複素数 $z$ が与えられた方程式を満たすとき、点 $z$ の集合が表す図形を求める問題です。 (1) $|z - i| = |iz - 1|$ (2) $|z - 1| = |2z - 2i|$

代数学複素数複素平面絶対値図形
2025/5/11

1. 問題の内容

複素数 zz が与えられた方程式を満たすとき、点 zz の集合が表す図形を求める問題です。
(1) zi=iz1|z - i| = |iz - 1|
(2) z1=2z2i|z - 1| = |2z - 2i|

2. 解き方の手順

(1) z=x+yiz = x + yi とおきます。
zi=x+yii=x+(y1)i=x2+(y1)2|z - i| = |x + yi - i| = |x + (y - 1)i| = \sqrt{x^2 + (y - 1)^2}
iz1=i(x+yi)1=ixy1=y1+xi=(y+1)2+x2|iz - 1| = |i(x + yi) - 1| = |ix - y - 1| = |-y - 1 + xi| = \sqrt{(y + 1)^2 + x^2}
したがって、x2+(y1)2=x2+(y+1)2\sqrt{x^2 + (y - 1)^2} = \sqrt{x^2 + (y + 1)^2} となります。両辺を2乗すると、
x2+(y1)2=x2+(y+1)2x^2 + (y - 1)^2 = x^2 + (y + 1)^2
x2+y22y+1=x2+y2+2y+1x^2 + y^2 - 2y + 1 = x^2 + y^2 + 2y + 1
2y=2y-2y = 2y
4y=04y = 0
y=0y = 0
これは実軸を表します。
(2) z=x+yiz = x + yi とおきます。
z1=x+yi1=x1+yi=(x1)2+y2|z - 1| = |x + yi - 1| = |x - 1 + yi| = \sqrt{(x - 1)^2 + y^2}
2z2i=2(x+yi)2i=2x+2yi2i=2x+(2y2)i=(2x)2+(2y2)2=2x2+(y1)2|2z - 2i| = |2(x + yi) - 2i| = |2x + 2yi - 2i| = |2x + (2y - 2)i| = \sqrt{(2x)^2 + (2y - 2)^2} = 2\sqrt{x^2 + (y - 1)^2}
したがって、(x1)2+y2=2x2+(y1)2\sqrt{(x - 1)^2 + y^2} = 2\sqrt{x^2 + (y - 1)^2} となります。両辺を2乗すると、
(x1)2+y2=4(x2+(y1)2)(x - 1)^2 + y^2 = 4(x^2 + (y - 1)^2)
x22x+1+y2=4(x2+y22y+1)x^2 - 2x + 1 + y^2 = 4(x^2 + y^2 - 2y + 1)
x22x+1+y2=4x2+4y28y+4x^2 - 2x + 1 + y^2 = 4x^2 + 4y^2 - 8y + 4
0=3x2+3y2+2x8y+30 = 3x^2 + 3y^2 + 2x - 8y + 3
3x2+2x+3y28y+3=03x^2 + 2x + 3y^2 - 8y + 3 = 0
x2+23x+y283y+1=0x^2 + \frac{2}{3}x + y^2 - \frac{8}{3}y + 1 = 0
(x+13)219+(y43)2169+1=0(x + \frac{1}{3})^2 - \frac{1}{9} + (y - \frac{4}{3})^2 - \frac{16}{9} + 1 = 0
(x+13)2+(y43)2=19+16999=89(x + \frac{1}{3})^2 + (y - \frac{4}{3})^2 = \frac{1}{9} + \frac{16}{9} - \frac{9}{9} = \frac{8}{9}
これは、中心 (13,43)(-\frac{1}{3}, \frac{4}{3})、半径 223\frac{2\sqrt{2}}{3} の円を表します。

3. 最終的な答え

(1) 実軸(直線 y=0y=0
(2) 中心 (13,43)(-\frac{1}{3}, \frac{4}{3})、半径 223\frac{2\sqrt{2}}{3} の円

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