関数 $f(x) = \log(1+x)$ に対して、マクローリンの定理($n=2$)を適用した式を求め、それを用いて $\log(1.02)$ の近似値を小数第4位まで求め、さらにその近似値の誤差の限界を調べる。

解析学マクローリン展開テイラー展開近似対数関数誤差
2025/7/1

1. 問題の内容

関数 f(x)=log(1+x)f(x) = \log(1+x) に対して、マクローリンの定理(n=2n=2)を適用した式を求め、それを用いて log(1.02)\log(1.02) の近似値を小数第4位まで求め、さらにその近似値の誤差の限界を調べる。

2. 解き方の手順

(1) マクローリンの定理(n=2n=2の場合)を適用した式を求める。
マクローリンの定理は、関数 f(x)f(x)x=0x=0 の周りで展開するもので、以下のようになります。
f(x)=f(0)+f(0)x+f(0)2!x2+R2f(x) = f(0) + f'(0)x + \frac{f''(0)}{2!}x^2 + R_2
ここで、R2R_2 は剰余項です。
f(x)=log(1+x)f(x) = \log(1+x) なので、
f(0)=log(1+0)=log(1)=0f(0) = \log(1+0) = \log(1) = 0
f(x)=11+xf'(x) = \frac{1}{1+x} なので、
f(0)=11+0=1f'(0) = \frac{1}{1+0} = 1
f(x)=1(1+x)2f''(x) = -\frac{1}{(1+x)^2} なので、
f(0)=1(1+0)2=1f''(0) = -\frac{1}{(1+0)^2} = -1
f(x)=2(1+x)3f'''(x) = \frac{2}{(1+x)^3}
剰余項 R2R_2 は、R2=f(c)3!x3R_2 = \frac{f'''(c)}{3!}x^3 で表されます。(ラグランジュの剰余項の形)
ここで、cc00xx の間のある数です。
したがって、マクローリンの定理(n=2n=2)を適用した式は以下のようになります。
f(x)=0+1x+12x2+26(1+c)3x3f(x) = 0 + 1 \cdot x + \frac{-1}{2} x^2 + \frac{2}{6(1+c)^3}x^3
f(x)=xx22+x33(1+c)3f(x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3(1+c)^3}
(2) log(1.02)\log(1.02) の近似値を小数第4位まで求める。
log(1.02)=log(1+0.02)\log(1.02) = \log(1 + 0.02) なので、x=0.02x = 0.02 を代入します。
近似値は R2R_2 を無視した項で計算します。
log(1.02)0.02(0.02)22=0.020.00042=0.020.0002=0.0198\log(1.02) \approx 0.02 - \frac{(0.02)^2}{2} = 0.02 - \frac{0.0004}{2} = 0.02 - 0.0002 = 0.0198
(3) 近似値の誤差の限界を調べる。
誤差は剰余項 R2=x33(1+c)3R_2 = \frac{x^3}{3(1+c)^3} で評価できます。0<c<x=0.020 < c < x = 0.02です。
誤差の最大値は、c=0c=0 のとき。
R2=(0.02)33(1+0)3=0.0000083=83×1062.67×106=0.00000267|R_2| = \frac{(0.02)^3}{3(1+0)^3} = \frac{0.000008}{3} = \frac{8}{3} \times 10^{-6} \approx 2.67 \times 10^{-6} = 0.00000267

3. 最終的な答え

(1) マクローリンの定理(n=2n=2)を適用した式:
f(x)=xx22+x33(1+c)3f(x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3(1+c)^3}
(2) log(1.02)\log(1.02) の近似値(小数第4位まで):

0. 0198

(3) 近似値の誤差の限界:

0. 00000267

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