与えられた2x2行列に対応する一次変換 $f$ によって、与えられた直線がどのように変換されるかを求めます。具体的には、次の4つの直線に対して、一次変換後の直線の方程式を求めます。 (1) $2x-y+3=0$ (2) $2x+y+1=0$ (3) $x+2y-5=0$ (4) $x+y+2=0$ 一次変換 $f$ を表す行列は $A = \begin{pmatrix} 4 & -2 \\ -2 & 1 \end{pmatrix}$ です。

代数学線形代数一次変換行列線形写像直線の変換
2025/6/30

1. 問題の内容

与えられた2x2行列に対応する一次変換 ff によって、与えられた直線がどのように変換されるかを求めます。具体的には、次の4つの直線に対して、一次変換後の直線の方程式を求めます。
(1) 2xy+3=02x-y+3=0
(2) 2x+y+1=02x+y+1=0
(3) x+2y5=0x+2y-5=0
(4) x+y+2=0x+y+2=0
一次変換 ff を表す行列は
A=(4221)A = \begin{pmatrix} 4 & -2 \\ -2 & 1 \end{pmatrix}
です。

2. 解き方の手順

直線上の任意の点 (x,y)(x, y) が、一次変換 ff によって点 (x,y)(x', y') に移るとします。このとき、
(xy)=A(xy)=(4221)(xy)\begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix} = A \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4 & -2 \\ -2 & 1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}
となります。これから、x,yx, yx,yx', y' で表し、与えられた直線の方程式に代入することで、変換後の直線の方程式を求めることができます。
まず、上記の行列の式から、x,yx', y'x,yx, y で表すと、
x=4x2yx' = 4x - 2y
y=2x+yy' = -2x + y
となります。
次に、x,yx, yx,yx', y' で表します。y=2x+yy' = -2x + y より y=y+2xy = y' + 2x です。これをx=4x2yx' = 4x - 2yに代入すると、
x=4x2(y+2x)=4x2y4x=2yx' = 4x - 2(y' + 2x) = 4x - 2y' - 4x = -2y'
したがって、x=2yx' = -2y'。これは xx'yy' が独立でないことを意味し、変換後の像は直線にならないか、あるいは特別な状況になることが予想されます。
行列Aの行列式は 41(2)(2)=04*1 - (-2)*(-2) = 0 なので、これは一次変換 ff が線形独立なベクトルを線形従属なベクトルに写像する、つまり次元を下げる変換であるということを意味します。つまり、平面全体が直線に写像されることになります。
(1) 2xy+3=02x-y+3=0 に対して、x=x,y=yx=x', y=y' と置き換えてから、xx'yy'の関係式を代入することで、
x=x+2y0x = \frac{x'+2y'}{0}
という形になり、直線にはなりません。そこで、直線 2xy+3=02x - y + 3 = 0 上の二つの点を取り、それぞれの像を求めることで変換後の直線の方程式を求めます。
2xy+3=02x - y + 3 = 0 上の点として、例えば (0,3)(0, 3)(1,5)(1, 5) を取ります。
(0,3)(0, 3) の像は A(03)=(63)A \begin{pmatrix} 0 \\ 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -6 \\ 3 \end{pmatrix}
(1,5)(1, 5) の像は A(15)=(63)A \begin{pmatrix} 1 \\ 5 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -6 \\ 3 \end{pmatrix}
このように、2つの点が同じ点に移ってしまいます。一般に、2xy+3=02x-y+3 = 0 上の任意の点を (x,2x+3)(x, 2x+3) と表すことができます。この点の像は
A(x2x+3)=(4x2(2x+3)2x+(2x+3))=(63)A \begin{pmatrix} x \\ 2x+3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4x-2(2x+3) \\ -2x+(2x+3) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -6 \\ 3 \end{pmatrix}
となります。よって、直線 2xy+3=02x - y + 3 = 0 は点 (6,3)(-6, 3) に写像されます。
同様に他の直線についても、直線上の点を取って像を求めることで、変換後の像を求めることができます。
(2) 2x+y+1=02x+y+1=0 上の点を (x,2x1)(x, -2x-1) と表すことができます。この点の像は
A(x2x1)=(4x2(2x1)2x+(2x1))=(8x+24x1)A \begin{pmatrix} x \\ -2x-1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 4x-2(-2x-1) \\ -2x+(-2x-1) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 8x+2 \\ -4x-1 \end{pmatrix}
x=8x+2,y=4x1x' = 8x+2, y' = -4x-1 より、 x=(x2)/8=(y1)/4x = (x'-2)/8 = (-y'-1)/4 となるので、 x=2yx' = -2y'の関係が成り立ちます。
x+2y=0x' + 2y' = 0
(3) x+2y5=0x+2y-5=0
x=2y+5x=-2y+5を代入
A(2y+5y)=(4(2y+5)2y2(2y+5)+y)=(10y+205y10)A\begin{pmatrix} -2y+5\\ y \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 4(-2y+5)-2y\\ -2(-2y+5)+y \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -10y+20\\ 5y-10 \end{pmatrix}
x=10y+20x' = -10y + 20, y=5y10y' = 5y - 10
y=(20x)/10=(y+10)/5y = (20-x')/10 = (y'+10)/5
20x=2(y+10)=2y+2020 - x' = 2(y' + 10) = 2y' + 20
x+2y=0x' + 2y' = 0
(4) x+y+2=0x+y+2=0
x=y2x=-y-2を代入
A(y2y)=(4(y2)2y2(y2)+y)=(6y83y+4)A\begin{pmatrix} -y-2\\ y \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 4(-y-2)-2y\\ -2(-y-2)+y \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -6y-8\\ 3y+4 \end{pmatrix}
x=6y8x' = -6y-8, y=3y+4y' = 3y+4
y=(8x)/6=(y4)/3y = (-8-x')/6 = (y'-4)/3
8x=2(y4)=2y8-8 - x' = 2(y' - 4) = 2y' - 8
x+2y=0x' + 2y' = 0

3. 最終的な答え

(1) 点 (6,3)(-6, 3)
(2) x+2y=0x + 2y = 0
(3) x+2y=0x + 2y = 0
(4) x+2y=0x + 2y = 0

「代数学」の関連問題

与えられた二次方程式 $3x^2 - 4x - 4 = 0$ の解を求める問題です。

二次方程式因数分解解の公式
2025/6/30

マッチ棒を使って正方形を並べていく。1番目の図形はマッチ棒を4本使い、正方形の一辺に1本の棒が使われている。50番目の図形を作るのに必要なマッチ棒の本数を求める。

数列二次関数漸化式パターン認識
2025/6/30

与えられた式 $a(x - y) + 2(y - x)$ を因数分解しなさい。

因数分解式の展開共通因数
2025/6/30

与えられた式 $(a+3)x + (a+3)y^2$ を因数分解します。

因数分解多項式
2025/6/30

与えられた二次方程式 $9x^2 - 12x + 4 = 0$ を解き、$x$ の値を求めます。

二次方程式因数分解解の公式
2025/6/30

二次方程式 $x^2 + 6x + 8 = 0$ を解きます。

二次方程式因数分解解の公式
2025/6/30

与えられた二次方程式 $(x-3)^2 - 5 = 0$ を解く問題です。

二次方程式解の公式平方根
2025/6/30

与えられた4つの行列を階段行列に変形する問題です。各行列に対して、行基本変形を行い、階段行列の形になるように変形していきます。行の変形操作を記述する必要があります。

線形代数行列階段行列行基本変形
2025/6/30

与えられた4つの行列を階段行列に変形する問題です。行基本変形を適用し、その過程を記述する必要があります。

線形代数行列階段行列行基本変形
2025/6/30

問題は $ \frac{3}{\sqrt{10}+2} $ を計算することです。分母に根号を含むため、有理化を行います。

有理化根号分母の有理化式の計算
2025/6/30