袋の中に数字1が書かれたカードが6枚、数字2が書かれたカードが3枚入っている。これらのカードを元に戻さずに1枚ずつ2回取り出す。1枚目のカードの数字を$X$、2枚目のカードの数字を$Y$とする。$X$と$Y$の同時分布を求め、さらに$X$と$Y$が独立でないことを示す。

確率論・統計学確率同時分布独立性
2025/5/20

1. 問題の内容

袋の中に数字1が書かれたカードが6枚、数字2が書かれたカードが3枚入っている。これらのカードを元に戻さずに1枚ずつ2回取り出す。1枚目のカードの数字をXX、2枚目のカードの数字をYYとする。XXYYの同時分布を求め、さらにXXYYが独立でないことを示す。

2. 解き方の手順

XXYYが取りうる値はそれぞれ1または2である。したがって、XXYYの同時分布は、P(X=x,Y=y)P(X=x, Y=y) (ただし、x,y{1,2}x, y \in \{1, 2\}) を計算することで求められる。
まず、全事象の数(2枚のカードの取り出し方の総数)を考える。全部で9枚のカードから2枚を取り出すので、その総数は9×8=729 \times 8 = 72通りである。
次に、各確率を計算する。
* P(X=1,Y=1)P(X=1, Y=1): 1枚目に1, 2枚目に1を引く確率。1枚目に1を引く確率は69\frac{6}{9}。1枚目に1を引いたとき、残りのカードは8枚で、そのうち1のカードは5枚。したがって、2枚目に1を引く確率は58\frac{5}{8}。ゆえに、
P(X=1,Y=1)=69×58=3072=512P(X=1, Y=1) = \frac{6}{9} \times \frac{5}{8} = \frac{30}{72} = \frac{5}{12}
* P(X=1,Y=2)P(X=1, Y=2): 1枚目に1, 2枚目に2を引く確率。1枚目に1を引く確率は69\frac{6}{9}。1枚目に1を引いたとき、残りのカードは8枚で、そのうち2のカードは3枚。したがって、2枚目に2を引く確率は38\frac{3}{8}。ゆえに、
P(X=1,Y=2)=69×38=1872=14P(X=1, Y=2) = \frac{6}{9} \times \frac{3}{8} = \frac{18}{72} = \frac{1}{4}
* P(X=2,Y=1)P(X=2, Y=1): 1枚目に2, 2枚目に1を引く確率。1枚目に2を引く確率は39\frac{3}{9}。1枚目に2を引いたとき、残りのカードは8枚で、そのうち1のカードは6枚。したがって、2枚目に1を引く確率は68\frac{6}{8}。ゆえに、
P(X=2,Y=1)=39×68=1872=14P(X=2, Y=1) = \frac{3}{9} \times \frac{6}{8} = \frac{18}{72} = \frac{1}{4}
* P(X=2,Y=2)P(X=2, Y=2): 1枚目に2, 2枚目に2を引く確率。1枚目に2を引く確率は39\frac{3}{9}。1枚目に2を引いたとき、残りのカードは8枚で、そのうち2のカードは2枚。したがって、2枚目に2を引く確率は28\frac{2}{8}。ゆえに、
P(X=2,Y=2)=39×28=672=112P(X=2, Y=2) = \frac{3}{9} \times \frac{2}{8} = \frac{6}{72} = \frac{1}{12}
次に、XXYYが独立かどうかを調べる。もし独立であれば、P(X=x,Y=y)=P(X=x)P(Y=y)P(X=x, Y=y) = P(X=x)P(Y=y)が成り立つ。
P(X=1)=P(X=1,Y=1)+P(X=1,Y=2)=512+14=512+312=812=23P(X=1) = P(X=1, Y=1) + P(X=1, Y=2) = \frac{5}{12} + \frac{1}{4} = \frac{5}{12} + \frac{3}{12} = \frac{8}{12} = \frac{2}{3}
P(X=2)=P(X=2,Y=1)+P(X=2,Y=2)=14+112=312+112=412=13P(X=2) = P(X=2, Y=1) + P(X=2, Y=2) = \frac{1}{4} + \frac{1}{12} = \frac{3}{12} + \frac{1}{12} = \frac{4}{12} = \frac{1}{3}
P(Y=1)=P(X=1,Y=1)+P(X=2,Y=1)=512+14=512+312=812=23P(Y=1) = P(X=1, Y=1) + P(X=2, Y=1) = \frac{5}{12} + \frac{1}{4} = \frac{5}{12} + \frac{3}{12} = \frac{8}{12} = \frac{2}{3}
P(Y=2)=P(X=1,Y=2)+P(X=2,Y=2)=14+112=312+112=412=13P(Y=2) = P(X=1, Y=2) + P(X=2, Y=2) = \frac{1}{4} + \frac{1}{12} = \frac{3}{12} + \frac{1}{12} = \frac{4}{12} = \frac{1}{3}
P(X=1)P(Y=1)=23×23=49=3272P(X=1)P(Y=1) = \frac{2}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{9} = \frac{32}{72}
P(X=1,Y=1)=512=3072P(X=1, Y=1) = \frac{5}{12} = \frac{30}{72}
P(X=1)P(Y=1)P(X=1,Y=1)P(X=1)P(Y=1) \neq P(X=1, Y=1) なので、XXYYは独立ではない。

3. 最終的な答え

同時分布は以下の通り。
P(X=1,Y=1)=512P(X=1, Y=1) = \frac{5}{12}
P(X=1,Y=2)=14P(X=1, Y=2) = \frac{1}{4}
P(X=2,Y=1)=14P(X=2, Y=1) = \frac{1}{4}
P(X=2,Y=2)=112P(X=2, Y=2) = \frac{1}{12}
XXYYは独立ではない。

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