直線上の任意の点 (x,y) が、一次変換 f によって点 (x′,y′) に移るとします。このとき、 (x′y′)=A(xy)=(4−2−21)(xy) となります。これから、x,y を x′,y′ で表し、与えられた直線の方程式に代入することで、変換後の直線の方程式を求めることができます。 まず、上記の行列の式から、x′,y′ を x,y で表すと、 x′=4x−2y y′=−2x+y となります。
次に、x,y を x′,y′ で表します。y′=−2x+y より y=y′+2x です。これをx′=4x−2yに代入すると、 x′=4x−2(y′+2x)=4x−2y′−4x=−2y′ したがって、x′=−2y′。これは x′ と y′ が独立でないことを意味し、変換後の像は直線にならないか、あるいは特別な状況になることが予想されます。 行列Aの行列式は 4∗1−(−2)∗(−2)=0 なので、これは一次変換 f が線形独立なベクトルを線形従属なベクトルに写像する、つまり次元を下げる変換であるということを意味します。つまり、平面全体が直線に写像されることになります。 (1) 2x−y+3=0 に対して、x=x′,y=y′ と置き換えてから、x′とy′の関係式を代入することで、 x=0x′+2y′ という形になり、直線にはなりません。そこで、直線 2x−y+3=0 上の二つの点を取り、それぞれの像を求めることで変換後の直線の方程式を求めます。 2x−y+3=0 上の点として、例えば (0,3) と (1,5) を取ります。 (0,3) の像は A(03)=(−63) (1,5) の像は A(15)=(−63) このように、2つの点が同じ点に移ってしまいます。一般に、2x−y+3=0 上の任意の点を (x,2x+3) と表すことができます。この点の像は A(x2x+3)=(4x−2(2x+3)−2x+(2x+3))=(−63) となります。よって、直線 2x−y+3=0 は点 (−6,3) に写像されます。 同様に他の直線についても、直線上の点を取って像を求めることで、変換後の像を求めることができます。
(2) 2x+y+1=0 上の点を (x,−2x−1) と表すことができます。この点の像は A(x−2x−1)=(4x−2(−2x−1)−2x+(−2x−1))=(8x+2−4x−1) x′=8x+2,y′=−4x−1 より、 x=(x′−2)/8=(−y′−1)/4 となるので、 x′=−2y′の関係が成り立ちます。 x′+2y′=0。 (3) x+2y−5=0 A(−2y+5y)=(4(−2y+5)−2y−2(−2y+5)+y)=(−10y+205y−10) x′=−10y+20, y′=5y−10 y=(20−x′)/10=(y′+10)/5 20−x′=2(y′+10)=2y′+20 x′+2y′=0 (4) x+y+2=0 A(−y−2y)=(4(−y−2)−2y−2(−y−2)+y)=(−6y−83y+4) x′=−6y−8, y′=3y+4 y=(−8−x′)/6=(y′−4)/3 −8−x′=2(y′−4)=2y′−8 x′+2y′=0