CA>ABBC + CA > AB
* CA+AB>BCCA + AB > BC
それぞれの不等式に各辺の長さを代入して、xx について解きます。
まず、AB+BC>CAAB + BC > CA について:
(x1)+(x2x)>x+1(x - 1) + (x^2 - x) > x + 1
x1+x2x>x+1x - 1 + x^2 - x > x + 1
x2>x+2x^2 > x + 2
x2x2>0x^2 - x - 2 > 0
(x2)(x+1)>0(x - 2)(x + 1) > 0
x<1x < -1 または x>2x > 2
次に、BC+CA>ABBC + CA > AB について:
(x2x)+(x+1)>x1(x^2 - x) + (x + 1) > x - 1
x2x+x+1>x1x^2 - x + x + 1 > x - 1
x2+1>x1x^2 + 1 > x - 1
x2x+2>0x^2 - x + 2 > 0
判別式 D=(1)24(1)(2)=18=7<0D = (-1)^2 - 4(1)(2) = 1 - 8 = -7 < 0 より、この不等式はすべての実数 xx に対して成立します。
最後に、CA+AB>BCCA + AB > BC について:
(x+1)+(x1)>x2x(x + 1) + (x - 1) > x^2 - x
2x>x2x2x > x^2 - x
x23x<0x^2 - 3x < 0
x(x3)<0x(x - 3) < 0
0<x<30 < x < 3
以上の結果と x>1x > 1 を考慮すると、xxx>2x > 2 かつ 0<x<30 < x < 3 を満たす必要があります。したがって、2<x<32 < x < 3 が得られます。
(2) 角の大小関係は、対応する辺の長さによって決定されます。
BC=x2xBC = x^2 - xCA=x+1CA = x + 1 の大小を比較します。
x2x(x+1)=x22x1x^2 - x - (x + 1) = x^2 - 2x - 1
x22x1=(x1)22x^2 - 2x - 1 = (x - 1)^2 - 2
2<x<32 < x < 3 の範囲で BCCA=(x1)22BC - CA = (x - 1)^2 - 2 の符号を調べます。
x=2x = 2 のとき (x1)22=(21)22=12=1<0(x-1)^2 - 2 = (2-1)^2 - 2 = 1 - 2 = -1 < 0
x=3x = 3 のとき (x1)22=(31)22=42=2>0(x-1)^2 - 2 = (3-1)^2 - 2 = 4 - 2 = 2 > 0
BCCA=0BC - CA = 0 となるのは (x1)22=0(x-1)^2 - 2 = 0 つまり x=1+2x = 1 + \sqrt{2} の時です。
2<x<32 < x < 3 の範囲では 1+22.4141+\sqrt{2} \approx 2.414 であり、
2<x<1+22 < x < 1 + \sqrt{2} のとき、BC<CABC < CA となり、B>C\angle B > \angle C
1+2<x<31 + \sqrt{2} < x < 3 のとき、BC>CABC > CA となり、B<C\angle B < \angle C
AB=x1AB = x - 1, BC=x2xBC = x^2 - x, CA=x+1CA = x + 1
BCAB=x2x(x1)=x22x+1=(x1)2>0BC - AB = x^2 - x - (x-1) = x^2 - 2x + 1 = (x-1)^2 > 0, よって BC>ABBC > AB, したがって A>C\angle A > \angle C
CAAB=x+1(x1)=2>0CA - AB = x+1 - (x-1) = 2 > 0, よって CA>ABCA > AB, したがって B>C\angle B > \angle C

3. 最終的な答え

(1) 2<x<32 < x < 3
(2) B>C\angle B > \angle C

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