大小2個のサイコロを1回投げ、大きいサイコロの出た目を $a$ 、小さいサイコロの出た目を $b$ とする。座標平面上に3点 $A(3,0), B(0,3), P(a,b)$ がある。三角形PABが二等辺三角形となる確率と、直角三角形となる確率をそれぞれ求める。

1. 問題の内容

大小2個のサイコロを1回投げ、大きいサイコロの出た目を $a$ 、小さいサイコロの出た目を $b$ とする。座標平面上に3点 $A(3,0), B(0,3), P(a,b)$ がある。三角形PABが二等辺三角形となる確率と、直角三角形となる確率をそれぞれ求める。

2. 解き方の手順

(1) 三角形PABが二等辺三角形となる確率

まず、サイコロの目の出方は全部で $6 \times 6 = 36$ 通りである。

三角形PABが二等辺三角形となるのは、$PA = PB$ または $AP = AB$ または $BP = BA$ の場合である。

$PA = PB$ のとき、$PA^2 = PB^2$ が成り立つ。

$(a-3)^2 + (b-0)^2 = (a-0)^2 + (b-3)^2$

$a^2 - 6a + 9 + b^2 = a^2 + b^2 - 6b + 9$

$-6a = -6b$

$a = b$

これは $a=b=1, 2, 3, 4, 5, 6$ の6通りである。

$AP = AB$ のとき、$AP^2 = AB^2$ が成り立つ。

$(a-3)^2 + (b-0)^2 = (3-0)^2 + (0-3)^2$

$(a-3)^2 + b^2 = 9 + 9 = 18$

$a^2 - 6a + 9 + b^2 = 18$

$a^2 - 6a + b^2 = 9$

$a=1$のとき$1 - 6 + b^2 = 9$なので$b^2 = 14$となるが、これは不適

$a=2$のとき$4 - 12 + b^2 = 9$なので$b^2 = 17$となるが、これは不適

$a=3$のとき$9 - 18 + b^2 = 9$なので$b^2 = 18$となるが、これは不適

$a=4$のとき$16 - 24 + b^2 = 9$なので$b^2 = 17$となるが、これは不適

$a=5$のとき$25 - 30 + b^2 = 9$なので$b^2 = 14$となるが、これは不適

$a=6$のとき$36 - 36 + b^2 = 9$なので$b^2 = 9$、$b=3$ よって$(6,3)$

$a=0$の場合も考慮する必要があるが，$a$はサイコロの目なので1以上6以下である。

$BP = BA$ のとき、$BP^2 = BA^2$ が成り立つ。

$(a-0)^2 + (b-3)^2 = (0-3)^2 + (3-0)^2$

$a^2 + b^2 - 6b + 9 = 9 + 9 = 18$

$a^2 + b^2 - 6b = 9$

$b=1$のとき$a^2 + 1 - 6 = 9$なので$a^2 = 14$となるが、これは不適

$b=2$のとき$a^2 + 4 - 12 = 9$なので$a^2 = 17$となるが、これは不適

$b=3$のとき$a^2 + 9 - 18 = 9$なので$a^2 = 18$となるが、これは不適

$b=4$のとき$a^2 + 16 - 24 = 9$なので$a^2 = 17$となるが、これは不適

$b=5$のとき$a^2 + 25 - 30 = 9$なので$a^2 = 14$となるが、これは不適

$b=6$のとき$a^2 + 36 - 36 = 9$なので$a^2 = 9$、$a=3$ よって$(3,6)$

以上から、二等辺三角形になるのは $a=b$ の6通りと、$(6,3)$, $(3,6)$ の2通りで、合計8通りである。

したがって、二等辺三角形となる確率は $\frac{8}{36} = \frac{2}{9}$

(2) 直角三角形となる確率

直角三角形となるのは、$PA^2 + PB^2 = AB^2$ または $AB^2 + PB^2 = PA^2$ または $AB^2 + PA^2 = PB^2$ のときである。

$AB^2 = 3^2 + 3^2 = 18$

$PA^2 + PB^2 = AB^2$

$(a-3)^2 + b^2 + a^2 + (b-3)^2 = 18$

$a^2 - 6a + 9 + b^2 + a^2 + b^2 - 6b + 9 = 18$

$2a^2 + 2b^2 - 6a - 6b = 0$

$a^2 + b^2 - 3a - 3b = 0$

$AB^2 + PB^2 = PA^2$

$18 + a^2 + (b-3)^2 = (a-3)^2 + b^2$

$18 + a^2 + b^2 - 6b + 9 = a^2 - 6a + 9 + b^2$

$18 - 6b = -6a$

$3 = b-a$, つまり $a = b-3$

$AB^2 + PA^2 = PB^2$

$18 + (a-3)^2 + b^2 = a^2 + (b-3)^2$

$18 + a^2 - 6a + 9 + b^2 = a^2 + b^2 - 6b + 9$

$18 - 6a = -6b$

$3 = a-b$, つまり $b = a-3$

(ア) $PA^2 + PB^2 = AB^2$: $a^2 + b^2 - 3a - 3b = 0$ を満たす $(a,b)$

$a=1: 1 + b^2 - 3 - 3b = 0$, $b^2 - 3b - 2 = 0$, 解なし

$a=2: 4 + b^2 - 6 - 3b = 0$, $b^2 - 3b - 2 = 0$, 解なし

$a=3: 9 + b^2 - 9 - 3b = 0$, $b^2 - 3b = 0$, $b(b-3) = 0$, $b = 3$

$a=4: 16 + b^2 - 12 - 3b = 0$, $b^2 - 3b + 4 = 0$, 解なし

$a=5: 25 + b^2 - 15 - 3b = 0$, $b^2 - 3b + 10 = 0$, 解なし

$a=6: 36 + b^2 - 18 - 3b = 0$, $b^2 - 3b + 18 = 0$, 解なし

$(3,3)$

(イ) $AB^2 + PB^2 = PA^2$: $a = b-3$ を満たす $(a,b)$

$a=1$なら$b=4$. $(1,4)$

$a=2$なら$b=5$. $(2,5)$

$a=3$なら$b=6$. $(3,6)$

$(1,4), (2,5), (3,6)$

(ウ) $AB^2 + PA^2 = PB^2$: $b = a-3$ を満たす $(a,b)$

$a=4$なら$b=1$. $(4,1)$

$a=5$なら$b=2$. $(5,2)$

$a=6$なら$b=3$. $(6,3)$

$(4,1), (5,2), (6,3)$

合計で1 + 3 + 3 = 7通り。

直角三角形となる確率は $\frac{7}{36}$

3. 最終的な答え

二等辺三角形となる確率は $\frac{2}{9}$

直角三角形となる確率は $\frac{7}{36}$