スーパーの買い物でマイバッグを使用している人の割合を調べたい。母比率を $p$、標本比率を $\hat{p}$、標本の大きさを $n$ で表す。$\hat{p}$ と $p$ の差(許容誤差)が0.01以下になる確率を0.90以上にするために必要な最小の標本サイズ $n$ を、中心極限定理を用いて求める。

確率論・統計学標本サイズ中心極限定理母比率統計的推測許容誤差
2025/6/2

1. 問題の内容

スーパーの買い物でマイバッグを使用している人の割合を調べたい。母比率を pp、標本比率を p^\hat{p}、標本の大きさを nn で表す。p^\hat{p}pp の差(許容誤差)が0.01以下になる確率を0.90以上にするために必要な最小の標本サイズ nn を、中心極限定理を用いて求める。

2. 解き方の手順

中心極限定理より、Zn=p^pp(1p)nZ_n = \frac{\hat{p} - p}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}} は標準正規分布 N(0,1)N(0,1) に従う。
p^\hat{p}pp の差の絶対値が0.01以下になる確率が0.90以上であるということは、以下のように書ける。
P(p^p0.01)0.90P(|\hat{p} - p| \le 0.01) \ge 0.90
これを標準正規分布で書き換えると、
P(p^pp(1p)n0.01p(1p)n)0.90P\left( \left| \frac{\hat{p} - p}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}} \right| \le \frac{0.01}{\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}} \right) \ge 0.90
P(Zn0.01np(1p))0.90P\left( |Z_n| \le \frac{0.01\sqrt{n}}{\sqrt{p(1-p)}} \right) \ge 0.90
ここで、P(Zz)=0.90P(|Z| \le z) = 0.90 となる zz を求める。これは、P(Zz)P(Zz)=0.90P(Z \le z) - P(Z \le -z) = 0.90 と同じ意味であり、P(Zz)(1P(Zz))=0.90P(Z \le z) - (1 - P(Z \le z)) = 0.90 から、2P(Zz)1=0.902P(Z \le z) - 1 = 0.90P(Zz)=0.95P(Z \le z) = 0.95 となる zz を求めることになる。
P(Z>z)=1P(Zz)=0.05P(Z > z) = 1 - P(Z \le z) = 0.05 となる zz を探すと、P(Z>1.64)=0.05P(Z > 1.64) = 0.05 より、z=1.64z = 1.64 が得られる。
したがって、
0.01np(1p)1.64\frac{0.01\sqrt{n}}{\sqrt{p(1-p)}} \ge 1.64
n(1.64)2p(1p)(0.01)2n \ge (1.64)^2 \frac{p(1-p)}{(0.01)^2}
p(1p)p(1-p)p=0.5p=0.5 のとき最大値 0.250.25 をとるため、 p(1p)0.25p(1-p) \le 0.25 となる。
n(1.64)20.25(0.01)2=(1.64)2×2500=2.6896×2500=6724n \ge (1.64)^2 \frac{0.25}{(0.01)^2} = (1.64)^2 \times 2500 = 2.6896 \times 2500 = 6724

3. 最終的な答え

少なくとも必要な標本の大きさは6724である。
答え: ④

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