##
1. 問題の内容
問題は2つあります。
* 問題1: が4以上の自然数のとき、不等式 を数学的帰納法を用いて証明してください。
* 問題2: が自然数のとき、 が3の倍数であることを数学的帰納法を用いて証明してください。
##
2. 解き方の手順
### 問題1: の証明 ()
1. **基本ケース:** $n=4$ のときを考えます。
であり、 です。
したがって、 が成立します。
2. **帰納法の仮定:** $n = k$ ($k \ge 4$) のとき、$2^k > 3k$ が成り立つと仮定します。
3. **帰納ステップ:** $n = k+1$ のとき、$2^{k+1} > 3(k+1)$ が成り立つことを示します。
(帰納法の仮定より)
を示すことができれば、証明完了です。
であるため、 は常に成立します。したがって、 が成り立ちます。
よって、 が成立します。
4. **結論:** 数学的帰納法の原理より、$n \ge 4$ のすべての自然数 $n$ に対して、$2^n > 3n$ が成立します。
### 問題2: が3の倍数であることの証明
1. **基本ケース:** $n=1$ のときを考えます。
であり、3は3の倍数です。
2. **帰納法の仮定:** $n = k$ のとき、$k^3 + 2k$ が3の倍数であると仮定します。
つまり、 (mは整数) と表せると仮定します。
3. **帰納ステップ:** $n = k+1$ のとき、$(k+1)^3 + 2(k+1)$ が3の倍数であることを示します。
帰納法の仮定より、 なので、
は整数であるため、 は3の倍数です。
よって、 は3の倍数です。
4. **結論:** 数学的帰納法の原理より、すべての自然数 $n$ に対して、$n^3 + 2n$ は3の倍数です。
##
3. 最終的な答え
* 問題1: のとき、 が成り立つ。
* 問題2: すべての自然数 に対して、 は3の倍数である。